江東区では、新型コロナウイルス感染症対応として区立学校園を令和2年3月2日から臨時休業という措置をとっています。

その期間においても、委託業者を含む教職員は原則として出勤となりますが、

所属長(学校長)判断によっては在宅勤務が認められるとしています。

臨時休業となって以降、とある区立中学校に勤務されている先生から下記のご相談を受けました。

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家には小さな子どもが3人居ます。小学校や幼稚園が休業となりましたが、

夫は在宅勤務ができず通勤しており、家で子どもを見る為に在宅勤務をしたいと考えております。

しかしながら、学校側から自宅勤務の要件として提示されているのは

*子どもが発熱している場合

*自分自身が発熱などでコロナを職場に蔓延させてしまう恐れがある場合

これらの条件に当てはまる場合のみで、自宅勤務を申し出ても許可してもらえません。

例え妊娠中の先生であっても同様に休まず出勤している様な状況です。

今はベビーシッター等を活用しながら凌いだり、年度末で残り少ない有給を消化して何とか出勤しているという状態です。

金銭的にも限界があり、小さな子どもが居る家庭では可能な限り自宅勤務を促して欲しいです。

(個人情報保護の為、一部内容を変えています。ご了承下さい。)

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業務時間中(8時間)にベビーシッターを雇うと1日13,600円。

3月2日から1ヶ月間(25日)ベビーシッターを利用すると340,000円…。

これは大変な家計負担です。

また、感染者が身近に居て、ようやく在宅勤務が許されるというのでは感染拡大防止の観点からすると矛盾しています。

文科省が発信している「新型コロナウイルス感染症対策のための小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における一斉臨時休業に関するQ&A」の中には、「今回の臨時休業により教職員自身の子の世話を自宅等において行う必要がある場合においても、在宅勤務や特別休暇の取得等により、適切にご対応をお願いしたい」と明記されているのを確認しました。

(下記「Q&Aの問22」をご参照ください。)

https://www.mext.go.jp/content/202000311-mxt_kouhou02-000004520_1.pdf?fbclid=IwAR0AQ-1yznNjhnkyuk9iT2ZHNK4y2waCbUDevt0Gd3HrxUTtv5dgldiveCA東京都教育委員会にも確認したところ、こちらの文科省の判断に則り各学校長には教職員の自宅勤務を要請しているとの事。

文科省と都教委は「家族の感染の有無にかかわらず、在宅勤務の推奨を行なっている」一方で、

江東区教育委員会では自宅勤務の実施を所属長判断に任せるとしています。

学校によって需要は違えど、この判断に学校差・地域差があってはならないと指導室長へ申し伝えました。

しかしながら中々状況は改善されず…。

そこで実態を調査する為、私は江東区に対して情報開示請求を行いました。

開示内容は「江東区立中学校全23校における在宅勤務についての申請・決済・稟議・合議に関する区政情報の全て」。

(調査に時間を要してしまう為、今回は中学校のみを調査対象としました。)

各学校における自宅勤務確認票(実施者氏名は非開示)を入手し、結果を下記の通り纏めました。

江東区立中学校全23校のうち、

*自宅勤務の実績が確認できなかった中学校:12校
*自宅勤務の実績が確認できた中学校:11校

  自宅勤務を許可した延べ人数

   1人~10人:8校

   11人~  :3校

自宅勤務が許可されているにも関わらず、3月末の時点で約半数の中学校では1件も実施されていない事が明らかとなりました。(この時点では4月の入学式等の行事を実施予定であった為に、準備等に職員等の人出が必要であったのかもしれません。)

緊急事態宣言が発令された翌日、再度教員の自宅勤務状況について指導室長に確認すると、

「緊急事態宣言を受けて、学校運営を最小限の人数で行うべく基本的に教職員は在宅勤務とするよう各学校に命じた」との事。

しかしながら、それでも教科書の受け渡し等で殆どの教職員が出勤しなければならないという実態もあり、

所属長(学校長)に在宅勤務に関する権限を持たせ続けることへの危機感を感じました。

そこで令和2年4月9日に、江東区教育委員会 教育長宛てに下記の通り請願を提出して参りました。

本多教育長には、お忙しい中時間を頂戴し、現状をお伝えさせて頂くことができました。

本多教育長からは、「教職員の在宅勤務実施を徹底して参ります。」という前向きなお言葉を頂戴致しましたので、

改善を期待しております。

これまでにご連絡・ご相談を頂いていた先生方へは引き続きフォローさせて頂きます。

現時点でもお困りの方は、遠慮なく当方までご連絡頂ければ幸いです。(個人情報は厳守しますのでご安心下さい。)

過去にも追及した「学校の水筒問題」同様、表には出ないブラックルールから子どもと教職員を守る為、

これからも徹底的に調査・請願を行って参ります。

さんのへ あや

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