2023年(令和5年)10月2日 決算審査特別委員会
◯さんのへあや委員
心身障害者日常生活用具給付事業について伺います。
江東区では、在宅の重症心身障害者(児)も含めて、難病の方ですとか、そういった方の日常生活を容易にするために日常生活用具というのを給付しています。令和4年度決算における不用額は1,000万円ほどありますが、この評価についてと、また、日常生活用具対象種目の対象者ですとか年齢、また、耐用年数、この基準額というのを江東区としてどのように定めているのか教えてください。
◯障害者支援課長
日常生活用具の不用額についてのお尋ねです。
こちらは不用額が出ておりますけれども、申請者全てにつきまして適正に給付のほうはできたという状況になってございます。
あと、日常生活用具の決定について、区の考え方ですとか、そういったことでございますけれども、3つの視点が必要になってくると考えてございます。
まず1点目ですけれども、当事者の多くが日常生活において必要であるということ、2点目は、客観的に見て、厚生労働省の告示に基づいて、例えば安全かつ容易といった要件を満たしていること、3点目としましては、日常生活用具につきましては、その特殊性から、競争原理が働かないので高額になるといった傾向がございます。その基準額が妥当であるということをこのサービスを利用しない方々にも理解していただく必要がありますので、そういった意味で、必要性ですとか、客観性ですとか、基準額の妥当性ですとか、その上でほかの自治体の状況、この辺も確認しながら決定していく必要があると考えてございます。
以上でございます。
◯さんのへあや委員
他自治体の状況も見ながら決定をされていくというところなんですけれども。昨今著しい技術の発達によっていろいろな福祉用具が開発されています。例えば、エンビジョングラスというめがね型のウエアラブルデバイスなんですけれども、目の前に文字をかざしたりですとか人が通ったりとかという風景を全部音声で読み上げてくれるという機能があるんですが、これは日常生活用具として定義されている音声読書器、また、活字読み上げ機能という、こういった両方を兼ね備えている新しい装置というものが開発されています。
ただ、新たに開発されたものというところで、誰でもが容易に使うことができないのではないかというところで、給付助成の対象にならないというところで断られてしまったという当事者の方から声が寄せられています。
こうした多機能であったりですとか、新しい福祉用具というところについての要望は、当事者の方の声というのを江東区として反映されているでしょうか。また、反映されているのであれば、もしお分かりになったら、最近変更があった福祉用具の種目についてぜひ教えてください。
◯障害者支援課長
当事者の方の意見とか要望を聞く場ということかと思いますけれども、これまで区としましては、例えば地域自立支援協議会ですとか、計画等推進協議会の場においても聞いていますし、それ以外に各種団体からその都度直接要望を受け付けております。
また、個人的な要望につきましても、日々の窓口ですとか、あと区長への手紙、また議会への陳情といった機会においていろいろな声をいただいているといったところでございます。
実際、こういった声を基に新しい製品の追加というお尋ねでございますが、平成28年に人工鼻という形で、気管切開された方が肺ですとか気管を守るために装着する装置なんですけれども、こちらを認めてございます。
以上でございます。
◯さんのへあや委員
ありがとうございます。平成28年以降は何か新しいものが採用されたかというところは、ちょっと時間がないのでここでは聞かないんですけれども、残念ながら、今おっしゃっていただいたように、他自治体の採択状況というところが実はばらばらでして、ここの自治体ではこの新商品が認められているけれどもうちでは駄目だったという声も寄せられています。そうした状況を踏まえながら、引き続き当事者を含めて積極的な改定、見直しというところを要望させていただきます。
次に、保育活動中の児童虐待・不適切保育について伺います。
令和5年1月に、江東区は区内保育施設に勤務する職員に対し、虐待に関するアンケート調査を実施しました。結果については既に厚生委員会等で共有されたとおりですが、「1年以内に、保育活動中、虐待または虐待の疑いのある行為を目撃または行ったことがあるか」という質問に対し、「ある」と答えていた割合が87.6%となっていたことに、こどもを保育園に預ける一人の親としても大変な衝撃を受けました。
こうした結果を受けた区の今後の対応を伺います。
◯保育計画課長
区としましては、虐待ですとか不適切保育というのはあってはならないものでございまして、まずそういったものを発生させないこと、また、万が一発生してしまった場合は早期に発見をし、速やかに指導することというのが重要であると認識をしております。
区では、さんのへ委員御指摘のアンケートを受けまして、御申告いただいた方にヒアリングを実施しまして、問題の把握と指導、助言を行ったところでございます。また、不適切保育というのは内部通報で発覚することがございますので、今年度は保育従事者を対象とした相談窓口、通報窓口を明確化しまして、各園で掲示をすることによりまして、不適切保育の抑止と把握に努めているところでございます。
以上でございます。
◯さんのへあや委員
今おっしゃっていただいたように、内部通報というのもかなり重要な点です。保育施設職員向けの相談通報窓口の周知というところも行っていただけるということでしたが、今回のアンケート調査では、江東区が実施する居宅訪問型保育や病後児保育は対象外となっており、利用されている保護者の方から不安の声が上がっています。相談窓口は、保護者の方が見聞きした虐待ないしは不適切保育に関する情報については受け付けているのでしょうか。また、その場合、保護者の方も相談可能であるというところを周知する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
◯保育計画課長
区として提供する保育サービスつきましては、区が責任を持って対応するべきと考えておりまして、もちろん区民の方からの御意見、御要望等も承っております。区ではそういったものを担当部署で丁寧に伺いまして、内容に応じて事業所の指導を行っているといったところでございます。
以上でございます。
◯さんのへあや委員
ありがとうございます。私は保育士としても認可保育園の第三者委員を務めているんですけれども、やはり何かおかしいなと思った保育士の対応というのをなかなか保護者の方が気軽に相談できない、保育園側にもなかなか言えないというハードルがあると感じています。
また、保育とは別の所管になってしまうんですけれども、今後東京都のベビーシッター制度が本区で導入されるなど、密室ないしは一対一でこどもを預かる機会というのが増えるとすれば、江東区として目が届かない、指導権限がなかなか及ばないところで行政としてこどもの安全を担保しなければならない難しさが生じます。
時間がないので要望にとどめますけれども、東京都の事業であっても江東区が実施すること、区内で行われるところに関して、児童虐待または不適切保育についての相談先を分かりやすいように保護者の方に周知いただいて、江東区一丸となってこどもたちの安全を確保していただくよう強く要望して終わります。ありがとうございました。
出典:江東区議会会議録