はじめに
2026年9月30日(水)、都議就任後5回目となる一般質問を実施して参りました。
今回与えられた質疑時間は6分間。
その中で、⑴データセンターの整備促進と地域共生、⑵特定外来生物クビアカツヤカミキリ対策、⑶行政DX(東京アプリ・高齢者スマホ購入助成)の3テーマ、6問の質疑を行いました。
実は今回、データセンターについて知事ご本人に迫る再質問を用意していましたが、まさかの時間切れで登壇できませんでした。
いつもは間に合わせていただけに、時間配分の見込みが甘かったと猛省しています。
幻となった再質問は、本記事の後半で公開します。
答弁では今後の議会活動に生かせる前進や言質を引き出すことができました。
前回に引き続き、質問及び答弁の全文を公開します。
読みやすさを追求するため一問一答形式とし、今回は各答弁の後に「さんのへ解説」を付けました。
答弁のどこが前進で、どこがはぐらかされたのか、併せてご覧ください。
なお、当日のインターネット中継動画の録画は、以下のリンクからご覧いただけます▼
⑴データセンターの整備促進と地域共生について
<Q1>さんのへ:初めに、データセンターの整備促進と地域共生についてです。 小池都知事は所信表明において「環境負荷の低減と地域共生の両立を図る」と述べられました。地域共生の大前提となるのは、住民の安全です。 知事がニューヨークを視察した本年7月14日、同州知事は、大規模データセンターの環境許認可を最長1年間停止しました。その二日後、都知事は郊外のデータセンターを視察し「地域と共生するデータセンターの整備に向けた知見を得た」と公表されています。 一方、都内住宅地では大規模データセンター建設が進められています。立地リスクを評価する仕組みはなく、都のガイドラインも危険物や災害時対応を住民への説明事項に含めていません。 東京も加盟するC40では今年6月、グローバル都市データセンターパクトが発足し、安全に係るデータ公開を義務付ける協定に49都市が署名しています。重大事故が起きた時、リスクを認識しながら都が何をしたのか、その判断と責任は知事に問われます。C40加盟都市を率いる知事が、なぜ東京ではこのリスクを捉えようとしないのか。グローバル都市データセンターパクトを都として支持するのか、しないのであればなぜか。知事ご自身の言葉で伺います。
<A1>環境局長: さんのへあや議員の一般質問にお答えいたします。三点の御質問にお答えいたします。 まず、データセンターパクトについてでございます。この宣言は、必要な電源を確保するため、新たに化石燃料発電所を建設しないことや、整備費用は電気料金に上乗せしないことなど、国や民間企業が決定すべき内容が含まれております。 都は、社会的インフラであるデータセンターについて、条例による義務制度のほか、地域との対話のポイントや好事例を示したガイドライン等によりまして、環境負荷の低減や地域貢献が図られるように取り組んでおります。
【さんのへ解説】 知事宛ての質問でしたが、答弁に立ったのは環境局長でした。ただし、都がパクトに消極的な理由を議会で公式に語ったのは、今回が初めてです。
局長が挙げたのは、「化石燃料発電所を新設しない」「整備費用を電気料金に上乗せしない」の二点です。
確かにこれらはエネルギー政策や事業者の判断に関わります。
しかしパクトには、都市計画との整合、住民との対話、安全や環境に関する情報の公開といった、まさに自治体が担うべき柱があります。
都が担える部分には触れず、担えない部分だけを理由に挙げる答弁には納得できません。
また、答弁は既存の条例とガイドラインの説明にとどまり、私が指摘した「危険物や災害時対応が住民への説明事項にない」点には触れませんでした。
私の地元江東区千石三丁目では、住宅に近接して約120万リットルの重油を備蓄するデータセンターの建設が進んでいます。住民の安全を守る仕組みづくりは、引き続き委員会で積み上げていきます。
