2022年(令和4年)9月27日 決算審査特別委員会

◯さんのへあや委員  
 3点について伺います。
 1点目、オリンピック・パラリンピック開催準備事業について、こちらの事業のうち、主な費用を占めている江東サポーターズの運用について伺います。
 運営事務局委託費として約6,500万円が計上されていますが、当初はどれほどの人数規模でボランティアを募集されていたのか。また、実際の応募数について、登録者数について伺います。

◯企画課長  
 江東サポーターズですが、こちら登録者数としては、令和3年9月現在のところで1,829人ということで登録をいただいております。ですので、お申込みをいただいた方プラス、団体として170団体が登録しておりまして、こちらのほうの事務局としてのところを含んだ委託料となってございます。
 以上でございます。

◯さんのへあや委員  
 ありがとうございます。江東サポーターズとして応募されたのが約1,800人ということで、その後、区内の聖火リレーの運営をサポートする聖火リレーサポーターですとか、採火式運営をお手伝いいただくボランティアの応募など、登録者への呼びかけに対して実際に何名ほどから応募というか、反応がありましたでしょうか。

◯企画課長  
 これも予定としていた活動という形になりますが、オリンピックの聖火リレーに関しましては、江東サポーターズから579人、パラリンピックの聖火リレーとして227人ほど御希望いただいているところでございます。
 以上でございます。

◯さんのへあや委員  
 ありがとうございます。およそ500名程度の方がボランティア活動に積極的に参加の意思を登録の後も表明してくださったとのことです。中には純粋にオリンピック・パラリンピックに携わりたいという区民の方が多かったのではないかと推測しますが、私自身も、多数の外国人観光客の来訪を見込んで、語学力を生かせるボランティア活動を希望し、サポーターズの一員として応募しておりました。ただ、残念ながら、新型コロナウイルス感染症の状況により、江東サポーターズの昨年の主な活動は中止となってしまいました。
 さらに、江東サポーターズの情報源となっていたウェブサイトなども、事務局の運営期間が終了したとして去年末をもって一切見られない状態になっています。せっかくお金をかけてボランティア精神の高い区民を募ることができたのに、運営期間後に江東サポーターズ制度を活用できないのは非常にもったいないなと感じております。
 江東区ではシーサイドマラソン大会の実施や東京2020大会で使用された競技会場が多数あり、記念大会等の開催が今後予定されています。江東サポーターズに応募してくださった人々に対し、都度あるいは定期的にこうした区のイベントに、引き続きボランティア参加の呼びかけを行っていくのはいかがでしょうか。

◯企画課長  
 江東サポーターズの今後のボランティア活動への周知等についてということでございます。
 江東サポーターズの方々からお預かりした登録情報というのが、一応、東京オリンピック・パラリンピック大会をもてなすという趣旨でサポーターズとしてお預かりした情報でしたので、庁内でもその後どのようにしていくかということを検討したんですが、直接的にお預かりした個人情報をほかのところに転用するというのは、個人情報保護の観点からも少し問題があるということで、直接的に名簿を引き継ぐというところは断念したところです。
 ですが、今、さんのへ委員の御質問にもありましたとおり、非常に皆様、ボランティア活動に対して高い意欲を示していただいておりましたので、令和3年10月にオンラインによる振り返り交流会をやった際、それから12月の最終の段階で皆様にメールで御連絡をした際に、区でその時点で参加していただけるボランティア情報というのを庁内的に把握、整理しまして、例えば今おっしゃっていたようなシーサイドマラソンであったり、区民まつりであったり、環境ボランティアだったり、そういったものの情報についてお伝えいたしまして、ぜひ、御趣旨に合うものについて御参加いただければということで呼びかけをさせていただいたところでございます。
 以上でございます。

