はじめに

このたび、私がかねてより都議会厚生委員会などを通じて提案してきた「児童発達支援の第一子からの無償化及び所得制限撤廃」が、東京都の制度として実現し、申請が開始となりましたのでご報告します。

本制度の概要、申請方法、そして私が過去どのような議論を行なってきたか、本ブログで解説します。

制度の概要とポイント

2025年9月1日より、0〜2歳児を対象に、児童発達支援施設の利用料並びに医療型児童発達支援のサービスが所得制限なしで無償化となります。

これまで、東京都においては児童発達支援サービス・医療型児童発達支援のサービスは以下のような形で負担が発生していました。

  • 第一子:全額自己負担(世帯収入に応じた負担あり)
  • 第二子以降:国の制度を拡大する形で無償化( 国制度により、3歳~5歳の児童の利用者負担は既に無償化されています)

今回の見直しにより、第一子であっても自己負担分が都の給付金として支給されるため、実質的に全ての子どもが無償で支援を利用できるようになります。

  • 対象:児童発達支援を利用する0〜2歳児
  • 無償となるサービス:児童発達支援(旧医療型児童発達支援含む)、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援
              ※放課後等デイサービスは対象外
  • 所得制限:なし(全世帯が対象)
  • 開始日:2025年9月1日
  • 利用申請:2025年8月4日より受付中、各区市町村により申請先が異なりますので、下記区市にお住まいの方は、東京都ホームページにおいて手続方法をご確認の上、お住まいの自治体にお問い合わせください。https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/shougai/nichijo/syougaizi/musyoukakusityouson
  • 給付方法:親の自己負担相当額を給付金として支給

詳しくは東京都HP(https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/shougai/nichijo/syougaizi/dainishimushouka)よりご確認下さい。


議会での取り組み

私はこれまで、都議会の厚生委員会等で一貫して、次のような問題意識を訴えてきました。

  • 発達に不安を抱える子どもたちが、経済的理由で支援から排除されてはならないこと
  • 「第一子は自己負担」という仕組みが、早期支援へのアクセスを妨げていること
  • 所得制限を設けることで、制度の使い勝手や公平性が損なわれていること

厚生委員会での質疑内容については当HPの議会データベースや議事録からもご確認頂けますが、下記に最後の質疑内容を記載させて頂きます。

令和6年厚生委員会(2024-11-27)
◯さんのへ:最後に、児童発達支援事業所等利用支援事業について伺います。
 児童発達支援事業所等利用支援事業とは、児童発達支援事業等を利用する第二子以降の保護者の自己負担を世帯収入にかかわらず無償化する事業です。もともと、利用者負担の上限月額がゼロ円であれば、こちらの事業を利用する必要性はないので、この事業における支給件数は、住民税の課税世帯からの申込みであると考えてよいでしょうか。
 また、二〇二三年十月から開始した本事業ですが、令和五年度の支給決定件数は、資料51を見ると七百六十七件となっています。一児童当たりの給付額は幾らとなっているか、お答えください。

◯加藤障害者施策推進部長:児童発達支援事業所等利用支援事業は、保護者が実際に事業者へ支払った利用者負担額を給付するものでございます。本事業の対象は、国が定めました所得区分に応じて負担が発生する住民税課税世帯でございます。
 令和五年度に都が本事業で支出した額を支給児童数で除した額は、約一万五千円でございます。

◯さんのへ:ありがとうございます。この事業の給付は第二子以降を対象としていることから、住民税課税世帯、第一子でゼロ歳から二歳の障害を持つ子供が児童発達支援を利用すると、一人当たり一万五千円程度の自己負担が発生しているということが置き換えてみると分かるかと思います。
 内閣府が掲げる障害者施策では、障害のある児童の育成については、できるだけ早期に適切な医療的リハビリテーション、指導訓練などの療育を行うことにより、障害の軽減及び基本的な生活能力の向上を図り、自立と社会参加を促進しています。自己負担が発生することによる児童発達支援事業の利用控えは、早期療育の理念に反するものであり、あってはならないことだと考えます。
 今後の児童発達支援事業所等利用支援事業の利用状況を加味しつつ、第一子からの利用支援事業拡大の検討を強く要望して、質疑を終わります。


メンっ!と総括

子育て支援に係る所得制限撤廃の声が江東区民の皆様からも多く寄せられた結果、都政を動かし、今回の政策実現に繋がったと感じております。

今後は、放課後等デイサービス利用についての所得制限撤廃、更に児童発達支援利用申請時の自治体間における判断の違いなど、皆さまから寄せられている福祉支援利用に係るあらゆる所得制限や課題の解決に取り組んで参ります。

今回の無償化について制度の細かい点について不安がある方や、手続きでお困りの方は、ぜひ私までご連絡ください。
混乱が起きないよう情報をわかりやすく伝えていくことも社会福祉士・精神保健福祉士としての役割だと考えます。

残念ながら、希望が通らず今期は厚生委員会の所属ではなくなりましたが、引き続き一般質問・文書質問等の機会を通じて東京都へ働きかけて参ります。

引き続き皆様のお声をお寄せ下さい。どうぞ宜しくお願い致します。

さんのへ あや

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