私、さんのへあやがたった一人反対した江東区の2020年度補正予算4号。
私が特に問題視したのが冷感タオル配布事業です。
この事について指摘したブログ記事「冷感タオル配布事業に3500万!?補正予算4号」に対し、大変多くの方から反響を頂いております。
こちらの冷感タオル配布は8月上旬に既に実施されてしまいましたが、
本事業に関する調査を続けた結果さらに「あり得ない・・・!」と感じる驚愕の実態が。
これまでに判明した事実をレポートいたします。
①補正予算可決前に入札から落札まで全て“終わっていた”
まず私は補正予算可決後に入札情報を入手すべく情報開示請求をしました。
そこで判明したのは、入札の起案(業者との契約日)が6月29日だったという事です。
補正予算の審議と可決が行われたのが6月30日。この時点で既に業者が確定していたのです。
まず事業を担当した長寿応援課に問い合わせた時のやり取りです。
さんのへ「なぜ予算成立前に開札・契約を行ったのか?」
長寿応援課「暑くなる季節の前に事業を実施する必要があり、急ぎだった。
予算が決まるまで他の事業から予算を流用していた。補正で予算が取れたので押し出す形で予算を戻した。」
さんのへ「議会で否決された場合の予算はどうするつもりだったのか?」
長寿応援課「否決される想定はされていなかった」
さんのへ「議会軽視では?」
長寿応援課「そのつもりはない。実際に専決処分ではなく補正予算の審議を行って頂いた」
実際に議会の決定が出る前に入札を行ったのは事実であり、専決処分は後付けの言い訳に過ぎません。
これを議会軽視と言わずに何と言いましょうか。
そして入札を担当した経理課とのやり取りです。
さんのへ「補正予算が決まる前の入札においては、”予算成立が条件”であることを明記する必要があるが、なぜ事業者にその条件を通知しなかったのか。」
経理課「本件は至急の対応や買付以外の封入作業なども求めており、条件を厳しくすると1社も見つからない恐れがあった」
さんのへ「入札対象候補者を選定する上で恣意的な意図があったのでは?」
経理課「それはない。入札は過去の業者の実績等を反映し自動入札により公平に行っている」
経理課は公平に入札を執行したと主張しますが、その主張を鵜呑みに出来ない不都合な事実が有ります。
それは入札を実施した10社中、7社が辞退、2社が入札不参、そして1社のみが落札という結果です。
これでは事実上の随意契約です。
そもそも落札した業者以外の9社は当該委託業務を発注するのに適した指名業社であったのか疑念が残ります。
実質的に対応できない業者を指名しておいて、辞退させるという「形式だけの入札」が行われたと考えるのが自然ではないでしょうか。
②入札された事業者と区長(自民党)の関係
こうして楽々と1社落札になったのがK事業者です。このK事業者について調査してみると、東京青年会議所に大変ご尽力頂いている業者であることが判明しました。
さらにはFacebookでは青年会議所のつながりで自民党区議が多数フォローしていることも分かりました。
この辺は大方予想ができたので特に驚きはありません。
そしてこれらの事実は「今回の事業を誰が提案し執行させたのか?」という謎について、自民党会派=山崎区長であるという答えを強く連想させるものです。
③冷感タオル配布事業は税金による「区長からのお中元」だった!?
実際に配布された冷感タオルと共に、このような手紙が同封されています。
私はこれを見て「お中元・・・?」と思いました。
まず、区長のポケットマネーでもないのにこういった文章を区長がわざわざ書く必要があるのでしょうか。
現役首長が行政と選挙活動を混同していると言われても仕方のない行為です。
小池都知事が再戦を狙った都知事選の前にコロナウイルス軽症者受け入れ宿泊施設に直筆メッセージを置いていましたが、同レベルの行為と言わざるを得ません。
山崎区長は来年、息子の都議選も控えています。そんな政治的な繋がりを邪推してしまいます。
改めて文字にしなければいけないのも恥ずかしい事ですが、冷感タオルも手紙も区民の総意により区民の税金から支出したものです。区長の采配でプレゼントしたのではないのです。
これらの他に同封されていたのは冷感タオルの説明書です。
私が審議であれだけ「ちゃんと涼める施設の概要を伝えて欲しい」と言ったのに、全く反映されてないですね。
区長からの手紙を入れる位だったら、そういった区民の命を守る為の情報を載せて欲しかったです。
実際に冷感タオルを受け取った方曰く、
「服が濡れて嫌だし、こんな暑いときに外を出歩きたくない」
「子や孫にあげちゃった」
という話を伺いました。
そして8月に入り平日は殆ど毎日区役所に通う私でさえ、冷感タオルを身につけて外を出歩いているご高齢の方は1人も見つけられていません。
こちらが配布された冷感タオルの実物です。
「予算成立前の契約行為が日常茶飯事に行われているのではないか」
「皆様の大切な税金の使用先に「癒着」や「政治的な意図」が隠れているのではないか」
そういうところまで厳しくチェックし、無駄だと思う事業に賛否を表明できてこそ議員としての真価が問われます。
この冷感タオル配布事業は力及びませんでしたが、これからも特に単発的な物品配布事業に関して税金のムダ遣いは徹底的に調査・指摘して参ります。
さんのへあや