2025年(令和7年)3月19日 厚生委員会

◯さんのへ委員
 地域政党自由を守る会として、厚生委員会における令和七年度予算調査の意見開陳をいたします。
 令和七年度一般会計予算は、前年度比は八・三%増の九兆千五百八十億円、新規事業は七百十二件、約三千三百五十九億円も含め、四年連続過去最大予算となりました。
 地域政党自由を守る会として、あらゆる予算案に対し、事業の発案から予算化に至るまで、納税者である都民の声が反映されたかどうか、その意思決定プロセスや費用対効果、政策における公平性、効率性などの観点から質疑を行ってまいりました。
 特に令和七年度予算においては、さらなる少子化対策として過去最大の約二兆円が計上されていますが、新たに示された都の長期計画では、目標値となる具体的な合計特殊出生率が示されておらず、事業の有効性や効果についてどのように精査するか不明瞭であることを指摘しております。
 また、令和六年度は、児童福祉法の改正による児童虐待防止や特定妊婦への支援事業の強化のほか、障害者総合支援法の改正による障害福祉サービス等報酬改定など、女性や社会的弱者を救うための法改正が実施されました。法改正に伴う着実な福祉事業の実施展開もさることながら、縦割りの行政や支援から漏れ落ちる子供を含む都民が出ることがないよう、柔軟な対応を引き続き求めています。
 期待された効果が得られないどころか、耳心地がいいだけの事業は都議選前のばらまきにほかならず、都民の貴重な税金を使うことは断じて許されません。こうした事業に地域政党自由を守る会は強い疑義を呈し、厚生委員会における令和七年度予算調査の意見開陳をいたします。
 以下、福祉局所管の事業についてです。

 一、国連子どもの権利条約と都こども基本条例の理念にのっとり、子供の最善の利益の実現に向け、子供の意見表明が保護者の意向や親権よりも尊重され、児相、一時保護所、養護施設等、あらゆる場所で実現できる具体的政策展開を可及的速やかに推進すること。

 一、意見表明等支援員については、子供に慕われる多彩な人材を登用し、人材育成事業を具体化すること。

 一、一時保護所、施設にいる子供たちの意見表明やSOSを権利ノート、意見箱以外のタブレット等、即時かつ容易に外部に連絡できる体制を構築すること。

 一、児童福祉法改正に当たり、相次ぐ虐待や不適切保育を受け、保育所の実地検査の緩和はせず、一〇〇%実施すること。

 一、都出産応援事業や物価高騰対策などは、委託費が発生する物品、カタログ、商品券ではなく、現金支給とすること。

 一、ヤングケアラーの党独自の実態調査を行うと同時に、ケアラー支援に係る条例を制定すること。

 一、社会的養護については、養育家庭をはじめとした里親制度の活用を中心に進めていくこと。

 一、児童虐待事案について、警察と全件リアルタイムで共有をすること。

 一、児相一時保護所においては、定員の量と質の拡充に努め、保護者への接遇の質をも高めること。

 一、児相に弁護士を常駐させ、必要とあれば機動的に法的対応ができる体制を整えること。

 一、一時保護所、施設における医療保護入院措置については、子供の意見表明を最優先とし、家族同意においては、DV、虐待加害者当事者を除外し、安易、拙速に行わないこと。

