はじめに

2026年月2月27日(金)、都議就任後早4回目となる一般質問を実施して参りました。
今回与えられた質疑の時間は9分間で、本定例会で登壇した議員の中で最も短い質問時間となりました。
短い質問時間の中でも13問の質疑を行うことができ、今後の議会活動においても有効活用できる答弁を引き出すことができました。
前回に引き続き、より多くの方に理不尽な都の姿勢を知っていただくために、質問及び回答の全文を公開します。
また、読みやすさを追及するため、一問一答形式にしておりますのでご了承下さい。
なお、当日のインターネット中継動画の録画は、以下のリンクからご覧頂けますので併せてご覧ください▼
https://www.gikai.metro.tokyo.lg.jp/live/video/260227.html?seek=17249
⑴ごみ減量化の取り組みについて
<Q1>さんのへ:初めに、ごみ減量化の取組について伺います。
昨年十二月の報道並びに本年一月の記者会見において、知事は、二十三区に家庭ごみ有料化を促していく考えを示されました。しかし、清掃事業は、都区制度改革により特別区へ移管され、一般廃棄物処理計画の策定権限は区にあります。区との合意形成が確認できていない段階において、都知事が一方的に家庭ごみ有料化を打ち出すことは、地方自治の原則との関係で慎重であるべきではないかと考えますが、知事の見解を伺います。
<A1>環境局長:まず、家庭ごみの減量化についてでございますが、有料化の導入は各区の判断であり、有料化を都が打ち出したとのご指摘は当たりません。
一方で、都は二十三区で唯一の最終処分場を管理しており、その延命化のためには、可能な限り埋立量を少なく抑える必要がございます。そのため、都は、従前から区市町村との共同検討会で、家庭ごみ有料化を有用な方策の一つとして、先進自治体の事例を共有しながら検討しております。
<Q2>さんのへ:また、二十三区の家庭ごみは、分別の徹底と資源回収拡充により、既に減少傾向にあります。最終処分場は、家庭ごみだけでなく、汚泥や産業廃棄物も含まれています。この状況において、家庭ごみの有料化が分別の徹底や啓発強化といった施策を上回る具体的なエビデンスを、都はどのように評価しているのか伺います。
<A2>環境局長:有料化によるごみの排出量についてでございますが、家庭ごみの有料化は、全国で約七割の自治体で既に導入されております。都内でも多摩地域の二十九市町で実施されており、導入後、多くの自治体では、住民の行動変容やリサイクルの促進などにより、約二割のごみが減量されております。この少ないごみの排出は、全国でトップクラスとなっております。
また、国も区市町村に対し、経済的インセンティブを活用した廃棄物の排出抑制などの推進、負担の公平化及び住民の意識改革を進めるため、有料化のさらなる推進を図るべきとしております。
<Q3>さんのへ:都内一般廃棄物の約四割は事業系ごみであり、食品廃棄物や資源化可能プラスチックが混在したまま処理されています。さらに、事業者がごみ処理券を貼らずに投棄するケースなどの不適正排出も後を絶たず、特に繁華街を有する自治体においては、事業系ごみの不法投棄対応に追われています。家庭ごみが減っている今、優先すべきは事業系ごみの徹底捕捉と資源化であると考えますが、都の認識を伺います。
<A3>環境局長:事業系ごみ対策についてでございますが、都は、これまでも区市町村と連携し、オフィスビル等を対象として、分別や再資源化に関する助言などを行うほか、飲食店や小売事業者等の食品ロス削減対策を支援するなど、事業系廃棄物の適正処理と3Rを促進しております。なお、一般廃棄物の処理責任を有する各自治体が、不適正排出の指導を実施しております。
<Q4>さんのへ:最終処分場の延命化についてです。焼却灰の溶融、資源化技術の向上により、最終処分量は着実に削減されてきました。また、多摩地域では、焼却灰のエコセメント化により最終処分量ゼロ、処分場の半永久化が実現しています。現在の技術的到達点を踏まえると、高額な費用がかかる灰の利活用促進について、都として支援すべきと考えますが、見解を伺います。
<A4>環境局長:焼却灰の利活用促進についてでございますが、都は、これまでも、一般廃棄物の中間処理を担う二十三区清掃一部事務組合に対し、焼却灰の資源化に係る技術的助言を行っております。
