2022年(令和4年)6月30日 予算審査特別委員会

◯さんのへあや委員  
 キャッシュレス決済ポイント還元事業について伺います。
 区民生活及び区内事業者を支える取組として、キャッシュレス決済におけるポイント還元事業について伺います。既に多くの委員から質問がありましたので、重ならない点のみ質問をさせていただきます。
 最初に効果的な事業運営のための工夫と取組についてです。
 本事業は、令和4年度当初予算でも明記されていた事業の還元率を20%から30%に拡充、対象のQRコード決済の種類を4社に増やすことで、1日1億円相当の経済効果が期待されています。
 江東区は、令和3年9月にも、PayPayのみを対象に本事業と同趣旨のキャンペーンを実施いたしました。キャンペーン終了後、商店街連合会によって、加盟店舗に対してファックスやメールで回答できるアンケートが実施されています。
 質問項目として、キャンペーンについて困ったことがあったかどうか、利用者から本キャンペーンについて言われたことがあったか、本キャンペーンは商店街や地域の活性化につながったか、あるいはつながると思いますかなどがあります。
 前回集計したアンケート結果を踏まえて、どのような反省点が挙げられたのか、それらを受けて今年度より効果的に事業運営を実施するための工夫などがありましたら伺います。

◯経済課長  
 昨年度キャンペーン終了後、江東区商店街連合会が参加店舗を対象に実施したアンケートでございますけれども、こちらでは様々な意見をいただいているところでございます。
 以前に御説明しております、このキャンペーンを通じて初めてお店に来て、新しいお店を知れてよかったでありますとか、あとは店舗側からも新たな新規顧客を開拓するのに苦労していたけれども、このキャンペーンを通じて新たなお客さんに来ていただいたのは非常にありがたかったというようなお声などをいただいております。
 このアンケートの中といいますか、アンケート自体は商店街連合会が各店舗にアンケートを取ったというところで、区としての要望といいますか、区として対応すべきところはどういうところなのかというのがピンポイントで出てきているわけではありませんが、アンケート結果に実際表れておりませんけども、その後いろいろ情報交換して、区として改善すべきと考えておりますのは、昨年、急遽ポイント還元事業を実施するということになりましたので、参加店舗の登録というのが非常に短い期間でやらざるを得なかったというところがありました。
 そこで、個々の商店までしっかり確認、周知ができなかったということがありましたので、実際参加しようと思っていた、参加希望対象だろうと思っていた店舗が実はキャンペーン開始になっても漏れていたということがございましたので、これらについては、今回、先ほど来お話ししておりますけど、周知と登録等の期間をしっかり取って、漏れないようにしていきたいというふうに考えているところです。
 そのほか、商店から上がっている内容としましては、非常に消費者がたくさん買いに来たので、仕入れが間に合わなくなってしまったとか、あとは、皆さん日持ちするものを前倒しで買っていってしまったので、その翌月に今まで通常、例月売れるようなものがちょっと売上げが落ちてしまったといったようなところがございました。
 そういったところもございまして、今回商店街連合会あるいは個々の商店につきましても、時期を今回しっかり10月ということでお知らせすることで準備する期間が取れますので、仕入れでありますとか、それらについてはこれらを考慮して進めていただけるものと認識しているところでございます。
 以上です。

◯さんのへあや委員  
 ありがとうございます。確かに消費者の視点で立つと、このキャンペーンをきっかけに、ふだんはなかなか買えない高いものを、少し奮発して買おうですとかそういった考えになるかと思いますので、やはりその仕入れが間に合わなくなってしまったというところに関しては、今回キャンペーン、事前に周知・啓発を行われるというところですので、各店舗さんに対しても、お伝えいただければと思います。
 次に、登録店舗数の利用者を増やす取組についてです。
 多くの方が既に答弁されておりますが、1日1億円相当の経済効果が期待されている本事業においても、パン屋さんやカフェ、小売店など、もともと利益率が少ない小規模小売事業者からは、昨今の材料費高騰の影響を受け、キャッシュレス決済導入により手数料が差し引かれてしまい、経営がより厳しくなってしまうという声が上がっています。
 私自身も商店街などを利用すると、個人経営店や小規模小売店などにおいては、キャッシュレス決済の導入率が特に低いなと感じています。ただし、先ほど述べたように手数料のことを鑑みると、導入を一方的に求める、進めることは非常に難しく、一方で、多大なる努力により地域での暮らしを日々支えてくださっている事業者の皆様への支援をなくして、地域の経済活性化を図れないと考えています。
 小規模小売事業者の皆様に対しても、先ほど御答弁いただいた新規顧客獲得のメリットなどを含めて、江東区が支援を行いながら登録店舗数の増加に取り組んでいただきたいと思いますが、昨年度の登録店舗数から、どれぐらいの店舗数増を目標としているのか、また、そのための支援が江東区としてどのように実施していくのか伺います。

◯経済課長  
 まず、店舗数の目標というところでございますが、昨年度817店ということで申し上げさせていただきました。
 今回は昨年、なかなか参加しづらかった飲食店等が、10月の状況によりますけれども、参加していただけるというふうに期待しているところでございますので、少なくとも1,000店舗以上は、申込みをいただきたいなというふうに考えております。それらの取組というところでございますが、昨年と違うところは1社から4社に変えることによりまして、参加店舗側のちょっと登録も昨年と異なるところがございます。
 そういった意味では、先ほど来お話ししています周知期間をしっかり取るということと、あとはそれらの周知をもともとはちょっと9月予定で進めておりましたので、改めてちょっと周知する期間ももう1回見直しているところでございますが、これまで区で利用しております区報でありますとかホームページ、また、SNSでの利用のほか、区の広報版も使いまして、まちの中で区民、区民でない事業者の方も、目につくような形で周知をしたいと。
 あと、そのほか前回なかったものとしてコールセンターを設けまして、登録店舗側がもし登録するにあたり分からないようなところがありましたら、しっかり丁寧にサポートしながら、登録してキャンペーンに参加できるようにしていきたいと。
 あとそのほか、江東区にことみせ登録店というのがございまして、これは主に個店を中心にした魅力あるお店を発掘していくというような事業でございますけれども、これが今、917店舗ございますので、そちらのお店にも個別に周知をすることで、登録を促してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 以上です。

