令和元年台風第19号(別名Hagibis)の上陸に際し、記憶が新しいうちに江東区における対応(判断)等、知り得た情報を時系列で下記の通り記録します。

<10月11日(金)>

午前中    避難所は設置しない。台風による死因として、避難所に向かう途中で暴風雨に遭い壁に叩きつけられる、飛んで来た物に当たる等、移動中の事故が殆どであると分析し、外出を避ける為にも自宅待機が最も有効だと判断した為。←さんのへ 確認情報

自宅避難を促していたが、区民から事前の自主避難の要望を受けて避難スペース開設を検討し始める

20時00分頃 江東区役所内にて自主避難スペースの開設を確定、江東区HP上で公表

<10月12日(土)>

 7時00分 荒川下流河川事務所長より荒川上流の水位が警戒レベルに到達する可能性について連絡

 9時00分 防災センター4階に自主避難スペースを開設

 9時30分 避難勧告検討(亀戸・大島・東砂)および災害情報連絡員参集・避難所運営職員参集

 9時50分 管理職全員参集指示

10時00分 自主避難スペースを庁舎2階に移設

11時30分 第1回災害対策本部会議

       台風第19号の進路予測・雨量や最大降雨時期・暴風時期避難を確認し、

       避難所開設を確認でき次第、避難勧告を発令することを決定

12時00分 自主避難スペースを文化センター2階に移設

13時30分 第2回災害対策本部会議

       避難勧告の決定、避難勧告の範囲・避難所の運営等の確認

14時00分 堤防に近い地域(亀戸7~9丁目、大島7~9丁目、東砂1~8丁目、北砂6・7丁目)を優先し

       避難勧告を発令

14時40分 避難所への応援職員の派遣開始(23箇所の避難所に各3名)

16時30分 避難勧告区域の拡大(亀戸1~6丁目・大島1~6丁目)

20時30分 第3回災害対策本部会議

       避難所派遣職員数と避難者数の報告

<10月13日(日)>

 7時00分 近隣区や荒川下流河川事務所から情報収集

 9時00分 第4回災害対策本部会議

       避難勧告命令の解除を決定

<避難所>

第一亀戸小学校

第二亀戸小学校

浅間堅川小学校

水神小学校

第一大島小学校

第二大島小学校

第四大島小学校

第五大島小学校

大島南央小学校

第二砂町小学校

第五砂町小学校

第六砂町小学校

第七砂町小学校

東砂小学校

亀戸中学校

第二亀戸中学校

第三亀戸中学校

大島中学校

第二大島中学校

大島西中学校

砂町中学校

第二砂町中学校

<自主避難施設>

江東区文化センター

亀戸スポーツセンター

東砂スポーツセンター

砂町文化センター

東大島文化センター

亀戸文化センター

総合区民センター

第三砂町小学校

第四砂町中学校

【寄せられた課題と今後追及する事柄について】

自主避難場所についての事前周知のタイミングが遅い

→また、水害が想定されている中で体育館への避難が適切かどうか

→広域避難は水害発生の4日前に判断されるべき

→区の職員もいきなり呼び出されるより良かったのでは?

避難勧告発令のタイミングが遅い(避難勧告発令時間:14時35分)

→雨が強くなってからの対応であり、避難所への移動中の事故を避けたかった筈なのに、本末転倒である

自主避難場所の周知方法が防災無線、メール、Twitter、HPのみ

→雨風が強く防災無線が聴き取りづらいという声があった

→携帯電話を所持していない、インターネットを使用しない高齢者の方へのアプローチが課題

職員の人手が足らず広報車が使用されなかった

→代わりに消防団による避難指示の消防広報活動が一部地域で行われていた

江東区防災マップアプリの更新がなかった、アプリ上で設定している避難所が未開設のまま、災害時のリンク集として使えただけだった

→区見解:ホームページ、Twitterでの周知を先に行っていたので遅れた。

福祉対応、ペット対応できる避難所についての事前の周知がなかった

一般避難先(民間企業や施設等の避難先)の開設の有無について確認が遅れた

【江東区の対応として良かった、評価すべき点】

江東区のホームページが災害時に特化した緊急時簡易版になっており、アクセスが出来ない事が少なかった

後は江東区としての対応ではないのですが、町会長、役員が集まり主体的に避難所本部の設置があったり、消防団、各町会の努力が素晴らしかったです。

【特に必ず改善したい事】

  • 基本的に江東区が想定し計画している災害対策とは震災対応であり、水害における事前行動や避難についての対応が不十分であった
  • 日本語を母国語としない方への情報発信が不十分であった
  • 江東区は“土嚢ステーション”がない。水害の想定がある以上、設置すべき
  • 広域避難を出す基準等について見直すべき
  • 江東区からの情報発信が少なく、午前中は「外に出るな」、避難勧告は「避難所へ逃げて」という矛盾した対応で区民を混乱させた
  • 避難所の開設準備が出来次第の避難勧告発令(警戒レベル4)という対応が正しかったのか
  • 避難生活の長期化を見据えた避難所の環境改善(簡易テント等プライバシーの改善)

避難勧告を出すタイミングについて疑問があり防災課長に問い合わせましたが、曰く「避難所への職員派遣、開場等設置が完了してから勧告を出すか、その前に出すかどうかで協議していた。勧告を出すと避難所に人が殺到する恐れがあると判断し、避難所開設されてから勧告を出すことに決めた。」と。しかしながらお隣江戸川区と比べて避難勧告発令が約5時間も遅かったのは、事前の準備が不十分であったと言わざるをえません。 

台風一過の江東区の様子(スカイツリーより)。安堵のあまり涙が出ました。

その他気付かれた事がありましたら、ご意見頂戴できますと幸いです。

さんのへあや 

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