平成30年の統計によると、江東区では年に1,038件もの交通事故が発生しています。

そのうち、死亡事故は1件、*重傷事故は39件、*軽傷事故は998件。

*重傷(者)と軽傷(者)の違いですが、これは事故による負傷の治癒が1ヶ月(30日)以上かどうかによるものです。

重傷事故による後遺症は様々ですが、例え植物人間状態になったとしても、ずっと入院し続ける事は出来ません。

国の方針により「例え重度の心身障害を負ったとしても、容態が安定したら在宅での介護を行う」事が定められているからです。

決して低くは無い確率で家族が交通事故に遭う、若しくは脳卒中で倒れて命が助かったとしても、

何らかの後遺症や中途障がいを負って自宅での介護を求められる。

貴方がまだ学生でも、母親になったばかりでも、高齢者であっても、ある日突然「ケアラー(介護者)」になり得るのです。

そしてこの中途障がい者とその家族に対する社会的支援は決して十分とは言えず、家庭に閉じ込められながらも、

介護者も家族も歯を食いしばって何とか耐えているのが現状です。

今回区内で介護者(区民)から要望を受け、調査する内に江東区内における様々な課題が浮き彫りとなりました。

現在厚生委員会で審議中の議案もある為、その件以外で江東区が今後取り組むべき課題について纏めます。

~江東区の現状と課題~

*区内既存の施設では中途で重度の身体障害者は利用不可

*レスパイトとして利用できるのは在宅訪問介護サービスのみ

→本来、レスパイトは一時的に被介護者と介護者が物理的に離れなければなりません。これはケアラー支援に取り組んでいる者として声を大にして言いたいです。

*令和5年に区内で新設される障がい者入所施設における短期入所の対象者は 「生活介護の支給決定を受けている知的障害者や身体・知的障害の重複障害者、 重症心身障害者等(医療的ケアが必要な者を含む) 」とされているものの、医療型施設ではない為に医療的ケアはかなり限られる見込み。

*江東区外には中途の重度障がい者が利用できるデイサービスや病院における医療型短期入所施設がある

→しかし安易に区外に頼ると江東区内で改善されるべき事が改善されない

〜私が取り組むべきこと〜

*縦割り行政の中で、家庭での介護を強いられている人々の要望や声なき声が”無かった事”になっている現状を踏まえて、ニーズや現状を把握すべき。

*いかに医療型通所施設を運営している事業者を江東区に誘致していくか、ノウハウを調査する。

*フォーマル・インフォーマルな支援に関わらず様々な方から助言を頂く。

年に一度厚生労働省が主体となり行われる障害保健福祉関係主管課長会議(令和2年3月9日付資料)では、

「障害児者の地域生活を支援するには、緊急時の対応やレスパイトとしての機能を有する短期入所の整備が重要であり、

更なる整備が必要」と明記されています。

また、令和元年度障害者総合推進事業において「医療型短期入所に関する実態調査」を実施しており、

調査結果や成果物である医療型短期入所の参入促進に向けたガイドブックについて今後周知する予定とのこと。

中途障がい関わらず、医療の進歩で生き延びる事ができた子どもたちが、

10年後、20年後、大人になった時、どこに居場所があるのか?

見えない将来や不安の中に、当事者と家族を置き去りにする訳にはいきません。

改めて、社会福祉士として、議員として、あらゆる方面から課題に取り組み声なき声を行政に上げていく所存です。

さんのへ あや

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