◯さんのへあや委員  
 個人情報保護法の観点から、その後、呼びかけるのが難しいということだったんですけれども、登録者全体に呼びかける方法でこういった活動がありますというのは、江東区として発信はしていただけるのかなと思いますので、ぜひ御検討ください。
 私も頂戴したんですけれども、江東サポーターズの登録者には、非常にデザイン性も高く格好いい実用的なポーチなど、グッズが配布されています。運営費に対して登録者数を割ると、単純計算なんですけれども、登録者1人当たり4万円弱の税金が使われています。ぜひ、今後の利活用について引き続き御検討ください。
 次に、クラウドファンディングについて伺います。
 令和3年度は、江東区初の取組としてクラウドファンディングを活用したふるさと納税を展開しました。既に歳入総務費審査でも質疑が行われていましたので、スケートボードパーク整備事業に係るクラウドファンディングに関して簡潔に伺います。
 まだ、終了前ではありますが、目標金額5,000万円に対する実際の寄附金額が大きく下回っています。こちらの目標金額を設定した経緯について、また、江東区として初めてクラウドファンディングを通じてふるさと納税を募集したことに対する評価を伺います。

◯財政課長  
 まず、目標額の設定に関する御質問でございます。
 今回、クラウドファンディングを実施するに当たって、目標額の設定に当たりましては、活用事業ですね、今の御質問でいけば、スケートボードパークの整備費になりますけれども、その予算額のうち、基本的に一般財源の2分の1について目標額に設定しようという形で大きな、基本的な方針を立ててございます。実際、スケボーパークにつきましては、大分大きな金額がありましたので、一応5,000万円という形で設定のほうをさせていただいているといったところでございます。
 こちら、そもそもの話にはなりますけれども、クラウドファンディングにつきましては、区の魅力ですとか取組、そういったものを多くの方に知っていただくといったところが重要でありまして、目標額の達成が全てではないといったところもございますけれども、今回、クラウドファンディングの目標額5,000万円の部分につきましては、ちょっとハードルが高かったかなという形を考えているといったところでございます。
 そういったところからすると、やはり寄附を集めるというのはなかなか簡単ではない、難しいといったところと、そういった取組を区内外の方に知っていただくということもやっぱり時間がかかるし、なかなか難しいところなのかなというふうに考えているところでございます。目標額の設定方法につきましては、改めていろいろ検討していく必要があるのかなというふうに考えてございます。
 また、評価の部分でございますけれども、今まで本区につきましては、ふるさと納税の本旨を踏まえまして、返礼品競争には参加しないという考えの下、取り組んできた中で、今回、区の魅力を発信するといったところで、新たな手法の一つという形でクラウドファンディングに取り組んだところでございます。まだ実際に開始して半年ほどという形になりますので、なかなか評価というのは難しい部分がございますけれども、本区としては、そういった意味でクラウドファンディングの取組といった部分につきましては、今までにない取組といった部分でいけば、挑戦というかチャレンジをしていく内容であったのかなというふうに認識をしているところでございます。
 現時点では、今、さんのへ委員から御指摘がありましたとおり、目標額に達していないといった部分はございますけれども、こうした取組については、職員ですとか組織にとって必ず今後の成長につながってくるだろうという形を考えてございます。そういった意味もありまして、クラウドファンディングを実施するに当たりましてはいろいろ課題もありますけれども、引き続き、工夫しながら取組のほうを進めていきたいというふうに考えてございます。
 以上です。

◯さんのへあや委員  
 寄附金の用途が明白であることや寄附の手軽さという面では、クラウドファンディングを通してふるさと納税を促すという取組は、行動経済学上も理にかなっていると感じる一方で、ちょっと下回る金額だったということで今後の課題になってくるかなと思っております。
 先日の答弁でも、クラウドファンディング、目標額に達していないけれども、それ以上に魅力や取組を共感いただくことに意義があって、課題は実施のタイミングとPR方法だというふうに御答弁されていました。念のため、今回、江東区に寄附をしてくださった方の居住地の割合が分かれば教えていただけますでしょうか。区内あるいは区外からの寄附がそれぞれどれぐらいを占めているのかお示しください。