<Q2>さんのへ:本協定には、インフラの増強費を事業者が公正に負担し、その収益を、地域の環境対策や社会インフラへ還元するという原則もあります。 都は現在、データセンターに対して認定制度、最大15億円の補助、官民ファンドで整備促進を進め、国も特定目的会社に対し手厚い税制優遇措置を設けています。整備促進の仕組みは幾重にもある一方、立地地域の負担・リスクは置き去りです。 23区の固定資産税は都区財政調整の財源となるため、立地区に直接は還元されません。財政調整の意義を否定するものではなく、だからこそ別の仕組みが必要です。立地区及び周辺地域へ直接還元する制度のため、受益者負担の考え方に立った法定外目的税等の具体的な検討に着手すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
<A2>主税局長: 法定外目的税についてお答えをいたします。法定外目的税は、都道府県や市町村がそれぞれの課税自主権に基づき、独自に課税する制度で、条例の施行には国の同意が必要であり、税以外の手段がないか、税の原則に反しないかなどが求められることとなっております。
【さんのへ解説】 主税局長は、法定外目的税を導入するための要件を説明したものの、「検討しない」とは答弁しませんでした。つまり、道は閉ざされていません。 都は補助金やファンドで整備を後押しする一方、立地地域が負うリスクや負担をどう還元するかの考え方を持っていません。
今回示された「税以外の手段がないか」「税の原則に反しないか」という要件に照らして、どうすれば立地地域に直接還元できるか。区が独自に課税する道も含め、具体策を詰めていきます。
実は、地域への還元については、前進した実績もあります。
私は2026年2月27日の一般質問で、データセンターの排熱を地域に還元する仕組みを、本会議で初めて具体的に提案しました。
清掃工場の熱供給と同じように、温水プールや美術館、区民館など近隣施設へ無償で熱を供給するというものです。当時、都は「新技術の実装化に向けた取組を後押しする」と答弁し、その後、排熱活用は予算化に至りました。そこで、 排熱という「熱」の還元に続き、今回は「財源」の還元を問いました。
データセンターが必要なインフラと理解した上で、立地地域が負担だけを押し付けられるのではなく、メリットを得られる仕組み作りにも着目していきたいと思います。
⑵特定外来生物クビアカツヤカミキリ対策について

<Q3>さんのへ:次に、特定外来生物対策についてです。 これは、地元江東区で撮影したクビアカツヤカミキリです。本年2月、都立辰巳の森緑道公園では被害を受けた桜20本が開花を迎えることなく伐採されました。私自身も現地で何度も成虫を発見し、駆除・通報を行うとともに、先の文書質問でも12項目にわたり早急な対策を求めましたが、都の対応は区市町村への財政支援等にとどまり、その間にも都内8区10市2町へと被害が拡大しています。クビアカツヤカミキリは、天敵がいる中国でさえ果樹園を壊滅させるほどの害虫です。天敵不在の日本では、その脅威はさらに深刻です。日本の象徴であり、東京都の花でもある桜が、将来日本で見られなくなる危険性すらあると指摘されています。首都東京の対応の遅れは、他県への被害拡大にも直結します。 国は9月に広域防除を決定しましたが、都は外来生物法に基づく公示すら行っていません。国の指摘どおり、区市町村任せから脱却し、都自らが防除主体となる体制へ転換すべきです。
都は、地域防除戦略をいつまでに策定し、外来生物法第17条の2に基づく公示をしますか。そして策定によって、これまでの区市町村への支援中心の対策から、具体的に何が変わるのか、明確に伺います。
<A3>環境局長: 次に、クビアカツヤカミキリ対策についてでございます。都は、これまで防除の手引を作成し、施設管理者等に周知するほか、駆除に取り組む自治体への財政支援を通じ、被害防止に取り組んでまいりました。 今後は、国が策定した防除戦略を踏まえ、年度内に都の防除計画を策定し、自治体等と連携し、早期防除に取り組んでまいります。
【さんのへ解説】 「年度内に都の防除計画を策定する」との答弁を得ました。
これまで都は、区市町村への財政支援を中心とする受け身の対策にとどまっていました。
文書質問から一貫して求めてきた「都が自ら動く体制」への第一歩です。 一方、外来生物法に基づく公示を行うかどうか、計画によって何が具体的に変わるのかには、明確な答えがありませんでした。
近隣県や都内の区が既に公示している中、都が防除の主体として責任を負うのか。策定される計画の中身を、引き続き厳しく確認していきます。

