2020年(令和2年)02月28日 予算審査特別委員会

2020.02.28 予算審査特別委員会
録画中継

◯さんのへあや委員  
よろしくお願いします。地域防災対策について伺います。
生活安全対策事業の中に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催中の治安対策として、会場周辺等で1台の安心・安全パトロールカー、通称青パトによるパトロールを実施するとあります。毎年、委託上、事業者に支払いをする支払いに追加する形で1台分、約1,000万円が本事業に予算計上されています。
青パト1台を夜間、会場周辺で走らせることによる効果とは、どのようなものを見込んでおりますでしょうか。また、地域でのトラブルとして何を想定しているのかお考えをお聞かせください。

◯危機管理課長  
大会期間中の青色パトカー、青パトの増車です。増車分の1台は21時から翌朝5時まで、主に湾岸地区の競技場周辺を巡回する予定です。競技によりましては終了時間が、例えば20時、あるいは有明体操競技場ですと22時、有明アリーナは23時30分と遅い競技等がございますので、それを観戦し終わったお客さんはいろいろな方がいらっしゃると思いますが、ラストマイル、駅まで向かう、交通機関まで向かう間に大きな声を出して騒いだりとか滞留したり、興奮している状況のところを声かけしたり、誘導したりするお手伝いができるかと考えておるところです。

◯さんのへあや委員  
夜間のラストマイルのところで、騒いだりする方に対する抑止力としての効果を期待されているとの御答弁ですが、例えば、2012年に開催された同じ近代都市であるロンドンオリンピックを事例として、レポートなどから調査をした結果、地域における住民と観光客とのトラブルはほとんどなかったという報告があります。
特に、江東区において住民と観光客との間で起こり得るトラブルとしては、私はタワーマンションを中心に民泊トラブルが多発すると予測します。ロンドンオリンピックと比較すると、東京は宿泊容量の点で劣っています。ロンドンは約26万室の宿泊量があるのに対し、東京は約17万1,000室と、東京はホテル数が足りず、民泊、エアビなどがフル稼働になると私は予想します。
民泊は御周知のとおり、既存住民と利用者との間でトラブルが発生しやすいです。特に、会場が点在する臨海部はタワーマンションが多く点在し、民泊の受け皿になる可能性が高いと考えます。その場合、騒音トラブルなどは深夜である可能性が高く、警察も人員不足になりやすく、また、言語の問題もあるかと思います。
そのような状況で、青パト1台は夜間、会場周辺を走らせるため、民泊のあるマンション区域にほとんど来ないことになります。江東区としての防犯対策ならば、より区民の安心・安全につながるマンション区域を走らせるべきとも思いますが、いかがでしょうか。
また、青色パトロールカーを夜間に1台追加しておしまいではなく、警察との連携に加えて、多言語による対応も可能としていただきたいと思いますが、見解を伺います。

◯危機管理課長  
夜間の会場周辺の青パトについてです。
今、御指摘がありましたとおり、湾岸地域はタワーマンションがあります。それに伴って公開空地、あるいは広い公園がありますので、そこで先ほどの興奮したお客さんではないですけれども、たむろしたり、宿泊という状況も考えられますので、もちろん私どものほうは、先ほどのラストマイル、要は道路だけという言い方をしていますが、一応路線を走る中で目を光らせております。
また、私どもの1台の青パトだけではなく大会組織委員会や東京都、あるいはCOC、都市オペレーションセンターの職員、もしくは委託業者のガードマンさんもいらっしゃいますので、彼らと連携しながらトラブルを未然に防いで、気持ちよくお客様には帰っていただく形をとっていきたいと思います。
また、外国人の対応につきましては、各隊員、外国語が堪能というわけではございませんので、例えば、携帯電話の翻訳アプリだとか、今、宣伝しておりますけれども、AIの通訳機のポケットトークを配備するなど、それは委託業者と協議をして、協力を得られればなんですけれども、そういうことを考えまして、外国人観光客さんの対応とかもできるように体制を整えていきたいと考えております。

◯さんのへあや委員  
ありがとうございます。警察や民間の警備会社なども多分総動員で警備に当たると思います。また、外国語対応もポケットトークなどを利用して検討していただけるとのことで、かしこまりました。
外国人に対する抑止効果を期待されるのであれば、せめて青パトの表記を、今は日本語で安全パトロールと書いてあるんですけれども、ここをせめて英語にするとか、そういう対応をとっていただければと思います。想定され得るあらゆるトラブルから地域住民並びに江東区を守るために、ただ高いお金をかけるのではなくて、外国人観光客にとっても安全性を担保できるような警備配置を心がけていただきたく要望して、次の質問に移ります。
防犯カメラ並びに自動翻訳録音機についての質疑は、割愛させていただきます。
次、こうとうPRコーナー運営事業についてです。
広報費のうち、こうとうPRコーナー運営事業についてですが、こうとうiキューブという江東区を紹介するブースが、ららぽーと豊洲の一角にたたずんでいるのを皆さんは御存じでしょうか。私は、豊洲に実家があるため、家族でよくこの場所を訪れるのですが、数年前は入り口近くにあったと記憶しているのですが、いつの間にかサウスポートの奥に移設されています。残念ながら、人が足をとめて見ているところを、まず見たことがありません。
iキューブは、土地代は無償ですが運営委託費に年間約230万円をかけています。せっかく東京2020大会で多くの観光客が見込め、江東区をPRする絶好のチャンスなのに、なぜこのような場所に設置されているのか、今後もここに残し続ける計画なのか、また、年間230万円という運営費の費用対効果などをどのくらい見込んでいるのかお伺いします。

