2023年(令和5年)3月1日 予算審査特別委員会

◯さんのへあや委員  
 ことばときこえの教室について伺います。
 ことばときこえの教室とは、言葉や聞こえのことで友達との関係や勉強で困らないよう、保護者、在学学級の担任の先生と協力し、専門的な支援を行う通級指導学級と伺っています。現在のことばときこえの教室の在籍児童数と通級への通学方法について伺います。

◯教育支援課長  
 ことばの教室、こちらについては49名が在籍しております。また、きこえの教室には8名が在籍しておりまして、合計いたしますと57名となっております。
 また、ことばときこえの教室は、南陽小学校にのみ設置されている状況でして、対象が小学生でもあることから、保護者による送迎をお願いしている、そういった状況でございます。

◯さんのへあや委員  
 吃音や発音に難しさを感じるこどもは全体の数%で、先天性難聴を持つこどもは1,000人に1人の割合で確認されると言われています。
 特に難聴の発覚が遅れるこどもがいる傾向にあるため、早期の支援、介入ができることばときこえの教室が非常に重要な通級指導級である一方、おっしゃっていただいたように、江東区内では南陽小学校のみ1校での実施となっています。
 通級で、通常平日の日中に授業が行われるわけなんですが、通級で授業を受ける間とその前後の移動時間というところを含めて、その時間は所属校の授業が受けられませんし、保護者による送迎がおっしゃっていただいたように必要となるため、保護者の働き方にも制約が出ています。
 こうした理由により、有明や豊洲などの湾岸地区、また、亀戸など城東地域から通いたくても通えないというお声を頂戴しています。少なくとも各地区に、ことばときこえの教室を設置することで利便性が高まると思いますが、検討状況はいかがでしょうか。

◯教育支援課長  
 今御指摘いただいた点についてはまさしく課題の一つだと、そのように認識しているところでございます。
 また、言語障害であるとか難聴につきましては、これは教育のもともと専門性の高い分野であるんですけれども、さらに専門性を有している、そういった教員が必要となってまいります。
 そういった専門性のある教員の配置にも関わってくる部分ですので、一朝一夕というわけにはなかなかまいりませんけれども、引き続き、特別支援教育の検討委員会、こちらにおいて検討してまいりたいと、そのように考えているところでございます。

◯さんのへあや委員  
 ぜひよろしくお願いいたします。
 検討していただけるということなんですが、調べていただけると分かるんですが、江東区のように人口規模の大きい都内自治体では、ことばときこえの教室が2校から3校ずつ設置されています。
 また、通常指導に関連して、本区には弱視の通級指導学級がありません。弱視のお子さんに対して、通常学級ではどのような支援が行われているのでしょうか。

◯教育支援課長  
 弱視のお子さんに対する通常の学級においての支援ということなんですけれども、区内の小学生向けに、また、その小学生の保護者も合わせてということになりますけれども、都立葛飾盲学校の先生方の御協力を得まして、見え方相談会といったものを実施しております。その中で、より専門性のある先生から、そのお子様に対する実態の把握でありますとか、そのお子様に向けた支援方法などを学んでいる状況がございます。
 その学びの結果、これはもうケース・バイ・ケースとなりますけれども、座席の配慮で対応できるケースもあれば、拡大教科書といったものを使うようなケース、また、色のコントラストを工夫した教材の活用、また、通常より大きな用紙を使うであるとかフォントを使ったプリント教材の活用、そういったようなことが実施され、配慮されることが多くなってございます。
 以上です。

◯さんのへあや委員  
 区民の方からは、区内に弱視向けの通級指導学級がないことから他区に通っている方もいるというふうにお伺いしております。ことばときこえの教室もそうなんですが、わざわざ他区に通わざるを得ない状況というのは一刻も早く改善すべきだと思います。
 通級指導学級の拡充を強く求めて、次に、学習支援について伺います。
 学習支援員とは、障害がある児童に対する日常生活動作や学習活動上の支援を行っていますが、学習支援員の配置状況と、主にどういった人材が任用されているのか伺います。

◯教育支援課長  
 学習支援員につきましては、年度の途中で出入りがあったりするので、なかなか固定的な人数というのは難しいんですけども、おおむね幼稚園には70名程度、小学校と義務教育学校の前期課程には200名程度、中学校と義務教育学校の後期課程には80名程度を任用されている。そうしますと年間では延べ300名から350名程度が任用されているという状況となっております。
 また、そういった人材についてなんですけれども、この人材は会計年度任用職員という立場になります。そのため、区の公式ホームページを通じまして、例年公募しているような状況となっております。
 ただし、教員免許等の資格要件を設けていないのですけれども、何よりもこどもの支援について理解のある人材、そういった人材を求めているところです。具体的には子育てが一段落した方々、もしくは教員志望の大学生などが中心となっている、そういった状況でございます。

◯さんのへあや委員  
 学習指導員の方は実際に設置の要望が行われてから配置が行われるのか、それとも先に、学習指導員の方を雇用してから、適宜、配置を行うのか、いずれかでしょうか。

◯教育支援課長  
 前年度のうちに、これは概数になりますけれども、各学校におけるニーズ調査を行っております。それと同時並行で、この年度末の時期に次年度の任用候補者を公募している、そういった状況でございます。

◯さんのへあや委員  
 職員の方の数が足りないという状況は起こり得ますでしょうか。

◯教育支援課長  
 現在、教育にかかわらず、様々な業界で人手不足と言われておるような状況がございます。
 私どもでも、これまでお声かけをすれば比較的、学習支援員の方々、お集まりいただける状況があったんですが、それが難しくなってきている現状もございます。そのことも受けまして、都の教育委員会が発足させました公益財団法人東京学校支援機構、略称TEPROと申しますけれども、このTEPROのサポーターバンクといったようなものがございます。
 こういったところを活用するなどして、本区の児童・生徒のために力を尽くしたい、そういった人材の発掘等を試みている、そういった状況でございます。
 以上です。

◯さんのへあや委員  
 ありがとうございます。
 こちらは実際に要望が寄せられたものですが、せっかく学習支援員の方が配置されても、特定の児童・生徒への支援だけじゃなくて、クラス全体への補助に回ってしまったりですとか、児童発達等学ぶ学生ですとか専門職の割合が少ない点で改善を求められています。
 区の公式ホームページ経由の公募だけではなくて、人材が不足する場合は、そういったスキルアップ研修を充実させたりですとか、募集先に福祉施設や大学などの連携機関を設けて求人を呼びかけていただくことを要望し、質問を終わります。

出典:江東区議会会議録