江東区では6人に1人が児童手当不受給〜年間8億円の財源についての考え方〜

請願書に対する江東区からの回答について

先月江東区長宛に提出した請願書「所得上限超過世帯への子育て支援に関する請願」に対する江東区からの回答がありました。

残念なお知らせとなりますが、江東区において所得制限の無い子どもに対する支援は今年度予算(補正予算）に入っていないことが確定となりました。

（「その言い方はどうなの…？」と思う箇所もあり、子育て世帯当事者として憤りを感じています。）

思わず二重線を引いてしまいましたが、江東区にとって子どもに対する支援は

「誠に必要な事業」「必要不可欠な事業」では無いということなのでしょうか？

請願書提出時には区長から「国に対して地方創生臨時交付金の増額を引き続き求めていく」という回答を頂戴しましたが、子育て支援が何よりの経済対策というお考え方は無いご様子です。

ちなみに、現時点（2022年9月5日）において千代田区、板橋区、品川区、文京区、港区では少子化対策として、或いは物価高騰の影響から子育て世帯を支援するとして所得制限の無い子育て支援（一時的、或いは継続的なもの）が掲げられています。

所得制限額超過世帯約8,500世帯(児童1万3千人)について

2022年10月支給分より、所得制限額超過により児童手当が廃止される江東区での世帯数が約8,500世帯と見込まれていることが明らかとなりました。

対象児童に月額5,000円支給した場合（千代田区の次世代育成手当と同額）年間で8億円の自主財源が必要になるとの回答から計算すると児童手当が一切支給されない児童数はおよそ1万3千人。
2022年9月1日現在の0〜18歳までの江東区内人口が82,233名なので、およそ16％の子ども（＝6.25人に1人)に対する児童手当不受給となります。

18歳未満の6人に1人という割合で見ると他区と比較してもけして多くはないのですが、江東区は母数となる人口総数が多いのでかなりの財政負担がかかる、というのが江東区として「独自支援ができない」理由です。

また、こちらも単純な計算ですが、江東区で児童手当が貰えない子育て世帯1世帯における子どもの人数は1.56人となり、2021年度の日本全体の合計特殊出生率が1.3と比較すると所得制限超過世帯のほとんどが「合計特殊出生率を上回る貴重な多子世帯」とも言えます。

次に、独自で支援を行うために必要な8億円の予算(財源)についての考え方です。

一般会計歳出総額2,284億2,100万円に対する8億円の割合はおよそ0.3％。
たった0.3％、されど8億円は歳出の無駄を徹底的に無くせば支出できる金額と考えます。

私が過去に「税金のバラマキ・無駄遣いである」と指摘した事業

敬老祝い金支給事業、冷感タオル配布事業、区政功労者表彰事業、議長交際費、議員費用弁償、議員地方視察費用、区長車、議長車、etc...

今直ぐに思いつく限りでおよそ3億円はありました。

議会関連の無駄を指摘するとキリがありませんが、要するに8億円はけして非現実的な額ではありません。

今後の動きについて

繰り返しとなりますが、私は何がなんでも子ども達への支援（月額5,000円）が欲しくて所得制限の撤廃を働きかけているのではありません。

担税力のある子育て世帯を見捨てるような政策に従うのではなく、地方自治体として反対して欲しい。
今まさに子育て中の世帯へ投資しないと子どもは増えないし、凄まじい勢いで進む少子化により後々税収が少なくなっても、その時点で地方自治体にできる事は殆どありません。

このままではいずれ年間8億円以上かけて他区と人口の取り合いが行われる可能性もあるからです。

こうした危機感を江東区に対して持ってもらう必要があり、区長にお目文字し、子育て世帯の悲痛な叫びを聞いて貰ったのです。

今後は令和5年度予算要望を通じて、無駄な事業の即時撤廃を求めると同時に所得上限超過世帯等の子育て世帯に対する支援を強く求めて参ります。

私は諦めませんので、どうか引き続き宜しくお願い致します。

さんのへ あや