◯広報広聴課長  
今、お話のありましたこうとうiキューブでございますが、こちらは豊洲にあります、ららぽーと豊洲内に平成20年度から設置しているものでございます。この取り組みにつきましては、ららぽーとを運営しております、ららぽーとマネジメント株式会社と覚書を交わしまして、先ほどお話のありました土地の無償提供を受けたところでございます。
こちらについては、皆さんも御存じのとおり、豊洲地区は、臨海部というところでたくさん大規模マンションの開発ですとか大型商業施設などが建設されていることから、区内外からたくさんの方がいらっしゃるということで、当時、平成20年度におきましては、23区で初めてこういった大規模商業施設のPRコーナーを設置したと聞いております。
先ほどお話がありました設置場所につきましては、当初、北側と言いますか、そういったところにございましたが、その後、ららぽーと内の改修といいますか、店舗の移設などに踏まえまして、今は南側の豊洲公園側から入る正面のところにある状況でございます。
こちらの今後の対応でございますけれども、豊洲という地区が、大分開発が進んできたことと、あとは平成20年からということですので、期間がもう10年ぐらいたったということですので、区のほうでもほかにこういったPRコーナーが設置できないかは検討しているところでございます。
例えば、申し上げますと、豊洲市場の移転に伴いまして、建設予定でございましたにぎわい施設、千客万来等々も検討していたところでございますが、豊洲市場の移転の延期などに伴いまして、それらについてもまた再検討が必要という状況になっているところでございます。
また、費用のところでございますけれども、230万円余というお話でございましたが、その中身としましては運営委託ということで、その場所の中にあります機器の確認でありますとか、あとそちらに配架しておりますパンフレット、区報ですとかの配置、または、これらの補修費用、そのほか、ここに映像として表示しております映像の制作費などを含めまして、そのような金額になっていると考えております。
以上です。

◯さんのへあや委員  
そもそも設置を検討している施設が東京都のものであるがゆえに、なかなか江東区として希望する場所にiキューブを設置できないのではないのかと推測します。
ただで土地を借りている手前、余り施設側に強く言い出せないかもしれませんが、悲しいことにこうとうiキューブは、ららぽーとのフロアガイドにすら掲載されておらず、このままでは率直にもったいない、税金の無駄だと思います。
そこで伺います。誰に対する江東区のPRなのかを考えると、より観光客の目につきやすい場所、例えば豊洲文化センター1階ですとか、東京2020大会会場周辺施設などへの移設を検討すべきかと思います。また、iキューブを東京オリンピック期間に、外国人観光客への江東区のアピールにつなげるために、今後、多言語対応をいかに行っていくのか、御予定をお伺いします。

◯広報広聴課長  
場所の選定でございますが、今、お話がありましたとおり、無償で土地の提供を受けているところでございますので、ここに置かせてくださいというのはなかなか難しいところがございます。ただ、ことしの4月にオープンをしております、ベイサイドクロスですか、隣の建物ができたことによって人の流れも変わってくるのではないかなと考えております。
また、多言語化等々というお話もございましたが、まさしく来年度のオリパラ開催に向けまして、あそこに掲示しております写真等々は職員等で変えられる状況でございますので、例えば、配架するものについては大きさでありますとか種類は限定されますけれども、写真等々を載せるですとか、あとはその中にQRコードなども載せて、区の観光協会でありますとか区のイベントですといったところに、QRコードを通じて検索できるような形なども今検討しているところでございますので、それらをオリパラに向けて工夫して取り組んでいきたいと考えているところでございます。
以上です。

◯さんのへあや委員  
ありがとうございます。区民の血税を無駄にすることなく、常に効果的な宣伝効果に努めていただくことを強く要望し、次の質問に移ります。
防災対策について伺います。
昨年の台風19号では広域避難発令が見送られ、江東区は本来、検討を開始する段階で公表されるべきものであった情報を、安全面を考慮したりですとか、混乱を恐れて非公表とした印象が強く残っています。
情報が少なくて困っている地域住民のため、私は特に足りないと感じた外国語による情報発信に努めました。議員間によるLINEグループのやりとりの中でも、私の英語翻訳を使ってくださった議員の方がおられるようです。
江東区のホームページは、自動翻訳による多言語翻訳のみで誤訳が多く、また、文字が小さ過ぎて読めないと感じました。実際に当方のSNSに、家が1階までしかない、どこに逃げればいいかなどといった英語のメッセージが寄せられ、対応に当たりました。
まず、1点目の質問ですが、今回の防災対策費、特に危機管理啓発事業に関する予算では、発信情報の多言語化がいかに担保されるのかを伺います。