<Q4>さんのへ:国は防除戦略において、住民が通報しやすい体制の整備と、被害情報の見える化を都道府県の役割として位置付けました。被害のサインは、幼虫が幹から排出する、木くず状のフラスです。 しかし、多くの方はこれを見ても被害に気付きません。都は、都民にクビアカツヤカミキリを見つけたらその場で捕殺し、区市町村または都へ連絡するよう求めています。 ところが、成虫が活発に拡散する6月から8月の活動期を経た今になっても、都はホームページの被害確認状況の更新を、半年以上怠っています。これでは、自分の地域にどこまで被害が迫っているのか分かりません。群馬県では、住民の報告を電子地図上で共有する「ぐんまクビアカネット」を運用、兵庫県は通報フォームにより県民の目を防除に組み込んでいます。 都として、都民からの通報を受け付ける仕組みと、発見情報をリアルタイムに共有する仕組みをTOKYOくまっぷ同様整備すべきと考えますが、見解を伺います。
<A4>環境局長: 最後に、都民からの通報や情報提供についてでございます。都は、都民がクビアカツヤカミキリを見つけた場合、その場での捕殺と、見つけた地域の区市町村または都に連絡するよう、さまざまな媒体を通じて呼びかけてございます。また、都内での被害確認状況等をホームページで公開してございます。
【さんのへ解説】 答弁は現状の説明に終始し、通報フォームや地図での情報共有には踏み込みませんでした。「ホームページで公開している」という答弁も、更新が半年以上止まっていた事実を踏まえると、納得できるものではありません。それでも今回、議場で成虫とフラスの写真をパネルで示したことで、中継をご覧の方にも「何を探せばよいか」をお伝えできたと思います。桜の根元に木くずがたまっていたら、それが被害のサインです。見つけた方は、お住まいの区市町村か都の環境部ご連絡ください。
都民の目を防除に生かす仕組みは、他県で既に実現しています。年度内に策定される防除計画に盛り込むよう、引き続き求めていきます。
⑶行政DX(東京アプリ・高齢者スマホ購入助成)について
<Q5>さんのへ:最後に、行政DXについてです。 知事は所信表明で東京アプリについて「きめ細かな支援を行なっている」と述べられました。しかし事業開始から8か月、参加者は560万人余りと想定対象の約半数です。障害等でスマートフォンの利用自体が困難な方は、アプリの機能が充実しても、基礎自治体と連携したとしても、取り残されたままです。 私の照会では、制度設計に際して福祉局と協議した経過は確認できず、決裁文書の協議欄にも記載はありませんでした。 行政DXで検証すべきは、参加できない方の障壁です。 都は、本事業に参加できていない層を把握・分析していますか。また、018サポート事業では郵送申請による給付を実現しています。福祉局とも連携し、把握した層に生活応援を届ける手段を検討すべきと考えますが、あわせて見解を伺います。
<A5>デジタルサービス局長: 2点の御質問にお答えいたします。 まず、東京アプリ生活応援事業についてでございます。本事業は、アプリの普及促進と都民生活の応援を目的に、アプリを通じて東京ポイントを届けるものでございます。これまでに560万人を超える方々が本事業に参加しており、ホームページ等において年代別内訳などを公表しております。 都は、多くの方々に参加いただけるよう、デジタルに不慣れな方に対するコールセンターでの対応や対面サポートを行っております。また、障害を抱える方等に対する代理申請にも取り組むこととしております。
【さんのへ解説】 障害のある方等への「代理申請」に取り組むという答弁は、第一回定例会での質問に対する回答と変わりません。また、公表されている使用者は年代別の内訳だけです。障害の有無など、どんな方がなぜ参加できていないのかという分析には、答弁は踏み込みませんでした。
更に、福祉局との連携についても言及はありませんでした。 私は社会福祉士として、「届かない人」を把握することが福祉の出発点だと考えています。代理申請の対象や開始時期を確認し、本当に必要な方に届く仕組みになっているか、引き続き検証します。