◯財政課長  
 あくまで3年度という形になりますけれども、3年度でいきますと、全体の寄附件数といたしましては71件ありました。これはスケボーパーク以外も含めてという形になりますけれども、そのうち区内の方からの寄附が41件という形で、半分を超えているといった状況になってございます。
 以上です。

◯さんのへあや委員  
 ありがとうございます。区内の方が半数以上を占めているということでした。多額の寄附を集めて目標金額を達成している他区のクラウドファンディングと比較しますと、その違いは事業の中身というよりかは、やはり寄附に対するリターンというところの有無であることが明らかとなっています。また、目標金額を達成することが目的ではないとおっしゃったんですけれども、実施する上で、やはり魅力を伝える、区外の方に、より魅力を伝えていくということが課題になっているのかなと感じております。
 区長も先日の答弁で、江東区は返礼品がないとおっしゃいましたが、私、そんなことはないと思っています。江東区内には江東ブランドというすばらしいものづくりの技術もありますし、深川めしですとか、ワインを作っていたりですとか、ハチミツがあったりとか、いろいろ挙げれば幾らでもあります。渋谷区なんかは、福祉作業所で作られているドリップコーヒーを返礼品にされておりまして、作業所の商品を多くの方に手に取っていただくという意味でも、すばらしい取組ではないかなと感じています。
 そこで、これらを返礼品競争とは考えずに、シティプロモーションの一環として寄附に対するリターンを考え直すべきでないかと思っています。寄附も頂ける上に、江東区の誇れるものを外に宣伝できるという仕組みは、区内業者からも賛同を得やすいと思います。この点について江東区としての考えを伺います。

◯財政課長  
 ふるさと納税におけます、ある意味シティプロモーションでの視点でという御質問でございますけれども、確かにそういった視点というのは大切な視点の一つであろうというふうには認識をしているところでございます。とはいえ、我々江東区といたしましては、ふるさと納税、そもそも何でこういった制度ができたんだといった部分、そもそも論をやはり考えていく必要があるのかなと考えてございますので、やはり本旨に沿った形で、そちらについては適切に対応していきたいといったところ。
 また、シティプロモーションですとか、江東ブランドにつきましては、それはそれで区としてきちんと発信をして、PRのほうはしっかり図っていきたいというふうに考えてございます。
 以上です。

◯さんのへあや委員  
 どんどん税収が他自治体に流れてしまっているのに、ちょっとそんな悠長なことは言っていられないんじゃないかなと思っています。江東区を守るという上でも、より多くの方から共感を得られるような取組を引き続き検討していただくように強く要望いたします。
 最後に、スケートボードパーク整備事業について伺います。
 令和3年度は設計に関する予算として、地盤調査や利用者ニーズの把握、運営方法、マナー向上の取組などを協議するために、競技関係者との意見交換会を実施するための費用が計上されています。この地盤調査の結果から見えてきた整備上の課題がもしありましたら教えていただきたいのと、競技関係者との意見交換会を通じて、スケートボードパーク設計について関係者の意見がどこまで反映されたものになっているのかについて伺います。

◯スポーツ振興課長  
 スケートボードパーク整備の整備上の課題でございますけれども、夢の島の総合運動場ということで地盤が非常に軟らかいものでございます。また、深く掘るとごみが出てくるということで、一切ごみを出せないことからも、転圧という形で上から土を押しつけるという形で地盤を作る。そういったところに通常のスケートボードパークの整備とは違う非常に難易度の高いというか、難しい工事になったと考えてございます。
 また、スケートボードパーク整備について意見交換会、全日本の早川コーチをはじめとする方に何度も何度も現地に来ていただき、図面を見ていただいて設置していただきましたけども、基本的に設計図面を引いたのは区の土木部でございますけども、大きくこういうところにこういうものを置いたほうがスケートボーダーがより楽しめる、基本的に楽しむ人たちが想像力、イマジネーションを持って滑ることができるということをキーワードにしているということで、それが存分に発揮された内容だと聞いてございます。
 以上でございます。

