2020年10月27日(火)、山崎区長に江東区の来年度予算に関する要望書を提出して参りました。

江東区議に当選してからもう1年半になりますが、山崎区長と1対1で対面するのはこれが初めてです。

特に今年は冷感タオルが審議された補正予算4号以降、厳しく山崎区長を追及していたという事も有り、お会いできる事になったと判明した日から緊張していました。

この緊張感、お世話になっている剣道の師範(範士八段)との稽古前の心境に似ているなぁとか、卒寿(90歳)を迎えた祖父の事を思い出して心を落ち着かせていました。

区長室に到着し、部屋の奥から出てこられた山崎区長。少し目が充血されていてお疲れの様子でしたが、老眼鏡をかけその場で私の要望書に全て目を通していただきました。

山崎区長は要望書を読み終え「分かりました。参考にします。」と一言。

これから審査が始まる補正予算6号の審査委員を務める事になっていましたので「今回もしっかりと審査させていただきます」という旨をお伝えしたところ「内容はまだ明かせないけれど、継続的にコロナ対策を行う上で必要な補正予算となる」というお答えをいただきました。

冷感タオルや高齢者の熱中症対策については一切のご発言は有りませんでしたが、山崎区長の厳しい表情に、私の真剣が少しでも伝わったのかなと思いました。

令和3年度江東区予算に関する要望書とは

予算要望書は議員が所属する各会派単位や各議員から任意で提出されるものです。

私は昨年の予算要望書は提出しておらず、今回初めて提出しました。

昨年は議員となりまだ半年の新米議員で目の前の仕事にいっぱいいっぱいであったためです。

しかしそれから予算審議を重ねる内に「区民のため」という純粋な観点ではなく、様々な利害や既得権益で予算が決められているのでは、という問題箇所に気付ける様になりました。

さらに多くの区民の皆様から話をうかがう様になるにつれ、行政の対応と区民の皆様の間に様々な問題、認識のギャップがある事もわかりました。

こうしたリアルな情報を、そしてあるべき理念に基づいて政策を提言するために私は議員になったのです。

そのため私が予算要望書に書かせていただいた問題は、すべからく区民の皆様の思い、お声そのものです。その中でも特に緊急性の高いものを要望させていただきました。

江東区の予算は要望書を出して終わりではありません。これから予算審議を通じてさらに区民の想いを反映していきます。江東区民の皆様、些細な事で結構ですので「なにかおかしいな?」「わからない」と感じられた事は是非、遠慮なく私にお問い合わせください。そういう区民の皆様の疑問の中にこそ、本当の課題が埋まっているんだと思っています。

令和3年度予算に関する要望書の全文

令和3(2021)年度予算編成にあたり下記の事項を要望致します。貴職におかれましては、真摯なご検討をよろしくお願い致します。

【江東・自由を守る会の予算要望における考え方】

 本年4月7日、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う初の緊急事態宣言によって日本経済は大きく減速し先行きが見えない中、本区においても緊急の対応に追われ一般会計予算が増加、更には東京五輪の延期又は中止などによる個人消費の落ち込みによる税減等、

区財政は大きな打撃を受けています。

 江東・自由を守る会は、これまで同様変動する社会・経済状況に対応するため、ひとつひとつの事務事業を評価・検証することを怠らず、費用対効果を追及し、限られた財源・資産を効率的に活用し、健全財政に努めます。二元代表制としての地方議会人の矜持を持ち、人々の暮らしに一番身近な存在として区民の安全・安心を守るため、強い危機感を持ち以下大綱4点を提言させて頂きます。

