はじめに
2023年8月29日(火)、木村区長が行った記者会見に関する住民監査請求を提出し収受されました。
請求要旨を要約すると、木村区長自身の公職選挙法違反疑いに関して開催された、江東区とは一切関係のない記者会見において、区の職員が会見会場の設置・撤去をしていた事が判明しました。
請求要旨
- 2023年8月4日(金)16時から17時にかけ、木村弥生江東区長は江東区文化センター3階第1.2研修室において記者会見を実施した。本会見は自身の選挙期間中にインターネットで有料広告を流していた問題に関するもので、区長自身も同月8日(火)に開催された定例記者会見の場において「私が区長になる前のことでございましたので、場所も変えて、一人の当時の候補者として会見をさせていただきました。」と説明している。
- 一方で、4日(金)の記者会見会場の設営・撤去は江東区広報広聴課職員によって行われた旨の情報が当方に提供された。担当課長に問い合わせると、当初は「把握していない」と関与を否定したものの、その後「自身の判断により、広報広聴課職員らが設営撤去を行なった」ことを認めた。設営撤去を行なったのは、係長を含む職員4,5名で対応したとの事だった。
- 区長が実施した会見は自身の公職選挙法違反に係ることで江東区とは何ら関係がない。また、同会見は区長の担当弁護士である弁護士並びに木村やよい後援会事務総長によって答弁・司会進行が行われている。本来は江東区として財務会計行為は発生しない筈であったにも関わらず、本区職員が勤務時間を利用して対応することは地方自治法第2条第14項等の違反にあたる。
- よって、係長級を含む職員4名分の1時間分給与として10,800円を木村弥生区長に請求する。また、地方自治法第242条第7項の規定により、意見陳述の機会を求める。
「何が問題の焦点なのか?」という点について、事実関係を整理しながら解説します。
前提①木村区長は、個人(候補者)として記者会見を行った
江東区とは関係がない会見という建前上、この記者会見における記録は江東区として区民に公開していません。(区長の定例記者会見は、テキストや動画で江東区公式ホームページにて公表されています。)
前提②会場費用は「木村やよい後援会」宛に請求されている
会場や機材の使用についての費用は、後援会宛に請求されている事が開示請求によって判明しています。
前提③江東区文化センター条例では、利用者による施設の現状回復が義務付けられている
第14条第1項において、「利用者は、利用を終了したときは、直ちに利用した施設を原状に回復しなければならない。」事、第3項では「利用者が前2項の義務を履行しないときは、区長においてこれを執行し、その費用を利用者から徴収する。」とされています。
以上の3点を踏まえ、個人ないしは後援会が実施する記者会見(=政治活動)を、区の職員が勤務時間中に対応する事は地方自治法違反にあたるのではないかと疑念を持ちました。
地方自治法第2条第14項では「地方公共団体は、その事務を処理するにあたっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」とされています。また、職員の給与は血税から賄われている事からも、職員を私用に使う事は区民利益に反すると考えます。
そこで、私は住民監査請求を通じて以下の疑問を投じました。
「区長の公職選挙法違反を弁明する政治活動の場は、区民が税金として負担すべき行為なのでしょうか?」
今後の審査請求の流れについて
監査事務局によって収受された請求書は、今後開催される監査委員会において「要件審査」が行われます。
その中で要件を欠いているとして却下されるか、不足している情報がないか等が審査されます。
受理された後は監査の実施(請求人の意見陳述)になりますが、却下となるのか実施となるのかの判断は収受されて2-3週間後(9月中旬頃)連絡があるとの事でした。
また、住民監査請求の金額は1円からでも行う事ができます。私は今回職員の人件費として10,800円を請求していますが、この金額が「区民全員にとって影響を及ぼすものであるかどうか」も今後焦点となる様です。
確かに金額をみれば少額かもしれません。しかし、この金額等を理由に却下される様であれば、私は「いくらな監査の対象になるのか?」と監査委員に問いたいです。今後の要件審査から監査の実施に至るまで監査委員会において審査されるため、監査委員の認識や問題意識が大きく影響します。
「監査委員」と聞いてピンときた方もいるかもしれませんが、ご存知の通り、江東区の監査委員は区長の権限によって2名区議会議員から任命されています。その問題点について以下に纏めます。
江東区の監査委員について
既にブログや会派報でも指摘している通り、4名いる監査委員のうち、2名は議員選出の監査委員です。
今期は自民党所属のにしがき誠区議、江東新時代の会 所属の鬼頭たつや区議が区長によって任命されています。
先の私の一般質問でも江東区側から回答があった通り、議員選出監査委員の選出に関して根拠規定はありません。それにも関わらず、議員選出監査委員は長年区長与党会派と呼ばれる第一会派・第二会派から選出されています。
ここで問われるのが、区長自身の問題(行政を私物化した疑い)を指摘した監査請求に対して、議員選出監査委員としてどの様な判断をされるのかという点です。
監査としての機能を果たせているのかどうか、そうした疑義を払拭するためにも監査を実施していただくことを願います。
結果については引き続きブログで公表させて頂きますので、是非ご注目頂けますと幸いです。
メンっ!と総括
「税金のムダ・不正と闘う現役お母さん」
今年の4月に行われた選挙で、私はこの言葉をのぼりに掲げて活動をしていました。
税金のムダ使いを許さない事、不正癒着を無くす事は私にとって一番重要な公約であり、初めて出馬した4年前の選挙の時から訴え続けてきた言葉でもあります。
「クリーンで開かれた区政」
木村区長が候補者としてこのスローガンを選挙で繰り返し述べているのを聞く度に「私と同じ方向を向いている」と信じていました。
果たして、実際はどうでしょうか。何よりも、区民の皆さまはどの様に思われるでしょうか。
区長としての矜持と覚悟を以って、説明責任を果たされる事を求めます。
さんのへ あや
江東区コミュニティー財団は必要でしょうか?
私物化、癒着がありそうだと考えてしまいます。