<Q5>さんのへ:私の地元江東区は、江戸時代からおよそ三百五十年、都民生活を支えるごみの終着駅として埋立てを受け入れ続けてきました。昭和四十六年、先人が命がけで闘ったごみ戦争を経て、現在の自区内処理と迷惑負担の公平の原則を築きました。その歴史の上に今の東京がいます。その歴史を踏まえ、江東区は不燃ごみの全量資源化や5Rの促進に総力を挙げ、最終処分場の延命に貢献しています。環境大臣時代、知事は、資源ごみの分別やリサイクルなど、日本らしい、もったいないの精神を世界に発信されました。その知事がリーダーを務めるこの東京の中で、もったいない精神が浸透せず、区ごとの取組や再資源化率に差が残っているのは大変残念です。都が果たすべきは、二十三区全体の分別、資源化水準の底上げであり、さらに事業系ごみ対策や過剰包装抑制などの発生抑制への広域的責任であり、誰もが納得できる公平な循環型社会の基盤を構築することです。歴史的背景や住宅構造の割合が大きく異なる他地域の有料化によるメリットのみに注目して、二十三区の都民に負担を強いる有料化を推し進めることについて、未来を開くグリーンでレジリエントな世界都市東京の実現を掲げる都知事ご自身の言葉で、都民が納得できる方針をお示しください。
<A5>環境局長:次に、区部におけるごみ減量の促進についてでございますが、事業系ごみについては、平成八年から既に、事業者のごみ排出抑制などの観点から全面有料化が実施されております。また、都は、製造、小売事業者などと連携し、過剰な容器包装の削減に取り組んでおります。加えて、プラスチックの分別回収拡大等に対する区への財政支援や、3R促進に向けた技術的支援などにより、各自治体のさらなるごみ減量と再資源化を促しております。
<再質問>さんのへ:局長は、都が有料化の方針を打ち出したわけではないと答弁されましたが、知事自らが会見で有料化を促していくと明言した事実は消えません。区に権限があるにもかかわらず、区長会との合意形成も示されていない段階で発言されたことについて、広域自治体の長としての責任をどう認識しているのか、局長に答弁させるのではなく、知事ご自身の言葉で明確にお答えください。
<再質問回答>環境局長:家庭ごみの減量化についての再質問にお答えいたします。有料化の導入は各区の判断であり、有料化を都が打ち出したとのご指摘は当たりません。一方で、都は二十三区で唯一の最終処分場を管理しており、その延命化のためには、可能な限り埋立て量を少なく抑える必要がございます。のため都は、従前から、区市町村との共同検討会で、家庭ごみ有料化を有用な方策の一つとして、先進自治体の事例を共有しながら検討しております。
⑵データセンター認定制度及び管理監督責任について
<Q6>さんのへ:次に、データセンターについてです。知事は本定例会の施政方針において、認定制度とガイドライン、情報を早い段階で把握する都独自の仕組みを策定する考えを表明されましたが、その具体的な中身が不明瞭です。認定制度とは、環境アセスメント条例の改正なのか、あるいは建築基準法、都市計画法などへの上乗せ条例を想定しているのか、どのような内容で、どの程度の法的拘束力を持たせて策定するのか、知事の見解を詳しく伺います。
<A6>産業労働局長:データセンターの認定制度についてのご質問にお答えいたします。既設のデータセンターも含め、エネルギー効率や再エネの利用状況、地域への貢献などを評価し、環境に配慮したデータセンターとして認定することとしてございます。
<Q7>さんのへ:私の地元江東区をはじめとする東部低地帯は、水害のリスクが極めて高い地域です。データセンターの非常用発電として地下等に貯蔵される膨大な量の重油は、浸水時に流出すれば甚大な環境汚染と火災につながります。
東日本大震災では、貯油タンクから流出した重油や石油が大規模火災を引き起こしました。消防法における危険物施設としての条件を、こうした場所において新設されるデータセンターに対し、浸水時でも確実に重油を封じ込める構造基準を設置基準に盛り込むべきです。データセンターに設置される危険物施設について、東京消防庁として適正に指導されているのか伺います。
<A7>消防総監:データセンターに設置される危険物施設についてでございますが、東京消防庁では、公共の安全のため、消防法令に基づき適正に指導しております。特に、浸水リスクが想定される地域においては、総務省消防庁が作成した風水害対策ガイドラインを踏まえ、被害を回避するための計画の策定を指導しております。
<Q8>さんのへ:さらに、データセンターから排出される熱について、清掃工場の熱供給の仕組み同様、温水プールや美術館、区民館など近隣施設等へ無償で熱供給を行う、排熱を地域に還元するサーマルリサイクルの仕組みを設置基準に含めるべきではないでしょうか。都の見解を伺います。現行の建築基準法において、データセンターは定義がなく、非常用燃料部分以外のサーバー等を配置する上物については、事務所や倉庫として定義されます。事務所は特殊建築物ですらなく、最も火災リスクが低い区分とされています。しかし、大量のサーバー設備を有し、常時高負荷で機器が稼働し続ける建物を、一般的な事務所や倉庫と同列に扱うことが妥当とは思えません。都として新たな用途区分の創設や法改正を国に求める考えはあるか、伺います。
<A8>環境局長:データセンターの排熱についてでございますが、都は、データセンターから排出される熱の活用を促進するため、新技術の実装化に向けた取組を後押ししてまいります。
<A8>東京都技監:データセンターについてでございます。我が国では、建築物につきまして、建築基準法や消防法等により、立地する場所や建物規模などに応じて、延焼を防ぐための構造や材料、設備などの仕様が定められており、市街地の安全の確保が図られております。なお、データセンターの整備促進に向けた国への要望については、これまでも行っております。
⑶東京アプリについて
<Q9>さんのへ:最後に、東京アプリについてです。1万1000ポイント付与は、物価高騰に苦しむ都民への支援が目的とされていますが、スマートフォンを持たない高齢者や認証操作が困難な障害者は、物価高騰の支援を受け取れず、不平等を招いています。こうした方々に対する今後行うべき救済措置の有無を伺います。
<A9>デジタルサービス局長:東京アプリ生活応援事業についてでございます。本事業は、東京アプリの普及促進と都民生活の応援を目的に、アプリを通じて迅速に東京ポイントを届けるものでございます。都は、高齢者のスマホ購入費を助成する区市町村を支援するほか、アプリのコールセンター等での丁寧な対応など、多くの方に参加いただけるよう取り組んでまいります。
<Q10>さんのへ:都議会が本事業の妥当性を適切に検証、評価する上で、客観的な実績データの把握が不可欠です。とりわけダウンロード数は最も基本的な指標ですが、現時点のものは公表されていません。東京アプリ対象約一千二百五十万人に対し、都が公表した最終検証時のダウンロード数は約百三十五万回、普及率は一〇%にとどまっています。ポイント付与の開始後、この普及率がどの程度向上し、税金投入に見合う効果を上げているか、検証が求められます。情報公開を一丁目一番地に掲げる都として、最新のダウンロード数などの実績を迅速かつ透明性を持って公表すべきと考えますが、都の見解を伺います。
<A10>デジタルサービス局長:次に、東京アプリに係る実績についてでございます。都は、これまでも、昨年十二月に実施した東京アプリの本人確認機能等導入に向けた都民参加型の最終検証において、その結果とともに東京アプリのダウンロード数などを公表しており、引き続き適切に対応してまいります。
<Q11>さんのへ:ポイント取得に当たり、視覚障害者や手指の不自由な方が、マイナンバーカードを正確に重ねて読み取らせる操作は極めて困難です。実際に、東京アプリは、ボイスオーバー機能の対応が十分でなく、アプリ改善を待っている視覚障害のある方も多くいます。都のアプリ開発の段階において、JIS規格に基づくウェブアクセシビリティーの検証は十分だったのでしょうか。障害当事者の声を開発段階でどう反映させたのか、伺います。
<A11>デジタルサービス局長:最後に、東京アプリのアクセシビリティーについてでございます。東京アプリでは、文字の大きさや配色などに配慮したデザインや、障害のある方への定期的な操作性等の確認など、障害を持つ方にも利用しやすいものとなるよう取り組んでおります。東京アプリ生活応援事業においても、申請からポイント付与までの一連の流れについて、スマホの音声機能を活用して読み上げられるようにするなど、アクセシビリティーに配慮した取組を行っております。
