はじめに

2023年2月15日(水)に開催された本会議にて「江東区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例」が議員提出議案として可決されました。

私が当選直後から強く求めていた区議会議員への費用弁償支払いの撤廃がついに実現しました…!!

本ブログでは、費用弁償について改めて説明すると共に、どの様にして廃止まで至ったか、廃止された後でも私が懸念する課題や問題点について取り上げます。

費用弁償とは何か

私のこれまでの活動を知って下さっている方には重ねての説明となってしまいますが、改めてご説明します。

費用弁償とは、区議会議員が議会や委員会に出席する度に自宅から江東区役所までの交通費として支給されていた日額3,000円のいわゆるお手当です。(報酬等は別に支給されます。)

この説明だけで「今どき何それ…??」となるのは至極当然です。

過去のブログでも検証し説明していますが、江東区内はバスや電車などの公共交通機関を利用すれば数百円で移動できます。少なくとも私は自転車か徒歩通勤なので、確実に不要な手当でした。

費用弁償は必要だ!と主張する議員の発言をファクトチェックしている過去ブログもご参照下さい。

この議員特権とも捉えられる費用弁償に、年間約550万円もの税金がかけられていました。
(費用弁償決算額:令和元年度 5,110,500円、令和2年度 5,512,500円、令和3年度 5,401,500円)

以下は、議会制度のあり方検討会で公表された、令和4年度23区における費用弁償の支払い状況です。

江東区議員に支給されていた日額3,000円という額は他自治体と比較しても高い額であり、その設定金額の根拠も不明(10年以上前に5,000円から3,000円に減額されたという謎の経緯有り)。

実費請求だと手間がかかるのであれば廃止すべき、というのが私の考えでした。

廃止に至るまでの道のり

2019年6月14日、登庁した際に費用弁償が初めて支払われ、その存在を知りました。

私は区役所まで自転車で通っているので交通費(費用弁償)は必要ないと申し出たものの、ほとんどの議員も自転車で通っているのにも関わらず“費用弁償を受け取っている”事実を知る。各区の費用弁償について調査すると同時に、毎月の費用弁償を貯蓄し江東区外の団体へ寄付(募金)をすることに。

▶︎過去ブログ「ココが変だよ江東区議会!〜費用弁償〜」参照

2019年7月29日、区議会議員全員宛に「費用弁償に関する意見書」を提出。

無所属の議員は議会のルールを検討する為の任意の会「議会の在り方検討会」に参加することも傍聴することも許されていません。しかし、私は諦めずに全ての議員に意見書を提出し、費用弁償の見直しを検討会での検討事項とする様に要望しました、その結果、公明党会派、民政クラブ会派、共産党会派の3つの会派から費用弁償の実額精算・撤廃を求める要望が出されました。(自民党会派とあ維未会派(現・あたらしい未来会議会派)からは費用弁償に関する要望は出されませんでした。)

▶︎過去ブログ「費用弁償その後:議長宛意見書を提出しました!」参照

2020年5月18日、区民とともに「費用弁償の支給凍結及び廃止を求める陳情」を議会に提出。

私の過去のブログを読んで「今すぐ費用弁償を撤廃すべき」という陳情を江東区に出して下さった区民の方がおられます。これにより、私はどの議員が費用弁償撤廃に賛成・反対しているのか確認し、発言の一つ一つを調査(ファクトチェック)する事ができました。
江東区在住の区議が江東区役所へ公共交通機関を利用して移動するのは往復数百円もかかりません。
この事実と共に「費用弁償の固定費3000円支払いは議員特権であり、今すぐに廃止すべきである。」という主張を続け、区民に対し情報公開を続けてきました。

▶︎過去ブログ「江東区内の移動に「費用弁償=交通費3000円」は本当に必要か」参照

2021年7月7日、費用弁償の見直しが優先検討項目に入る。

これまでは“次期での見直し”が続き結論を後回しにされていたものの、初めて優先検討項目となりました。その後、議論の中で「実費請求が妥当」という意見が出始めていたことを確認。

2022年年末に費用弁償が実費請求ではなく完全撤廃となる方向性の議論が行われる。

2022年は元自民党区議による不祥事が続き区民に顔向けできないと思ったのかは定かではありませんが、結果として費用弁償賛成派であった自民党会派も「撤廃」の方向性で議論を進める様に。

2023年2月15日、条例改正案が提出され、費用弁償が完全撤廃される。

費用弁償の寄付先一覧

2019年に初めて費用弁償を受け取って以降、私は全ての費用弁償を区外団体に寄付しています。
(江東区内での寄付行為は公職選挙法により固く禁じられています。)

