はじめに

本日8月6日、相次ぐ農産物の盗難被害と、都内で繰り返されている違法な路上販売への対応を求める要望書を、地域政党 自由を守る会 として小池百合子東京都知事宛てに提出しました。

今回は、憲法第16条及び請願法に基づく請願として提出し、8月31日までに文書またはメールで回答するよう求めています。

要望書の全文はこちら▼

本ブログでは、なぜ今回の要望に至ったのか、警視庁との協議を経て東京都にどのような対応を求めたのかをご報告します。

きっかけは森下駅前での桃の路上販売

発端は、令和5年7月に江東区の森下駅前で確認された、軽トラックによる桃の路上販売でした。

区民の方から情報提供をいただき、私から深川警察署へお繋ぎしたところ、道路使用許可のない状態で販売していたことが判明しました。また、車両には「SWEETPEACH」と表示されていましたが、桃の品種は記載されていおらず、価格も3個500円、あるいは4個500円と、当時の一般的な小売価格と比べて非常に安価なものでした。

もちろん、この桃が盗難品だったと確認されたわけではありません。(念のため、私は当時から一貫して、特定の販売者や商品を「盗難品」と断定していません。)

しかし、同じ時期には、山梨県や熊本県をはじめ、各地で桃、梨、ぶどうなどの盗難被害が相次いでいました。

盗まれた農産物は、どこかで販売され、換金されなければ、窃盗を行った者の利益にはなりません。
つまり、盗難農産物には必ず流通や換金の「出口」があります。

大消費地である東京が、その出口として利用されていないか。

この問題意識が、今回の取り組みの出発点です。

今年7月にも他県における農産物の盗難が報道された為、改めてこの問題をSNSで発信したところ、1万件を超える反響がありました。それだけ多くの方が、駅前などで見かける路上販売について、「本当に適法なのか」「商品はどこから仕入れているのか」と疑問を感じてきたのだと思います。

誰が何を取り締まることができるのか

今回、私たちが問題としているのは、個々の商品が盗難品かどうかという一点だけではありません。

道路上での販売方法、食品を取り扱う事業者としての届出、商品の原産地表示、販売者の氏名や連絡先の明示など、確認すべき法令上のルールが複数あります。

ところが、その所管は警視庁、東京都、保健所、道路管理者などに細かく分かれています。

その結果、都民が不審な販売を見つけても、どこに相談すべきなのか、非常に分かりにくい状態になっています。

こうした所管の分断が、結果として対応の遅れや、確認されないまま販売が繰り返される一因になっているのではないかと考え、東京都に対し法令に則った適切な対応を求める要望書の提出を検討することになりました。

警視庁との協議で改めて分かったこと

要望書の提出に先立ち、警視庁と改めて確認した内容が、今回の要望書の土台となっています。
是非皆さまにも知って頂きたく、ご紹介させていただきます。

1. 「路上販売の許可」というものは、そもそも存在しない

これは私自身、認識を改めた点です。公の道路は営利目的で使用することができず、道路上に車を停めて物を売る行為は、許可を取っていないのではなく、許可制度自体が存在しておらず、法令上認められない行為です。(念のため、お祭りの露店は主催者が道路使用許可を取った催しの中での出店であり、焼き芋屋さんのような行商は、移動しているところをお客さんに呼び止められて売る形態です。)

2. 警察が対応できるのは「停まっていること」まで

警察の権限は、道路交通法に基づく指導警告・検挙、つまり道路に停まって商売をしている行為そのものへの対応であり、"何を売っているか"という点は令状などがない限り踏み込むことが極めて難しい様でした。

3. 「物」の適法性を確認する権限は、都にある

一方で、売られている「物」と「売り方」には、警察とは別の法令が及びます。

  • 食品を売るには、食品衛生法に基づく営業届出が必要(令和3年6月施行)→ 保健所の所管
  • 未包装の生鮮食品には、名称と原産地の表示義務(食品表示法)→ 都の監視指導の対象
  • 営業所以外の場所での販売には、販売者の氏名等の明示義務(特定商取引法)→ 知事権限
  • 都道上の無許可の物品販売には、道路法に基づく道路管理者の監督処分 → 建設局

つまり、警察は道路の面から、都は物と売り方の面から、それぞれ確認できることがある。
ところが後者が十分に機能してきたのか、実はよく分かっていません。だからこそ、都に対して要望する必要があると考えました。

4. 産地側は、すでに東京の情報を求めている

山梨県警察の一部の警察署は「果実泥棒情報提供フォーム」を設け、不審な車両の車種・ナンバー等の情報を、山梨県内に限らず東京都内を含む広域から収集しています。

情報を求める側は現に存在するため、あとは消費地となっている東京の側に情報を受け止めて繋ぐ仕組みが必要と考えました。

要望書で求めたこと

以上の確認内容を踏まえ、新たな規制を作るのではなく、既にある法令上の義務の確認徹底と、機関をまたいだ連携を、局ごとに具体的に求めました。以下主な要望内容の5点です。

保健医療局には、路上での食品販売について営業届出の履行状況を全容把握・確認すること、無届営業が判明した場合は警察への情報提供を含め厳正に対応すること、監視指導計画に路上・移動形態の食品販売を位置づけること、そして「食品の販売に関する情報は保健所へ」と都民が迷わず通報できるよう周知することを求めました。

産業労働局には、「産地直送」等の表示について仕入元を確認できる書面に基づく裏付け確認を行うこと、産地表示に疑義がある場合は山梨県・熊本県など産地の担当部局や農業団体と照会・連携すること、あわせて都内の生産農家の盗難被害の実態把握と防犯支援・相談対応を求めました。

生活文化局には、特定商取引法上の氏名等明示義務について、知事権限に基づく指導・処分の過去3年間の執行実績を明らかにすること、消費生活相談情報の集約・分析、そして消費者啓発を求めました。また、適法に営業する移動販売・行商・直売を否定するものではないことを改めて明文化しました。

④建設局には、都道上の無許可の物品販売について、道路管理者として道路法に基づく監督処分・是正措置を求めました。
警察の道路交通法対応とは別系統の権限であり、繰り返される事案には双方の連携で対処できると考えます。

そして各局共通で、ワンストップ通報窓口の設置を求めました。この問題は、道路は警視庁と道路管理者、食品衛生は保健所、表示は産業労働局、取引は生活文化局と、所管が細かく分かれています。都民から見れば「どこに言えばいいのか分からない」。
この分かりにくさ自体が、対応の遅れの一因となっていると考えられるため、通報を受けた機関が責任を持って他の所管へ橋渡しする運用を確立すべきです。

メンっ!と総括

要望書には、8月31日までの文書回答を求める旨を明記しました。
各局に求めているのは、単に「適切に対応しています」「関係機関と連携します」といった抽象的な姿勢ではなく、数字です。
相談・通報の受理件数、指導件数、処分件数。実績が示されれば、そこから改善点を議論できるからです。

その数字が示されなければ、執行の実態がないということが分かるため、いずれの回答であっても、次に進むための材料になると考えております。

回答が届き次第、内容はこのブログでご報告します。不十分な場合は、都議会の一般質問で取り上げてまいります。

日々農作物を育てて下さっている農家さん、販売されている事業者さんが報われて欲しい。そして、盗んだ者、違法な販売が可視化され、当たり前のルールが機能する市場・社会を、東京で実現したいと考えています。

追伸:引き続き、皆様からの情報提供をお願いいたします。路上での不審な販売を見かけた際は110番或いは最寄りの警察署へご連絡下さい。また、車両のナンバー、販売の様子など、差し支えなければ当方にも情報をお寄せください。

さんのへあや

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