 大綱① 福祉政策:過不足のない充実した福祉の実現へ

●江東区役所内における障がい者法定雇用率達成の為、会計任用職員制度活をしつつそれぞれの障害特性にあった仕事の創出を行うこと

●優先調達法に則り就労支援移行施設と区内事業者との共存を目指し、障がい者と雇用先の橋渡しを行うこと

●放課後等デイサービスの充足を質・量ともはかり、待機状況の把握・管理・利用調整を区が主体となって行うこと

●住宅課が実施している空き家対策と連携し、住居支援としてグループホームの誘致、新設促進に取り組むこと

●地域福祉計画に住居支援整備事業を盛り込むこと

●江東区が主催する福祉のしごと相談・面接会を平日日中のみならず休日夜間にも実施すること

●障がい者施設自主生産品開発支援事業の継続を行い、助成の対象として自主生産品の販売促進・広報費も支出に認めること

●相談支援専門員の充実化を測る為に、計画相談の給付費の見直しを適宜行うこと

●大田区の取り組みに習い、高齢者の為のフレイル予防の事業化を行うこと

●高齢者を熱中症から守る為に、高齢者世帯(特に独居世帯)の冷房の使用状況に関する調査を行うこと。その上で冷房費、冷房設置費の助成を試算・検討すること

●高齢者福祉事業と産業振興は分けて検討すること

●ケアラー、ヤングケアラーの相談窓口設置や各学校と連携して支援体制を強化すること

●区内に点在する未利用・低利用の都有地を活用し、「地域共生社会」の実現に向けた包括的支援体制の整備のため の「重層的支援体制整備事業」を計ること

●「長寿サポートステーション」と障がい者家族を含む「地域におけるケア支援」との連携を計ること

 大綱② 子育て政策:子育てに不安を感じさせない街へ

●子ども家庭支援センターにおいて児童専門の相談支援専門員育成を積極的に行うこと

●区立児童相談所設立・移管に当たっては、当事者(虐待サバイバー)の声を取り入れること

●保育園の隠れ待機児童解消へ向け、既存の認可保育園における稼働率を確認し実質的な収容人員増を測ること(※今年4月1日時点での江東区内の保育園入所率が認可90.9%、認証71.1%)

●保育園の入所判定に関するクレームをデータ化しアルゴリズム判定を行うことにより職員のストレス軽減に繋げること

●病児保育利用対象児童を区内保育所に通う児童のみならず保護者の就労が確認されれている幼稚園児にも拡大すること

●空き教室を活用し、外国籍の子どもに対する日本語教室等の学習支援を行うこと

●学校ICT化に伴う連絡帳制度の廃止を行うこと

●3歳児検診について、発達に不安のある子と、そうでない子の検査日を分けることにより「周囲に迷惑をかけてしまう」という保護者の心理的負担を軽減する事ができる。また発達に不安がある子どもに対しての検診は、早期診断や療育に繋げる為に看護師や心理士以外で発達外来の医師を常駐させること

●小中学校の校則を全面公開して、児童・生徒の意見を反映すること

●教科担任制の早期導入を計ること

●年々増加する教育現場におけるいじめに関して、児童・生徒の命、心身の健康を損なわぬ様、子どもの権利条約、いじめ防止対策推進法、学校保健安全法の遵守を徹底すること

 大綱③ 防犯・防災対策:子ども・障がい者・高齢者も対象にした防犯・防災対策

●ハザードマップや洪水高潮ブックレットの点字版を作成を作成すること、またその配布は職員若しくは災害協力隊が行うことにより個別計画作成に繋げること

●特に臨海部で不足している災害協力隊員育成の為、町会や自治会毎だけではなく、任意団体(幼小中PTAやボランティアグループ)などの参入を認めること

●個別計画作成率100%を達成する為に、同意方式以外の手段を用いること(ex.要援護者制度について周知した上での手挙げ方式など)

●外国人向けに防災時のアナウンスや情報発信は多言語化を行うこと、その為にあらゆる翻訳ツールを事前に検証すること

●自治体職員、消防団員、民生委員、福祉施設職員等、支援側における人・組織としての危機管理能力向上を計ること

●町会からの要望がなければ設置できない私道防犯灯を、学校・行政が主体となって設置が進められる様、各町会に対する電気代・維持管理費等の補助を行うこと

●子ども110番の家の実施状況を、年に一度の郵送による把握以外の手法で積極的に行うこと

●防災無線の費用対効果について見直すこと

●感染防止対策における避難所(公立学校体育館)の収容力低下を受け、防災センターを含む公立施設の活用を検討すること

●多様化する特殊詐欺等犯罪から区民を守る為、青色パトロールカー等による呼びかけを日中や午前中にも行うこと

 大綱④ 環境対策:未来を見据えた環境整備

●喫煙者が多く見られる公園での完全分煙型喫煙所の設置を進めること

●ゴミ分別・回収に関するパンフレットの多言語化を行い、地域やマンションにおけるゴミ分別やリサイクルの推進を区が主体となって行うこと

●主に小学校四年生を対象に行われている環境学習を、学校清掃が始まる小学校一年生から行える様に清掃事務所職員による出張講義やスケルトンのごみ収集車両の活用を行うこと

●環境学習に関する予算を拡大せずとも、ごみ問題と長年向き合ってきた江東区の歴史的経緯やノウハウも知識も十分に持っている環境清掃部と連携を図りながら充実化をはかること

●区役所や出張所以外でも気楽に投票ができるよう便利な場所に期日前投票所の設置を行うこと

●主権者教育を各学校や児童施設で積極的に行い、若者の政治参加を促進すること

さんのへあや

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