2020年5月25日(月)に開催された臨時本会議にて賛否を問われた

議会人事以外の「専決処分」と「補正予算」の計6件について、

私自身の考えや調査結果を踏まえてご報告させて頂きます。

専決処分とは・・・本来議会の議決・決定を経なければならない事柄について、

地方公共団体の長が地方自治法の規定に基づいて、議会の議決・決定の前に自ら処理することをいう。

後で否決(不承認)になったとしても専決された予算や条例等の効力は失われず、専決した区長の政治責任を問う事が議論の焦点となります。

長文になってしまったので、時間が無い方は“さんのへ翻訳”だけ読んで頂ければ概要が分かるようになっています。

それではおさらいします!

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①日程第 1 報告第 1 号 専決処分した事件の報告及び承認について 

→江東区非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例

さんのへ翻訳:江東区で働く医療従事者の数が足りない場合に区外から医療従事者を呼ぶが、その報酬と費用弁償(交通費・宿泊費)が東京都や他区に比べて少ないので、平均的な金額に値上げする事によって区内の医療従事者が足りなくなる事を防ぎたい。

以下、青い文字が今回の改正部分です。

第2条 職員に対する報酬の額は、勤務1日につき2万円(医療業務に従事する職員で区長が認めるもの(以下「医療業務従事職員」という。)にあっては、3万2,500円)を超えない範囲内において、任命権者が区長と協議して定める額とする。

2 前項の規定にかかわらず、任命権者は、特に必要と認めた場合においては、報酬の額を区長と協議して時間を単位とする額又は月額をもつて定めることができる。この場合における報酬の額は、1時間当たりの額については2,500円(医療業務従事職員にあっては、1万900円)を、月額については36万円(医療業務従事職員にあっては、65万6,000円)を超えてはならない。

賛成した理由:大幅に改定される金額に驚愕しましたが、これまで江東区は金額が低かったという背景と、東京都の平均額に合わせたという考えで納得しました。また、区民の命や安全に関わる医療や防災・防犯に関する費用を惜しむべきではないと考えています。

②日程第 2 報告第 2 号 専決処分した事件の報告及び承認について 

→江東区国民健康保険条例の一部を改正する条例

さんのへ翻訳:国保に加入している区民がコロナ疑いや感染した際に仕事を休んだ場合に傷病手当金を出します。

条例文が長すぎたので訳すと、仕事を休んで3日を経過した日から労務に服する事ができない期間の内に労務を予定していた日に対して傷病手当金(過去3ヶ月間の収入から計算して3分の2に相当する額)を支給されるという内容です。

賛成した理由:江東区は23区の中でもこの傷病手当金導入が早く行われ、感染疑いの方であっても無理して勤務させない=感染拡大防止という観点からも必要な支援と考えました。

③日程第 3 報告第 3 号 専決処分した事件の報告及び承認について 

→江東区介護保険条例の一部を改正する条例

さんのへ翻訳:介護保険の第1号被保険者(65歳以上)で、第1〜3段階に当てはまる方(下記参照)の保険料を値下げします。

*条文

第6条 平成30年度から平成32年度令和2年度までの各年度における保険料の額は、次の各号に掲げる第1号被保険者の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額とする。

(略)

2 前項第1号に掲げる第1号被保険者についての保険料の減額賦課に係る平成31年度及び平成32年度令和2年度の各年度における保険料の額は、同号の規定にかかわらず、2万4,300円→1万9,440円とする。

3 前項の規定は、第1項第2号に掲げる第1号被保険者についての保険料の減額賦課に係る平成31年度及び平成32年度令和2年度の各年度における保険料率について準用する。この場合において、前項中「2万4,300円→1万9,440円」とあるのは、「3万4,020円→2万5,920円」と読み替えるものとする。

4 第2項の規定は、第1項第3号に掲げる第1号被保険者についての保険料の減額賦課に係る平成31年度及び平成32年度の各年度令和2年度における保険料率について準用する。この場合において、第2項中「2万4,300円→1万9,440円」とあるのは、「4万3,740円→4万2,120円」と読み替えるものとする。

*改定後の保険料表

賛成した理由:この専決処分は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けたものではなく、法改正に伴い二段階に分けて保険料の引き下げを行う事が既に予定されていたものです。(去年12月頃の委員会にて審議されていました。)

④日程第 4 報告第 4 号 専決処分した事件の報告及び承認について 

→令和2年度江東区一般会計補正予算(第2号)

さんのへ翻訳:上の表のうち赤い枠の中(特別定額給付金事業、子育て世帯臨時特別給付金事業、感染症対策事業)の合計541億400万円分を補正予算に入れます。(補正後の予算額は2,674億7,200万円、補正前に比べ25.4%の増。)

賛成した理由:経済的な支援に関しては予々問題ないと感じているのですが、感染症対策事業のうち特にPCRセンターの整備については運用方法が十分に開示されていません。例えば、受診者の優先順位を誰がどのように決めているか、恣意的な運用はなされていないか。医師会に所属していない医師がかかりつけ医だった場合、その患者の扱いはどうなるのか等、引き続き実態を調査する必要があります。

⑤日程第 5 報告第 5 号 専決処分した事件の報告及び承認について 

→令和2年度江東区国民健康保険会計補正予算(第1号)

さんのへ翻訳:②で条例改正となった国保加入者に対する傷病手当金として3,000万円を補正予算に入れます。(補正後の予算額は496億6,900万円、補正前に比べ0.1%の増。)

賛成した理由:②と同様。

⑥日程第 6 議案第 52 号 令和2年度江東区一般会計補正予算(第3号)

さんのへ翻訳:諸々の取り組みを予算に組み込んだので、補正予算の審査会を開催して審議して下さい。

賛成した理由:今回は補正予算の審査委員ではありませんでしたが、区に要望していたICT教育(授業のオンライン化)が予算に組み込まれた事や、諸般の理由で閉める事ができなかった障害福祉サービス事業所への支援、認可外保育施設・私立保育所等への支援が組み込まれた事に対して賛成しました。課題としては緊急雇用事業に応募者が少ない事(時給1050円で雇用期間が限定されている職に就くことを区民が望んでいるのか…)、飲食店への補助が“ことみせ”に登録している店舗のみである事、区内共通商品券の需要について等。まだまだ検証が必要と考え、今後審議の場で追及したいと思います。

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以上です!

総括:江東区において予算の専決処分を行う事は約40年振りのこと。私も「専決処分の調査(審査)はどうすれば…」から始まり、納得のいく論拠に辿り着く迄に時間を要してしまいました。全ての専決処分は可決されましたが、これでめでたしとするのではなく継続的に効果を検証して行きたいと思います。

長くなってしまいましたが、ここまでお読み下さり有難うございました。

さんのへ あや

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