2022年(令和4年)9月29日 決算審査特別委員会

◯さんのへあや委員  
 保育園運営管理事業について伺います。
 認可保育園を運営する上で、江東区として、保育園運営に係る費用補助を実施しています。こちらの運営費の仕組みについてですが、保育園の定員、つまり、規模に対してではなく、在園児童数に対して支払われるものという理解でよろしいでしょうか。また、児童の年齢によって運営費の単価などに違いはありますでしょうか。

◯保育課長  
 認可保育所の運営費について、在籍園児数に応じて支払っているという認識で正しいというところでございます。
 また、単価の設定ですけれども、一応公定価格で言いますと、ゼロ歳児という枠と1・2歳児という枠、3歳児という枠、4・5歳児という区分でありまして、そこで基本分の単価が設定されておるんですが、年齢が若いほど単価は高いという状況でございます。
 以上です。

◯さんのへあや委員  
 そうですね、低年齢になればなるほど、ほかの園児よりも人手が必要になるため、運営費補助の単価も高いということです。保育園は定員に応じて保育士を配置する必要がありますが、定員を下回った場合は、保育士の人件費が園の運営に大きくのしかかります。先ほど欠員補助についての質疑もありましたが、現状の運営費の算定の仕組みでは、ゼロ歳児の欠員が保育園運営に与える打撃が非常に大きいことが分かります。年度途中で欠員の状況が変わることももちろん想定されますが、規模が大きな園ほど低年齢児童クラスが埋まらなかったときは非常に苦しい運営になってしまうおそれがあり、私立保育園運営事業者からは、今後の運営を不安視する声も寄せられています。
 江東区内においても、令和3年4月入園の一次利用調整結果を見ると、27園においてゼロ歳児の定員割れが発生し、令和4年4月入園時点では40園もの保育園においてゼロ歳児の定員割れが発生しています。江東区として、ゼロ歳児並びに低年齢児クラスへの欠員や待機児童解消に伴う保育園の今後の運営不安に対して、利用定員の設定見直しのほかに何か対策は御検討されていますでしょうか。

◯保育課長  
 定員割れに対する対応というところの御質問かと思いますが、まず、さんのへ委員おっしゃるとおりで、午前中もやりましたけれども、私立保育所に対しての補助の中で、欠けている部分に対する補填というのは、今も補助をやっているという状況です。
 また、利用定員のところにつきましては、午前中、利用定員という言葉を出しましたけれども、詳しく申し上げますと、利用定員につきましては、令和2年度から、3歳から5歳児クラスの合計定員に対する入所児童数が5割未満となっている施設を対象に、本来設定されている認可定員よりも少ない利用定員の設定を認めているところでございまして、余剰人員を雇用する必要をなくし、経営の安定化に資するよう取り組んでいるところでございます。
 ただし、この利用定員の設定に関しましては、認可定員までの受入れを前提ということでやっておりまして、年度途中での入所に対して柔軟な職員の確保が可能であるということを条件としております。
 一方で、本年6月には都の要綱改正がありまして、この利用定員を設定している施設については、認可定員ではなくて、利用定員での職員の配置を求めることができるという取扱いの変更があったところから、現在の区の利用定員の運用についても今後検討が必要と考えておりまして、この利用定員と欠員補助のところを含めて、定員割れに対する対応というのは検討してまいりたいと考えております。
 以上です。

◯さんのへあや委員  
 分かりました。
 次に、質疑予定であった待機児童解消後の保育園運営についてですが、時間の都合上、要望のみにとどめます。
 認可保育園の整備は、働く保護者のための労働施策の一環として日本全国で取り組まれてきました。しかし、少子化とともに待機児童数が減少し、定員に空きのある保育園が増加している今、保護者の就労条件を問わず、全ての親子が保育というセーフティーネットに守られるべきではないかということが国で議論され始めています。保育サービスを受けていない、いわゆる未就園児、あるいは無園児と呼ばれる児童がいる家庭は、人知れず孤独な子育てに陥りやすく、24時間小さなこどもと過ごすことでストレスがかかり、虐待リスクが高まることがあります。
 江東区で実施しているリフレッシュひととき保育もありますが、全ての子ども家庭支援センターにおいて、1か月先の予約まで全て埋まっている状態です。児童虐待の未然防止という観点からも、江東区において、待機児童数が解消している地域で空き定員枠を利用して、保育の必要性が認定されていない専業主婦家庭や医療的ケア児など、希望する誰もが週1日からでも保育園を利用できるよう、柔軟なニーズに対応できる保育園運営を求め、質問を終わります。

◯さんのへあや委員  
 たばこ対策について伺います。
 令和3年11月11日号の江東区報にて、区立公園の禁煙化について1面で案内がありました。その中で、禁煙重点地区は、指定時間内の路上喫煙、立ち止まっての喫煙も禁止ですという説明が改めて行われていました。
 そこで、禁煙重点地区の現状について伺います。江東区では、区内主要駅の10駅周辺において、禁煙重点地区を設定しています。この禁煙重点地区を設定する目的と期待される効果についてお聞かせください。

◯環境保全課長  
 まず、禁煙重点地区の選定の経緯でございますが、こちらはかねてから、区ではボランティア、町会、地元企業と協力し、歩きたばこの自粛、ポイ捨ての禁止を訴えてまいりました。平成21年の7月に、江東区歩行喫煙等の防止に関する条例を制定する際に、歩きたばこ、ポイ捨ての禁止とともに、禁煙重点地区の選定を盛り込むことにいたしました。こちらのほう、まずは区内の各駅の乗降者数を参考にいたしまして、最も人数の多い10駅を選定したところでございます。
 駅前には、禁煙重点地区の文字と禁煙時間帯を大きく記載した路面シートを貼付し、多くの方に周知を行うほか、警備会社によるパトロール指導員を配置いたしまして、違反者への指導ですとか声かけ、ポイ捨てされたたばこの吸い殻の清掃等を行っております。
 また、10駅以外のところでも重点地域に指定していない駅が、例えば、新宿線で言えば大島方面の3駅ですとか、臨海副都心線、それから、ゆりかもめの各駅においても、条例に違反する歩きたばこやポイ捨ての注意喚起、吸い殻の清掃というのを引き続き行っております。
 現在、2人1組の7班体制で区内各所を回っているほか、そのほかにも駅等以外でも歩きたばこですとかポイ捨てが多いという苦情を受けた場合には、随時パトロール指導員、もしくは、環境美化係の職員が直接現地に赴きまして状況を確認し、注意喚起等を行っているというところでございます。
 こちらの禁煙重点地区につきましての効果というところでございますけれども、現行の設定の時間というのは、1日のうちで最も駅を利用される方が多い時間帯を設定しています。朝で言うと、毎日、朝7時から9時、それから夕方の5時から7時、この時間帯を設定しておりまして、1日のうちで最も多く利用される方が望まない受動喫煙を防ぐということで、喫煙マナーの浸透というところで一定の効果を上げていると考えております。
 以上でございます。

◯さんのへあや委員  
 簡潔にお願いいたします。
 平成21年の条例制定に伴って、江東区として、禁煙重点地区を設定したと。規制ですとかルールを江東区として設ける上で、その実効性は常に確保しなければなりません。現状、江東区として、既にお答えはいただいたんですけれども、区報や路面標示などによるルールを周知すること、また、あるいは、歩行喫煙等禁止パトロール委託を実施しているとのことです。令和3年度、この委託費用として、およそ3,600万円が計上されています。禁煙重点地区におけるパトロール実施の実績について、先ほど7班体制で回っているということだったんですけれども、そちらの実績について、改めてお示しください。

◯環境保全課長  
 パトロールの班につきましては、平日の朝夕、それから、週末の日中の主に豊洲、亀戸周辺地域をパトロールさせていただいております。全くやらない日というのがないわけではないんですけれども、基本的には土曜、日曜も、祝日につきましても、同様の時間帯を巡回しております。
 以上でございます。

◯さんのへあや委員  
 10か所の禁煙重点地区に対して、主に6、7班で巡回されているとの御答弁でした。重点地区以外で歩行喫煙等による受動喫煙等の苦情が発生している場合、どうやって対応されているのでしょうか。

◯環境保全課長  
 もともと決まっていないグループというのが1班、要するにフリーで動けるような1班を確保しておりますので、そちらの班を派遣するという形で対応させていただいております。
 以上でございます。

◯さんのへあや委員  
 分かりました。なかなか苦情があった場所へのパトロール実施にはフリーの班が対応する、かつ、禁煙重点地区を設けている箇所に関しては、6班で毎日、朝夕それぞれの時間帯でパトロールすることというのが、非常に限界があるのかなと感じております。しかも土日祝も実施されているということで、365日休まずパトロールを実施したとしても、1日当たり、およそ10万円の税金が投入されているという状況です。
 江東区は令和3年6月15日にたばこ基本方針を公表しました。この中で具体的な取組として、禁煙重点地区のエリアや時間帯の拡大を検討するとしています。これは具体的にどのようなプロセスで検討、または計画がされているのでしょうか。また、禁煙規制の実効性を確保するために、どのような対応が必要となるのかお聞かせください。

◯環境保全課長  
 昨年策定いたしました、たばこの基本方針の中にも、このような禁煙重点地区の拡大とか、それから延長につきましては、そういったお声が上がった際に、実際に現地を確認いたしまして動向等を踏まえた上で、改めまして、区を挙げまして検討させていただいた上で決定すべきものと考えております。
 現状としましては、21年度以降、今の設定、それから時間についての大きな御意見とか苦情、御相談というのは上がっておりません。
 以上でございます。

◯さんのへあや委員  
 現状のルールに関しては、要望はないとのことだったんですけれども、区長への手紙を通じて、江東区ではマナー違反ですとか受動喫煙の報告というのが多く上げられています。区民からの要望や現状に見合った規制やルールの設定を今後、強く要望いたします。
 質問を終わります。

出典:江東区議会会議録