2020年11月29日、東京メトロ東西線東陽町駅(東京都江東区)で視覚障害のある男性が駅のホームに転落し死亡するという痛ましい事故が発生しました。

朝日新聞:視覚障害の男性、ホームから転落し死亡 東京・東陽町駅

東陽町は私にとっても使用率の高い駅で、言葉にならない大変なショックを受けました。そして一刻も早く再発防止のための提言をしなければと思いました。

こちらが事故を知って直後のツイートです。この時既に「早く当事者の方から話を聞かなくては」という思いでいっぱいでした。

翌日11月30日は終日、予算審査特別委員会で、翌々日も仕事で慌ただしく、もどかしい焦りが募る日々でした。そして12月2日(火)にようやく東京都視覚障害者協会の方と電話で本件に関するご意見を伺う事ができました。

そして大変有り難いことに、境界の方から普段から東陽町駅を使用されている当事者をご紹介いただきお話する事ができました。

東京メトロのホームは「ホームドアの可動柵の幅が広い」という新事実

その当事者の方とのお電話で大変に貴重な情報をいただく事ができました。

東陽町駅は私も使い慣れているのですが、現在ホームドアを設置中で来年には稼働される事は知っていました。しかし私も気づいてなかったのですが、東京メトロのホームドアは他の鉄道会社と比べて可動柵の幅が広く歩くのが不安だということや、音が反響してしまいどちらのホームに電車が来たのか判りづらいことなどを教えていただききました。

写真:東陽町駅のホーム。ホームドアの間(可動柵の幅)が広いのは、様々な車両編成に対応するためだそうです。

やはり当事者でなければ分からない事が沢山あります。何かを改善しようとする時も、当事者の声を聞くことは必須条件だと改めて身に染みて感じました。

そして当事者に伺ったご意見、ご要望を反映し、国・東京都・東京メトロに提出する要望書を作成しました。

国・東京都・東京メトロに要望書を提出

やはり中心となる要望は「警備員(職員)の配置」についてです。

ホームドアの稼働前に転落事故が有りえる事は鉄道会社も十分にわかっています。しかし現在、どこの鉄道会社もコロナ禍による赤字です。事故を防ぐために多数の駅員を配置するためには多額の人件費が必要になりますが、極めて厳しい状況です。

そのため「赤字だろうが知った事か。とにかく駅員を増やせ」と無理な要望だけすれば、パフォーマンスとしての要望書提出として政治家の実績作りにはなるでしょう。

しかし私はあらゆる人々が安心して地域で暮らせる環境づくりを絶対に実現したいと思っています。

障がいがある事を理由に、事故で亡くなられる様な事など、あってはならないのです。

では別のアプローチでどのような支援・改善が考えられるか?

この葛藤に懇々と向き合い続けました。そして、自由を守る会代表 上田令子都議による適切な助言を受け、翌週には共に東京都知事宛てに要望書を提出する事ができました。

国土交通大臣宛て、東京地下鉄株式会社(東京メトロ)宛てには特定記録が残る方法で郵送にて提出をさせていただきました。

こうして赤字に苦しむ東京メトロにだけ改善を求めるのではなく、東京都・国を巻き込んで予算・人員を獲得してこそ、本当の意味の有る再発防止策になるものと思い、要望書を練り上げました。

ブログの最後には要望書のコピーを添付しておりますのでご覧になってください。

最後に

先日の江東区議会で、東陽町駅におけるホームドアの稼働開始時期が2021年2月から2週間ほど前倒しになりそうだと報告がありました。

江東区内では、東京メトロだけではなく、都営地下鉄、JRといった様々な鉄道が走っています。

全ての駅において二度とこの様な悲しい事件が起こさせないために、ホームドア稼働前に安全対策が講じられる様に当事者の皆様と共に歩む事を誓います。

さんのへあや

東京都への要望書

国(国土交通大臣)への要望書

東京地下鉄株式会社(東京メトロ)への要望書

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA