今年の夏は本当に暑いです。連日の様に熱中症の報道がなされており、東京都内でも多数の死者が出ているのではと心配していた所、8月25日付の東京新聞1面を見て食い入るように記事を読んでしまいました。

東京23区の熱中症死者170人 8月では過去最多、昨年1年の死者数も超す

東京23区内で8月に熱中症で死亡した人が24日までに、統計が残る2007年以降の8月の死者としては過去最多となる170人に上ったことが、都監察医務院への取材で分かった。昨年1年間の死者135人も既に超えており、過去最多の210人(10年)に次ぐペースとなっている。

医務院によると、170人は40代~90代以上の男女で、9割超が60代以上。屋内で161人が亡くなっており、このうち142人がエアコンの設置や使用がなかった。17日の死者は32人で、1日の死者数が最近5年間の中で最も多かった。

注目したのは「9割超が60代以上」、そして「屋内で161人が亡くなっている」事です。この内142人、実に約9割もエアコンの設置や使用が無かった点です。

そして都内でこれだけの人数がという事は江東区も例外では有りません。まさかと思い、思わず江東区で熱中症で緊急搬送された件数、熱中症で亡くなられた人数を緊急調査しました。

*江東区の熱中症被害を緊急調査

まず江東区役所の危機管理課(消防庁から出向されている職員の方が居る)に緊急搬送の件数を問い合わせると

「現時点では把握していない」

という衝撃的な答え。

「どうしても知りたいので緊急で調査して欲しい」とお願いし調査してもらった結果、2020年8月23日の時点で「8月に緊急搬送された件数は156件」「7月に緊急搬送された件数は19件」でした。

さらに区民課(死亡届の提出先)に亡くなられた人数を問い合わせると

「把握しておらず、医者によって死因の書き方が異なるため今から調査するのも難しい」

という絶望的な答え。

埒が開かない為、東京都監察医務院に直接問い合わせ調査を行ないました。

その結果…

<江東区で熱中症で亡くなられた人の数(8月25日時点)>

2019年7月1人・8月5人

2020年7月0人・8月7人

まだ8月の中旬にもかかわらず、既に2019年を超える人数の方が亡くなられていることが判明しました。

連日ニュースで報道されている為皆さんご存知かと思われますが、今年の猛暑は異常です。フェーン現象が発生しているために9月も引き続きこの酷暑が、さらにはなんと11月まで暑さが続くと予測されています。

大切な江東区民の皆様、大切な方が江東区にお住いの皆様。そして日本中の皆様。どうか、どうかお願いです。

少なくとも酷暑が確実に続く8月末まで出来る限りの外出を控え、冷房のついた屋内で過ごして下さい。

もちろん毎日天気予報を確認し、9月以降も酷暑が続く場合は同様に冷房のついた屋内で過ごして下さい。

*今すぐ覚えて欲しい熱中症対策

明日以降も酷暑は確実に続きます。私は少しでも熱中症で亡くなる方を減らし、江東区民の、そして日本中の皆様の命を守りたいです。そこで今すぐ、絶対に覚えて欲しい熱中症対策をご紹介させて下さい。とても簡単な内容ですので、どうか目を通してください。

①夜寝るときは冷房をつけっ放しにする

特に高齢者の方には「冷房は体に悪い」「暑くて汗をかくくらいが良い」と冷房を付けずに屋内で過ごされる方が多いです。また昼間は冷房を付けていても、寝るときは電気代節約のために冷房を消される方が多いです。

しかしこれは全くの誤解です。「涼しくて心地よい」と感じられる温度設定の冷房をつけっ放しにし、布団を完全に被って寝る方が健康に良いのです。

冷房はあなたの命を熱中症から守る最大の味方です。もっと好きになってください。

②冷房はつけっ放しでもそれほど電気代は変わらない

冷房をOFFにされる方の最大の理由が「電気代の節約」です。しかし冷房は「起動時に最も電力を消費」します。つまり細目に冷房を消したりすると逆に電気代がかさんでしまうんです。冷房の電気代は「9時間程度のOFFならばつけっ放しと同じ」です。

夜に寝て朝起きる間は7時間~8時間くらいですよね。だから夜は冷房つけっ放しでも電気代はおなじなのです。だから安心して冷房をつけっ放しにして寝てください。

③とにかく細目な水分補給を

熱中症の原因は暑い事と、そして体内の水分が失われてしまう事です。わかっていても、買うのが面倒だとか、水分補給を後回しにしてしまう人が多いのです。そして熱中症は自覚症状が出たら手遅れな場合も多いです。なので「まだ大丈夫」と思う前に、早め早めの水分補給です。

特に高齢者の方は夜寝るとき枕元に、コップ1杯の水を置いてください。そして喉が渇いたと思ったら直ぐに飲んでください。

④直ぐに救急車を呼び、到着までに応急処置を

熱中症の方を見掛けた時に大事なのは直ぐに医療機関に運ぶ事です。

熱中症の酷さは外から見ただけではわかりません。意識が有って元気そうでも、高度の熱中症で死亡に至ってしまう事が多々あるのです。だからまず119番に電話して救急車を呼ぶか、タクシーなどで医療機関に連れて行ってください!

そして救急車が来るまでの間にやるべき事が応急処置です。

「涼しい場所に連れて行く」

「衣服を緩め、冷水を掛けたりうちわで扇ぐなどして身体を冷却する。可能なら首の両脇、脇の下、大腿の付け根の前面を氷で冷やす」

「塩分を含んだ飲み物を飲ませて安静にさせる」

参考:熱中症が疑われる時の応急処置

この3点が大事なポイントです。

しかし場所によっては応急処置に出来る事の限界も有るでしょう。だからこそ、熱中症の患者に遭遇したらとにかくまず救急車を呼んでください。

*江東区民の、そして日本中の皆様の命を守りたい

熱中症は本当に恐ろしいです。新型コロナウイルスの7月・8月の東京都内の死者数は29人(8月25日時点)ですが、熱中症では8月だけで170人、新型コロナウイルスの6倍近い方が亡くなられているのです。

そんな惨状の中、江東区では行政は高齢者に冷感タオルを配布して外出を促すという逆効果の対策を行ったきりです。この悲惨な現状すら把握をしていません。

日中も冷房が無い、涼しい場所に身を置けない方は私に連絡ください。私の控え室、事務所にお越しください。移動ができない区民の方は私が車で迎えに行きます。

遠慮は要りません。大切なのは貴方の命です。

どうか宜しくお願い致します。

さんのへあや

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