過去最大9.6兆円の暴走!都民不在、将来にツケがまわる“膨張予算”に反対

2026年3月27日本日開催された本会議最終日において、地域政党自由を守る会は、知事提出第1号議案「令和8年度東京都一般会計予算」他9議案に反対、その他の知事提出議案に賛成、議員提出議案第2号から第6号に反対、議員提出議案第1号に賛成を致しました。
以下、幹事長談話として発表した内容をブログに掲載します。

【“過去最大”の裏にある財政規律の欠如】

かつてマーガレット・サッチャー英国首相は、「公金などというものは存在しません。あるのは、納税者の身銭だけです」と断言しました。この言葉こそ、今、東京都が最も噛み締めるべき真理です。  

令和8年度東京都予算は、一般会計9兆6,530億円、対前年度比5.4%増と、6年連続で過去最大を更新しました。都税収は7兆3,856億円と堅調に見えますが、その約4割を景気変動の影響を強く受ける法人二税が占めています。過去、リーマンショック時には法人二税が1兆円規模で減収した事実があります。
加えて、現在の世界情勢は、地政学リスクの高まり、資源価格の変動、為替の不安定化など、極めて先行き不透明な状況にあります。こうした中で、一時的な税収増を前提に恒常的な歳出を拡大し続けることは、極めて危うい財政運営と言わざるを得ません。
にもかかわらず、新規事業は657件、約二千億円と拡大し続けており、将来の税収減を見据えた抑制の視点が欠落しています。不測の事態に備えるべき財政調整基金は、令和元年度末の約9,300億円に対し、本年度末見込みでは8,085億円に留まっており、前年度からの積み増しもわずか151億円に過ぎません。今まさに必要なのは、規模の拡大ではなく、財政の規律です。物価高に苦しむ都民の生活実感と乖離した本予算は、「毎年過去最大に膨らみ続ける」予算編成であり、到底容認できるものではありません。

【根拠なき“ゼロエミッション”をお題目にした巨額支出】

都は「セーフシティ」の実現に向け、ゼロエミッション関連予算を昨年度の2,957億円から3,880億円へと、923億円も大幅増額しました。その投資によって東京の気温が何度下がり、CO2がどのくらい減るのか、未だに具体的な数値は示されていません。費用対効果を示さないまま巨額の公金を投じる姿勢は、納税者である都民に対する説明責任の放棄に他なりません。  

また、本会の徹底追及により交付を食い止めたEV充電設備補助金における不正問題からも明らかなように、チェック体制は極めて脆弱であり、性善説に依存した制度設計の課題が明らかになりました。公金の適正な執行に向けた抜本的な見直しを強く求めます。  

【崩壊するEV補助金不正チェック体制】

「スマートシティ」政策においては、スタートアップ支援や国際金融都市構想に多額の委託費・コンサル費が投じられ、年間23回も海外出張を重ね通算5,200万円もの経費が発生している一方で、雇用創出や税収増といった具体的成果は見えません。抽象的な「ネットワーキング」や「発信」に終始し、都民への還元が見えない施策は単なるパフォーマンスにすぎません。地道かつ堅実な、既存企業をも含め、地に足のついた都民益に叶う実利ある産業振興を望むものです。

【放置される違法民泊と白タク—硬直化する住宅政策】

住宅政策では、都有地を格安で民間に事実上の払い下げをした「晴海フラッグ」が、投機目的やヤミ民泊の温床となり、白タク等の違法行為が発生しています。さらに、住宅専用地域では厳しい制限がある「民泊」を避け、事前通告もない一戸建ての「旅館業」への転用含め件数が1年で30%も急増、騒音やゴミ放置に悩む都民が続出している、いわゆる「名ばかりホテル」も大問題です。都は実態を把握し、国に先駆けた独自の規制・制限強化、ならびに違法行為根絶に踏み出すべきと、強く求めるものです。  

高倍率の都営住宅では、平均居住年数が25年に及ぶという硬直化に加え、本来支援が必要な世帯が入居できない一方で、不適切な入居の疑いが放置されています。「憲法25条の理念」に基づき、真に困窮する世帯ことに子育て・若年世帯に待機を強いず、公平性担保の徹底を求めるものです。