<Q12>さんのへ:現在、精神障害者保健福祉手帳の更新は基本的に紙ベースとなっている上、更新の手続には相当の日数を要しており、この空白の期間が当事者の不安やサービス利用の障壁となっています。
東京アプリは、ポイント付与などの一時的なイベント用ツールにとどまるべきでなく、こうしたアナログで遅滞している申請手続、とりわけ障害者手帳の更新手続はアプリ上で完結できるようにすべきと考えます。
困難を抱える人の申請手続の迅速化は、行政DXが優先して解決すべき福祉の課題と考えますが、可能性や今後の方針について伺います。
<A12>福祉局長:精神障害者保健福祉手帳の更新に関するご質問にお答えいたします。都は、手帳発行までの期間短縮に向け、臨時に職員体制を増強しているほか、今後、審査工程の効率化などに取り組みます。国は、マイナポータルによる電子申請の仕組みを検討しており、都は、早急に結論を示すよう求めることとしております。
<演説・要望>さんのへ:東京アプリの将来像に掲げられたプッシュ型支援は、具体的にいつまでに、何を、どのように届けるのか、ロードマップは示されていません。ポイント付与が終わればアプリが削除されてしまう、そのような一過性の施策で終わらせてはなりません。東京アプリは、透明性の高い開発プロセスへの転換に併せて、台湾で展開されている行政プラットフォーム、ジョインのように、都民が政策提案を行い、一定の賛同が集まれば行政が公式に見解を示すデジタル目安箱の仕組みを実装すべきです。
アプリを都民参加型の政策プラットフォームへ進化させ、都民の政治的効力感を高めることができる、血の通ったスマートシティ東京の実現に向け、再質問を留保し、私の質問を終わります。
メンっ!と総括
今回の一般質問では、ごみ政策、都市インフラとしてのデータセンター、そして行政DXの象徴とも言える東京アプリという三つのテーマを通じて、都政の方向性と説明責任を問いました。
とりわけ、ごみ減量政策をめぐっては、知事が記者会見で家庭ごみ有料化を促していく考えを示した一方で、清掃事業の権限は特別区にあるという制度上の整理との関係が大きな論点となりました。私は再質問において、知事自身の言葉でその認識を明らかにするよう求めましたが、結果として小池都知事からの直接答弁はなく、局長答弁にとどまりました。全体としては、既存施策の説明に終始する場面も多く、都としての明確な方針を示すというよりは、論点をかわすような答弁が目立ったことは率直に指摘しておきたいと思います。
しかし一方で、これまでの議会質疑では得られていなかった重要な答弁も引き出すことができました。家庭ごみ有料化について、東京都として「有料化の方針を打ち出したものではない」と明言したことは大きなポイントです。二十三区の家庭ごみ処理は各区の自治に基づくものであり、この答弁は、都が一方的に有料化を進めるものではないという制度上の整理を改めて確認するものとなりました。
また、急速に立地が進むデータセンターについても、排熱の利活用に関して「新技術の実装化に向けた取組を後押ししていく」との答弁がありました。データセンターは今後の都市インフラとして重要である一方、エネルギー消費や環境負荷の観点からも新たな課題を抱えています。排熱を地域に還元する仕組みなど、技術革新と都市政策を結びつけていく必要性を都が認識していることが示された点は、今後の政策議論の出発点として意味のある答弁だったと受け止めています。
議会の役割は、行政の説明をただ受け取ることではなく、曖昧にされている論点を明確にし、都民の前に事実を示していくことにあります。今回の質疑でも、すべての問いに十分な答えが得られたわけではありませんが、都政の方針や制度の整理を一つずつ言葉として記録に残していくことこそが、議会に課された重要な責務だと考えています。
今後も、急速に変化する都市の課題に対して、制度の根拠と政策の実効性を丁寧に検証しながら、都民が納得できる都政のあり方を問い続けてまいります。
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