<Q6>さんのへ:都は、高齢者のスマートフォン活用支援事業の目的を「高齢者のデジタルデバイド解消」と明記しています。しかしその対象は、スマートフォンを初めて持つ方だけでなく、既に保有し、対応機種へ買い替える方も含みます。 そのため、すでに使いこなしている層が、助成目当てでスマホ教室を受講している実態もあります。新規と買い替えの内訳を把握しないままでは、デジタルデバイド解消を謳ゆ11億円規模の事業の効果を検証できません。都は、助成件数のうち、新規と買い替えの内訳を集約把握していますか。把握していないなら、区市町村と内訳を確認すべきと考えますが、見解を伺います。 以上、再質問を留保し質問を終わります。(→時間切れで再質問できず)
<A6>デジタルサービス局長: 次に、高齢者スマートフォン活用支援事業についてでございます。本事業は、スマートフォンの活用により、高齢者が行政サービスに円滑にアクセスできる環境を整備するものでございます。機種変更か否かにかかわらず、東京アプリに対応したスマートフォンを初めて購入する65歳以上の方を対象としており、内訳の把握は要しないと考えております。
【さんのへ解説】 11億円規模の事業でありながら、都は政策効果の検証に必要な内訳を「把握は要しない」と明言しました。 この答弁では、助成の要件は「東京アプリ対応のスマホを初めて購入すること」だとされています。つまり、既にスマホを使いこなしている方も、対応機種への買い替えであれば対象となります。これで本当に「デジタルデバイド解消」という目的を果たせているのか。それを確かめる手段すら持たないということです。 効果を測らないまま税金を投入し続けることは、EBPM(証拠に基づく政策立案)の考え方に反します。区市町村には件数の記録があるはずです。独自に確認を進め、決算の場などで引き続き追及します。
幻の再質問
データセンターのQ1は知事宛てに質しましたが、答弁に立ったのは環境局長でした。そこで、知事ご本人に答えを求める再質問を用意していました。時間切れで議場では読み上げられなかったため、ここで公開します。
<再質問(未実施)>さんのへ:知事は同行者7名、約1000万円の出張で「知見を得た」と公表されています。データセンターを視察し何を学び、何を都政に持ち帰られたのか、知事ご自身の言葉で語れないのであれば、この視察は都民の税による視察の名に値しません。協定を支持するかしないか、知事お答えください。
知事が視察したのは、住宅地から離れた郊外の施設でした。その二日前、同じニューヨーク州では、地域への影響を検証するため大規模データセンターの許認可が止められています。税金で得た「知見」が、都内の住宅地で暮らす住民の安全にどう生かされるのか。この問いは、改めて知事ご本人にぶつける機会をつくります。
時間配分の見込みが甘かったことは、私自身の責任です。次回以降は、答弁時間も含めた余裕を持って原稿を設計します。
メンっ!と総括
今回の一般質問では、データセンター、クビアカツヤカミキリ、東京アプリの3テーマを通じて、「都は住民の安全と生活を守るために、自ら動いているのか」を問いました。
知事宛ての2問については、今回も知事ご本人からの答弁はありませんでした。また、既存の取組の説明に終始し、質問の核心に答えない答弁が目立ったことは、率直に指摘しておきたいと思います。
しかし一方で、今後の議会活動に生かせる答弁も引き出すことができました。
- データセンター課税:法定外目的税について、都は否定せず、導入の要件を示しました。立地地域への還元を議論する土台ができました。
- クビアカツヤカミキリ:年度内に都の防除計画を策定するとの答弁。議場でパネルを示し、被害のサインも広くお伝えできました。
- スマホ購入助成:11億円規模の事業で、都が効果検証に必要な内訳を「把握は要しない」と明言したことを、記録に残しました。
議会の役割は、行政の説明をただ受け取ることではなく、曖昧にされている論点を明らかにし、都民の前に事実を示していくことだと考えています。
今回の答弁を出発点に、委員会や決算の場で一つずつ検証を重ねていきます。
しがらみゼロの立場だからこそ、証拠に基づき、都民の視点に立って都政と向き合って参ります。
引き続き、ご意見や現場の声をお寄せください。
さんのへ あや