◯危機管理課長  
災害時の情報発信については、昨年の台風19号への対応の課題を踏まえ、区のホームページ、安全安心メール、防災アプリ、ツイッターなど、媒体ごとに台風上陸予報から避難勧告の解除までの10段階に分け、それぞれについて、どの媒体でどの情報を発信するか整理を行いました。
あわせて、提携先であるレインボータウンFMについても、情報発信の整理を協議し、確認を行っております。多言語化につきましては、こうとう安全安心メールの多言化、日本語に加え、英語、ハングル、中国語、繁体字、簡体字の改修を予定しており、今後、自動連携を予定している防災アプリも連動する形で多言語対応が可能となる予定となっております。安全安心メールは気象情報と自動連携もしており、即時性を重視して、自動翻訳による発信をする予定となっております。事前に定型文については確認して、精度を高めていきたいと考えております。

◯さんのへあや委員  
ありがとうございます。アプリやラジオ発信、また安心安全メールによって多言語化を担保されるとのことで、承知いたしました。
そもそもパニックを招く恐れがあるという考えのもと、江東区は情報を余り積極的に出さずに、情報統制を行っていました。今回は、奇跡的に荒川が氾濫せずに助かりましたが、もし氾濫していたら、果たしてパニックを避けるための情報統制が正しかったと言えるのか、私は疑問です。
インターネットをふだん活用されない御家庭、また、有事の際にインターネットが使えないことを考慮して、ラジオ配布による情報発信体制の強化を並行して行うという江東区の姿勢はすばらしいと思います。ですが、近年の災害時は情報を待っているのではなくて、インターネット上からみずから情報を集めに行く傾向が顕著です。
この情報社会において、パニックを避けるための情報発信のためにこその情報統制ではなく、情報発信の一元化を行うべきと考えます。一元化とは、江東区民が、例えば「台風19号、江東区」で検索すれば、真っ先に江東区の公式情報が表示されたり、SNSで真っ先に江東区の災害情報がシェアされるという状態です。今でも「台風19号、江東区」で検索しても一番上に江東区の公式情報は出てきません。
しかし、江東区の公式サイトはPDFでの発信が多く、SEO対応としてレスポンシブ対応が不十分です。これでは、スマホで閲覧したときに検索で見つからず、見つかったとしても大変読みにくいです。また、SNSシェアボタンも小さなツイッターとLINEのボタンがあるだけで、フェイスブックはありません。OGP、オープングラフプロトコルもタイトルが表示されるだけで、記事抜粋は表示されません。
このように江東区の公式サイトは、パソコンのウエブブラウザで見ることをメーンに想定した古いつくりであって、現在のインターネットの情報拡散の中心であるスマホとSNSへの対応が非常に不十分と考えます。
このような状況では、江東区の公式の災害情報が区民の間で流通せず、デマ情報などがばっこする原因となります。この点について、江東区はどのような対策を講じるのか伺います。

◯危機管理課長  
まずは、区ホームページにつきまして、PDFが多いということでございました。PDFにつきましては、文字のまとまった文章やリーフレットの掲載等に活用しており、表示がまとまっており、印刷しやすいなどの利点がございますが、おっしゃるとおり検索にかかりづらい欠点もあるようです。
そこでファイル名を工夫する、あるいは普通のウエブページを起こすなどで、改善の対応を検討してまいりたいと思います。

◯広報広聴課長  
今のお話は災害時というところでございます。区のホームページも当然、災害時の際には活用いたしますが、区の公式SNSも災害時の情報の伝播性でありますとか、拡張性というのは有効性があるのかと思っております。
ホームページ等々の欠点といいますか、今、足りない部分がもしあるような場合には、今後、修正等は検討してまいりますし、また、これまでお話を防災課等でしておりますとおり、さまざまな情報を重層化して、SNSでありますとかラジオ、ケーブルテレビ、その他FMなどを通じて、インターネットだけではなく、さまざまな情報ツールからそういった災害情報を取得できるように、区としては取り組んでまいりたいと考えております。
以上です。

◯さんのへあや委員  
ありがとうございます。ファイル名を工夫したりですとか、インターネット以外からの情報発信を重層化されていくとの御返答をいただきました。
これは先日の全員協議会でも提案させていただいたところなんですけれども、危機管理啓発だけにかかることではないのですが、公式サイトのPDFコンテンツのHTML化によるSEO対策とレスポンシブ対応が必要と考えます。PDFでは、検索サイトで認識されるレベルがHTMLより圧倒的に下がってしまいます。また、スマホの小さな画面では非常に見づらいです。
膨大な予算をかける前に、こういったお金のかからないささいな工夫から始めていただき、ラジオなどを通じての情報発信とともに、インターネット上からの発信にも御尽力いただきたいと思います。
土のうについての質疑は割愛します。
質問を終わります。

質問数:7

出典:江東区議会会議録