◯さんのへあや委員  
 ありがとうございます。次に、来街者の増加につなげる取組について伺います。
 このキャッシュレス決済ポイント還元事業は、様々な自治体でも実施されており、この事業を目的に自治体を渡り歩く、いわゆるポイ活といった社会現象も報告されています。
 本事業の実施によって来街者の増加が期待できるという仕組みは理解しておりますが、ポイント還元が目的であっても今後また継続的に江東区のお店を訪れたいと思ってもらえることも必要です。各店舗の経営努力も当然必要とはなりますが、継続的な来街者の増加に向けて、本事業と並行して何か取組を計画されていたら教えてください。

◯経済課長  
 昨年実施したキャンペーンでも江東区外から来店された方が多かったというところも聞いてございます。そういうところで言いますと今回も近隣区も含めて、江東区にお越しいただく機会が増えるというふうに考えております。
 先ほどお話もさせていただきましたが、1回来てポイント分を相当買って、もう来ないというのはやはりその区としても、非常にもったいないというふうに考えておりますので、翌月にこれ必ずポイントつきますので、そのポイントを狙って、また来てもらえるような仕掛けを、やはり商店街連合会、あるいは個店側でもやっていただく必要があるというふうに考えています。
 これらの仕掛けというのは、各店舗でお考えいただくところですけれども、例えば次回またいついつ来店してくれたら、こんな特売品つけますよとか、いわゆるそんな形の対応をしていただきながら、1回、2回運んでいただくことで、それが3回、4回と継続的に来てもらえるような形につなげられればと区も考えておりますし、当然商店街連合会側も、これを機会に新たな顧客というところの獲得を狙っておりますので、それらの取組はもうこの期間を通じてやっていただける形で、今お話があった今後の継続的な取組というところにもつながっていくのではないかなというふうに考えているところでございます。
 以上です。

◯さんのへあや委員  
 ありがとうございます。プレミアム付商品券の購入対象者が中学生以上に限定されている一方で、キャッシュレス決済は利用者の年齢制限がありません。
 それゆえに、特に消費の機会が多い子育て世代の皆様から、本事業に対する期待の声が寄せられておりますので、より効果的な運営を目指してお取り組みいただければと思います。
 次に、高校生等医療費助成について伺います。
 既にほかの委員から質問がありましたので、事業概要については割愛させていただきます。江東区独自の少子化について伺います。
 山崎区長は6月21日の特別区長会において、高校生までの医療費を所得制限なく無償化する方針を発表され、メディア等でも大きく報道され全国的に注目されました。特別区長会においても様々な御議論があったかと思いますが、他区へ先鞭をつけて即断し、公表することで江東区のみならず都内市区町村、ひいては全国自治体に対しても、所得制限のない医療費助成は福祉ではなく子育て支援であるということを明確に位置づけ、自覚いただく絶好の機会となりました。
 国や東京都からの支援を待つばかりでなく、全国のこどもたちや保護者のために先陣を切り、大きな影響を与えられたことを高く評価し、こどもを育てる一保護者として大変感謝しております。
 今年度、江東区は待機児童の解消を達成され、また、子ども家庭支援センターなど、こども向け施設は都内でも類を見ないほど充実しています。ここで改めて医療費の所得制限は子育て支援であり、少子化対策であると明言されたことを含めて、今後の江東区としての少子化対策についての方針や考え方をお聞かせください。

◯こども家庭支援課長  
 少子化対策ということで、区としても今までも少子化対策、全庁挙げて取組をしてきているところでございます。
 さんのへ委員もおっしゃったとおり待機児解消、こちらは長年にわたりまして、保育所の整備、定員の確保などを行ってきた結果でございますし、子ども家庭支援センター、今年度4月、5月にそれぞれ亀戸と住吉にオープンするなど8か所というのは都内でも、かなりもう一番多いというような状況で、子育て支援を進めております。
 これも全て少子化対策、産み育てようということにも当然つながってくるというところでございますので、今回の医療費助成も含めて、引き続き区としては少子化対策に力を入れていくと、子育て支援に力を入れていくというところでございます。
 以上でございます。

◯さんのへあや委員  
 ありがとうございます。少し時間がないので割愛させていただきますと、少子化対策、子育て支援に引き続き力を入れていただけるということなんですけれども、安心してこどもを産み育てられる環境というのは、所得制限のない子育て支援があってこそ実現できると考えます。
 所得制限を設けてしまえば、その線引きである所得のボーダー付近で必ず逆転現象が発生します。つまり、頑張って働き、納税すればするほど自分自身のこどもが受けられる支援が減ることにつながってしまい、就労意欲がそがれ、少子化につながってしまうと思います。
 区長の御尽力によって、高校生に対する医療費は所得制限のない無償化となりましたが、残念ながらこどもに対する支援にはいまだに多くの所得制限が存在します。担税力のある子育て世帯によって支えられている本区において、医療費助成の所得制限撤廃という英断を下されたことは非常に意義のあることと感じます。
 引き続き区民を所得で差別することなく、こどもを安心して産み育てられる環境づくりも御尽力いただきたく要望し、質問を終わります。

出典:江東区議会会議録