◯さんのへあや委員  
 整備内容について、競技関係者の方の意見を積極的に反映されたとのことです。江東区の設計中のスケートボードパークについて、先日閉園した豊洲6丁目にある民間のスケートボードパークに通う関係者らに完成図を見ていただいて、意見を伺ったところ、これは一度ぜひ行ってみたいという御意見が多くて、高い興味を得ているという印象でした。行ってみたいという理由について聞いたところ、恐らく国内では初となる本格的なバーティカルランプ、通称バートと呼ばれるものなんですけれども、このバーティカルというのは垂直という意味で、ストリートとは違っておわんのような形の場所で技を決めることができるという設備です。しかし、よくよく聞いてみると、本格的ではあるものの、実際に使うにはかなり難しい部類に入るとのことで、安全面からフルプロテクターでなければ滑走はできないということでした。
 このバートを設置する場合の安全確保について、競技関係者とどのような話合いが行われたのか。想定されるリスクですとか、対策の見通しについてお答えください。

◯スポーツ振興課長  
 区としては当初、いわゆるバーティカルランプと呼ばれるものの設置については否定的でございました。バーティカルランプというのは、アルファベットのUの文字に似ている、最も高いもので4メートル近くあるものです。鵠沼にありまして、私、上に行きましたけども、とてもじゃないですけど降りられません。下ものぞけないぐらいとても怖いものです。
 全日本の早川コーチが、このバーティカルランプだけはどうしても入れたいということで、私は当初、残念ながら、区の趣旨に合わないのでということでお断りをしたんですけども、いや、それは勘違いしていると。バーティカルランプを上から降りるやつなんか、本当にごく一部の者しかいない。あれは下からブランコのように使うんだと。そうすることで、自分の限界、こどもたちが体幹を鍛えることができるのと同時に、転ぶ基本もバーティカルランプで学ぶことができると。そこでフルプロテクターで、膝から落ちてけがをしないように転ぶという練習はバーティカルランプでやるんだと。堀米選手はボウルもできる。ストリートではなくてボウルもできるんですけども、その基本は全てバーティカルランプで学んだというふうに熱意にほだされたというか、説明されまして、それで設置を決めたところでございます。
 以上でございます。

◯さんのへあや委員  
 結果的に多くの競技関係者の方から興味を得られたというところでは、本当に御意見を直接伺ってパークを設計するというのは非常によかったのではないかなと思います。
 最後に、簡潔にマナー啓発について要望させていただきます。
 区長は今月の定例記者会見にて、スケートボードは道路や公園で迷惑になるような行為が多く、そういう若い人を追い出すだけでなくて、スケートボードパークを作ったからそっちでやりなさいと指導していくことで迷惑の減少につながることを期待されている旨の発言をされています。しかし、スケートボードパークを作れば迷惑行為が減るというのは、現実的にはちょっと難しい面もあるのではないかなと感じています。
 なぜならば、スケートボード愛好者の多くの方が小学生から高校生、中高生とのことで、大好きなスケートボードを毎日でも練習したいけれども、お金がない。だったら怒られてでも、ただでできる公園や道でやろうという選択肢が残ってしまうのではないかなと思っています。
 そこで、目黒区の教育委員会では、スケートボードの魅力と今後どうなっていくかというところを、区民とともに広く学ぶ社会教育講座を主催されているとのことです。練習場所づくりとともに、スケートボードに関する理解を促し、地域との共存を図る上でも、こうした対話の場を江東区が主体となってつくる必要があるのではないかなと感じています。今後、江東区においても引き続き、理解促進に努めていただくよう要望し、質問を終わります。

出典:江東区議会会議録