江東区内では9月に入り不審者情報が多発しております。私は危機感を覚え、警視庁のアドバイスを受け注意喚起のブログを書かせて頂きました。
そんな矢先、私自身が不審者に遭遇し、深川警察署に通報するという出来事がありました。
同じ様な事で悩んでいる女性、これから悩むかもしれない政治家志望の女性、区民の皆さまにも、いざという時の対応としてご参考になればと思い事の顛末をブログに纏めさせて頂きます。
何が起こったのか
9月24日17時10分ごろです。事務所で仕事をしていたところ、突然玄関から「ガチャガチャッ」と大きな音が響きました。誰かが無理やりドアをこじ開けようとしているのです。
幸いに鍵が掛かっていたためドアが開く事はありませんでしたが、突然の出来事に恐怖を覚えました。インターホンを鳴らされる事なく、突然ドアをこじ開けようとして来たのです。恐る恐るインターホンのカメラを見てみると、見覚えのない男性が玄関の前をウロウロしていました。男性はマスクと帽子を被っており、殆ど顔もわかりませんでした。
その男性が立ち去ったと思った所で、近くにいる知人男性に連絡して事情を話しました。そしてビルの中や周辺に不審者が居ない事を確認して貰った後、私がビルを出るまで一緒に同行して頂きました。
警察に相談するかどうかの判断について
突然の出来事に様々な感情がうずまいて整理できないまま、帰宅後は育児家事に追われていました。そうして今日の出来事にどう対応するべきか、考えがまとまらない内に時間が経ってしまいました。
子どもが寝た後、夫にその事を伝えると「それは警察に言った方が良い」という結論に至りました。
不審者はどこか別の部屋と間違えて入ろうとしたのかとも考え思いましたが、私の事務所のドアには「区政に面と向かいます」という私のイラストが書かれたポスターが貼ってあり、間違えようが無い部屋です。
そしてもちろん、インターホンも有ります。間違えて訪ねて来た人や、私に用事が有る方ならば「インターホンも鳴らさずに突然ドアを開けようとしない」という結論に至りました。
そのため不審者情報として警察に伝えるべきだと、さらには今後の対策を相談するためにも深川警察に通報することにしました。
警察の対応について
私はまず深川警察署の代表番号に電話をしまし、事の顛末を一通り話しました。
その後、管轄の部署に電話を繋げて頂き、そこでも一から話をしました。トータルの通話時間は20分ほどでした。
警察からは「次回その様な状況になった場合は、すぐさま110番してください」とハッキリ言われました。
実は警察に相談しながらも私の頭の中では「ドアノブをガチャガチャされた位で大げさだと思われないか?」という心配が有りました。そのため警察の方のアドバイスに心底ホッとしましたし、それ以上に後悔しました。
なぜなら私は以前のブログでこの様に呼びかけていたのです。
犯人追跡はスピード勝負です。一刻も早く通報して犯人の姿を伝えていただければと思います。そうすれば自分の安全はもちろん、次の被害者を減らす事にもつながります。
私自身がこれを実践できていない事に気付きました。人間は実際に危険な場面に遭遇しても「多分大丈夫だろう」「大したことじゃない」と都合の良い様に考えてしまう「正常性バイアス」という癖が有ります。
私自身も実際に不審者に遭遇した事で、「正常性バイアス」による通報のためらいに気が付きました。
不審者や犯人に遭遇した場合、「多分大丈夫だろう」「大したことじゃない」と考えてしまい警察への通報をためらってしまいます。その時は深川警察署の「すぐさま110番してください」という言葉を信じてすぐさま通報してください。
政務活動費の支出先として防犯費用が適している
そしてやはり政治家にとって防犯は大事な問題です。特に女性政治家にとっては死活問題です。「政治家になりたいけど、色んな人に絡まれて怖そう」と思う女性が多いと、女性政治家の数は増えません。
そのためにも有効な防犯対策を伝えていきたいと思います。やはり有効で確実なのは自宅を事務所にするのではなく、別に事務所を借りる事です。さらに防犯カメラの設置、セキュリティ会社との契約でより強固な防犯対策になります。
しかしやはりこうした確実で有効な防犯対策は費用が掛かります。しかし、その防犯費用のために政務活動費を用いる事ができます。
江東区議会では月に1人あたり20万円という高額な政務活動費が支払われています。
私はこれまで公平な観点で区民にとっての利益を還元するための費用として、主に年2回の会派報発行のための支出として使用させて頂いておりました。
去年は年220万円の政務活動費を使い切る事はなく、私は約85万円を江東区に返還させて頂きました。
その政務活動費の支出先の項目として「事務所費(事務所の設置および管理に要する経費)」が有ります。江東区議会事務局に相談すると、事務所の防犯対策として支出する費用は、政務活動費の支出対象として適している事が確認できました。
インターネット上で確認する限り、他自治体の判例でも適している事が認められています。つまり(特に女性)政治家は政務活動費を防犯費用として支出する事でセキュリティを強固にできます。
私はこれまで江東区民の防犯へは意識が向いておりましたが、自分自身の防犯には意識が回っておらず、政務活動費を防犯のためにはほとんど使っていませんでした。
これからは自分自身の防犯ももっと意識し、政務活動費を防犯費用として使用させていただければと思っております。それは自分を守るためだけでは無く、こういう防犯対策の方法が有る事を全ての女性、政治家を志す女性に是非知って欲しいからです。
多くの自治体で首長や議会議員に当選すると、公人として住所を公開されてしまいます。これは政治家を志す女性にとって大きな心理的抵抗です。ぜひ政務活動費を駆使して防犯対策を行ってください。
また政務活動費が支出されない自治体では、住所非公開の要望書を議会に出す事をお勧めします。私も過去に江東区議会に提出しています。
不審者に遭遇して思ったこと
私は「クラヴマガ」というイスラエル発祥の近接格闘術のベルト所持者(いわゆる有段者)です。己の身は己で守れる様にと、護身術として身につけました。相手が武器を持っていたり、人質をとられていたり、ありとあらゆる場面を想定して何度も繰り返し訓練しやっとベルト試験を受けることができます。
仕事の後に剣道の道場と格闘ジムに通う日々でした
そのため私は何かあっても不審者に抵抗できるという自信がありました。
それなのに、ドアノブを見知らぬ人間にガチャガチャと回されただけで、ここまで真っ青になるのかというくらい恐怖を感じました。
私は議員としてこれまでパトロール強化の依頼と防犯カメラの設置依頼を進めていましたが、今回の事件を経験し、今後さらに強い決意と行動で進めていかなければいけないと思いました。
区民を守るためには、まず己を守る事から始めなければいけないとわかったからです。そして今回は自分にとって辛い出来事でしたが、その経験はより具体的で有効な安全対策に繋げて行けると確信しております。
さんのへ あや