以下はこれまで寄付を行なった寄付先の一覧です。

2019年5月分費用弁償:3000円
2019年6月分費用弁償:12000円

→全国児童養護施設総合寄付サイトへ振込寄付(2019年8月7日)

2019年7月分費用弁償:6000円

→台風15号被害を受けた千葉県へ寄付(2019年9月18日)

2019年8月分費用弁償:なし
2019年9月分費用弁償:12000円

→No More Abuse Tokyoへ現金寄付(2019年11月2日)

2019年10月分費用弁償:18,000円
2019年11月分費用弁償:6,000円
2019年12月分費用弁償:9,000円
2020年1月分費用弁償:なし
2020年2月分費用弁償:15,000円
2020年3月分費用弁償:21,000円
2020年4月分費用弁償:なし
2020年5月分費用弁償:3,000円

→子どもの権利条約ネットワーク(NCRC)に寄付36,000円(2020年6月18日)
→日本障害者協議会(JD)に寄付36,000円(2020年6月18日)

2020年6月分費用弁償:15,000円
2020年7月分費用弁償:なし
2020年8月分費用弁償:6,000円
2020年9月分費用弁償:6,000円
2020年10月分費用弁償:24,000円
2020年11月分費用弁償:9,000円
2020年12月分費用弁償:12,000円
2021年1月分費用弁償:なし
2021年2月分費用弁償:3,000円

→NPO法人小鳥レスキュー会に寄付(36,000円)(2021年2月22日)

2021年3月分費用弁償:27,000円
2021年4月分費用弁償:なし
2021年5月分費用弁償:3,000円

→子どもの権利条約ネットワーク(NCRC)に寄付34,500円(2021年6月21日)
→日本障害者協議会(JD)に寄付34,500円(2021年6月21日)

2021年6月分費用弁償:12,000円
2021年7月分費用弁償:3,000円

→医療法人社団悠翔会 自宅療養者を支援するクラウドファンディング(readyfor)に寄付10,000円(2021年9月4日)

2021年8月分費用弁償:6,000円
2021年9月分費用弁償:18,000円
2021年10月分費用弁償:15,000円
2021年11月分費用弁償:6,000円
2021年12月分費用弁償:12,000円
2022年土地開発公社評議員会:3,000円

→ウクライナ大使館へ寄付30,000円(2022年2月26日)
→トンガ大使館へ寄付30,000円(2022年2月26日)

2022年1月分費用弁償:6,000円
2022年2月分費用弁償:なし
2022年3月分費用弁償:30,000円
2022年5月9日土地開発公社評議員会:3,000円
2022年5月分費用弁償:3,000円
2022年6月分費用弁償:18,000円
2022年7月分費用弁償:なし
2022年8月分費用弁償:なし
2022年9月分費用弁償:18,000円
2022年10月分費用弁償:15,000円
2022年11月分費用弁償:6,000円

→ 全国児童養護施設協議会へ寄付104,000円(2022年12月23日)

2022年12月分費用弁償:12,000円
2023年土地開発公社評議委員会:3,000円

→トルコ大使館へ寄付:15,000円 (2023年2月8日)

メンっ!と総括!!

行政を監視すべき議員自らが公金の無駄遣いに加担している状況に疑問を持ったことがきっかけで、こうした議員特権を廃止することができたのはこの上ない喜びです。

しかしながら、この結果を手放しでは喜ぶことができません。

廃止までに多額の税金を無駄にしてしまった事実と、こうした議会ルールの変更見直しを求めても、無所属議員や一般区民は傍聴すらできない任意の検討会で審議が行われる流れは未だに変わっていないからです。

何よりも選挙前のパフォーマンスの様に捉えられますし、あり方検討会に所属する議員には任期中に答えが出る様にしっかりと議論してほしかったです。

これから求めていく議会改革として、討論制度の導入、委員会のインターネット中継、一般質問におけるパネル等の持ち込み、サボる議員を罰する政治倫理条例の策定などを進めて行きます。

引き続き納税者としての視点による税金の支出の監視を行うと共に、しがらみのない立場から、母としての勇気を持って、おかしな事にはおかしいと言い続けます。

なぜならば、議員自らが公金の使徒に襟を正し、議会の情報公開と民主化を進めなければ有権者の政治への信頼回復はあり得ないからです。

区民の皆様からも区政に対する関心をお寄せ頂きますと大変幸甚です。

引き続きよろしくお願い致します。

さんのへあや

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