【滝山病院の教訓を踏まえ、都立病院こそ変わるべし】

福祉分野においても課題は山積しています。精神医療の現場では、「滝山病院事件」以降虐待対策につき都の監督体制の限界が露呈しています。スマホ制限撤廃を含め人権侵害の解消に向けて、当該病院はもちろんのこと、まず都立病院が率先して人権を守る姿勢を抜本的に見直すことを求めます。

社会的養護についても、施設養護中心の構造から脱却し、ことに愛着障害の生じる乳幼児期の里親委託・特別養子縁組の推進など、政府が掲げた委託率75%という目標達成に向け、家庭養護の加速度的転換を強く求めます。  

【都立高校の本来の役割を踏まえ、教育環境を速やかに改善すべし】

都立高定員割れにおいては、私学と競うようなブランド化を狙うのではなく、誰もが「自転車で通える身近な地域」に根ざした、家庭の経済状況に左右されず様々な背景の生徒が一緒に質の高い教育を受けられるセーフティネットとして、既存都立高の価値を再評価し、堅持及び老朽化施設の可及的速やかな改善を求めます。

【“税金は使っていない”という欺瞞は、都民資産の私物化の始まり】

臨海地域開発事業において、お台場の噴水事業は「税金は使っていない」との説明がなされていますが、その原資は都民の共有財産であり、本来は防災やインフラ整備に充てるべきものです。加えて、本会指摘により大腸菌噴霧リスクを回避するために急遽上水利用へと変更しながら、稼働停止の安全基準すら未だ明確ではないことが判明しました。都民の安全よりも演出を優先する姿勢は到底容認できません。

【7年居座るトップ—崩れる水道ガバナンス】

水道事業においては、小池知事側近の野田数氏が東京水道社長に就任してから丸7年が経過しました。人材採用広告費の不適切支出も指摘しましたが、都政の実務経験も皆無な人物が、歴代社長の数倍もの長期間にわたり、都民の命に直結する最重要インフラ事業のトップに居座り続けている現状は、もはや都政ガバナンスの体をなしていません。早急な退任を求め反対するものです。

【地方なくして東京なし!偏在是正に対する都の姿勢を問う】

今回特に強く指摘しなければならないのが、都知事をはじめとする議員報酬の増額についてです。物価高により都民生活が厳しさを増す中で、議員自らの報酬を引き上げる判断は、都民の理解を到底得られるものではありません。まず行うべきは、自らの身を律し、財政規律を示すことです。都民に負担を求める一方で、自らの待遇のみを改善するような姿勢は、政治への信頼を損なうものです。よって議員報酬減額を求める議員提出1号議案に賛成するものです。
また、予算案の根底にある政治哲学の不在と、偏在是正措置に対する知事の姿勢についても看過できません。予算案の概要では、国の制度改正を「改悪」と断じる表現が多用されています。しかし、行政文書において国との対立を煽る姿勢には強い違和感を覚えます。地方の衰退は巡り巡って東京の首を絞めます。都の税収が地方から働きに来る人々に支えられている事実を直視すべきであり、政府を批判し「改悪」と切り捨てる前に、まずは自らの足元の「毎年過去最大に膨らみ続ける予算」を正すべきです。

【誰のための支出?パフォーマンス重視都政から脱却せよ!】

都は、固定資産税の収奪を批判する際、サービス享受の対価としての「応益性の原則」という詭弁を弄します。しかし、お台場の噴水や都庁プロジェクションマッピングなどの巨額支出には、納税者が納得し得る対価としての便益など微塵も存在しません。都民の「身銭」を、知事のパフォーマンスや費用対効果が不明な事業に投じることは、納税者への信託に背く行為であり、行政自らがその論理を破綻させている証拠です。  

東京都知事が今なすべきは、本会への答弁拒否を続け、耳の痛い正論を拒絶して国との対立を煽ることではありません。かつて自らが批判した、「あふれんばかりのぜい肉をつけた予算」へ回帰した現状を直視し、不要不急の支出を徹底的に削ぎ落とす「財政の規律」を今こそ取り戻すべきです。

よって、地域政党自由を守る会は、次世代に不透明な財源負担を強いる、この合理性を欠いた予算案に強く反対します。

さんのへ あや

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