 一、都内不妊治療医療施設において、里親、特別養子縁組の情報提供と協力呼びかけを徹底し、養子縁組への支援をするとともに、実態を把握すること。

 一、卵子凍結事業においては、高齢出産に不安な女性心理に付け込む医療ビジネスの温床としないよう、適正運用に努めること。

 一、公平性の観点から、無痛分娩だけでなく、全ての分娩方法に対する助成を行うこと。

 一、児相での新生児委託については、出産直後の里親委託、特別養子縁組を推進し、里親委託率の向上に努めること。

 一、施設入所者等における高校、大学の進路指導、就労支援の機会を保障すること。

 一、養護施設退所者を悉皆で把握し、ふらっとフォーム等、都政事業の周知徹底をし、社会的養護経験者の自立支援を促進すること。

 一、妊産婦自殺防止を進めると同時に、特定妊婦等ハイリスク母子への切れ目のない支援をすること。

 一、特定妊婦が内密出産を望めば、それを実現するために、都内の民間病院を所管する福祉局、保健医療局は、受入れ体制の確保を促すこと。

 一、海外への養子縁組あっせんについては、あっせん法の理念に基づき行わないこと。

 一、ベビーライフにより海外へあっせんされてしまった二百九名の養子については、都ができ得る限りの対応を講じ、その安否を見守り続けること。

 一、人口減少社会を見据え、定員割れも想定しながら、地域保育需要に合った待機児童対策を講じること。

 一、ベビーシッター事業においても、第三者評価制度を導入し、ベビーシッター事業を含む認可外保育施設に対する巡回指導体制を強化すること。

 一、キッズライン等、事件のあったベビーシッター利用支援事業の認定取消しと、類似事案の再発防止を講ずること。

 一、性犯罪等重大犯罪を発生させた児童福祉に係る事業者においては、厳峻な措置を講ずること。

 一、補助金不正請求、虐待等不祥事を発生させた保育事業者においては、厳しく指導すると同時に、新規開設については慎重な対応をすること。

 一、都外障害児者施設の指導、管理を徹底させること。

 一、強度行動障害等、重度障害者の地域移行を推進し、障害者グループホームの施設整備を強化すること。

 一、福祉、介護現場の処遇改善はもちろんのこと、障害当事者の処遇改善のための最低工賃を設定し、工賃、報酬の見直しを図ること。

 一、障害者、高齢者、児童虐待防止法、都条例に基づき、全庁的な取組を進め、福祉施設での虐待発生状況の把握に努め、実効性のある防止策を策定し、適切に事業者管理監督、指導権限を活用することで、虐待を未然に防ぐこと。

 以下、保健医療局所管の事業についてです。

 一、介護予防、フレイル予防策は、具体的で実効性の高い現実的な事業とすること。

 一、法令に基づき、動物取扱事業者に対する指導監督を強化し、動物愛護を徹底すること。

 一、区市町村、民間団体、個人等と連携し、地域猫対策、センター対象外の飼育動物愛護を促進すること。

 一、医療安全推進協議会等の附属機関においては、フェアな人材を積極的に登用すること。

 一、三多摩地区も監察医務院の対象とし、新設を前向きに検討し、国へも働きかけること。

 一、医師における利益相反マネジメントについて、全都立病院で実効性を持って徹底すること。

 一、入院中の子供の教育環境、保育環境の整備、付添入院における保護者の身体的負担軽減に努めること。

 一、都立病院では、小児総合医療センターを中心に、児童虐待の見立てができる小児科医を育成し、医療的リスク評価やノウハウを児相、警察、監察医務院等関係各機関と共有、連携を図ること。

 一、発達障害者支援ハンドブックを改定する際は、薬物投与よりもアセスメントを重視する医師に変更すること。

 一、精神医療における向精神薬投与は、単剤処方など多剤投与による副作用リスクを減らし、子供への向精神薬投与については、投薬以外の方法を第一に選択すること。

 一、監察医務院において、異状死に見られる薬物乱用、依存などの実態に対する研究に類する研究を再度行うこと。

 一、真に自立のできる自立支援医療施策を展開し、自立支援医療費においては、不正利用を未然に防ぐためにその件数や病院別内訳を把握するよう努めること。

 一、診療報酬不正請求、薬の不正処方、譲渡、患者への虐待や傷害、名誉毀損、医師法違反、刑事罰に至った医師、病院の医療再開を厳しく監視すること。

 一、改正精神保健福祉法にのっとり、精神病院に対する指導監督についての厚生労働省通知を徹底するのはもちろんのこと、都は率先して実地指導、予告なき立入検査等をちゅうちょなく速やかに行い、都が法的に有する権限を行使し、必要な行政処分を速やかに実施する体制を構築すること。

 一、精神保健福祉法第二十一条二項、第三十六条一項、第三十七条一項を徹底遵守し、任意入院患者が希望すれば速やかな退院を実施し、病院においては、不必要な行動制限やスマートフォン利用の不必要な制限を撤廃すること。

 一、病院ごとの、精神科病院における虐待通報窓口利用状況を精査し、入院環境の把握に努めること。

 一、悪質な訪問看護事業者管理を徹底し、適正化を図ること。

 一、都立病院における外国人患者の医療費未払いを防止すること。

 一、若年被害女性等支援事業においては、引き続き都民に疑義を持たれぬ運営の管理指導、支援を実施すること。

 一、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律施行に当たり、当事業においては、まずは生来女性を最優先に救済を図り、保護する施設等においても、当面、生来女性のみとし、トランスジェンダー支援とは分けて実施すること。

 一、患者の声DX化に際し、相談内容の分類が偏らないよう、寄せられた相談の全件データを記録化すること。

 一、都内精神科病院での死亡退院については、年齢別、在院期間別、死因の内訳などの把握に努めること。

 一、SNSを活用した精神保健福祉相談は、開設時間を限定することなく、二十四時間体制とすること。

 以上、福祉、医療政策が、ばらまき政策、福祉、医療の美名の下にビジネスとして利用、悪用されず、都民の命、心身の安全を守る本来の目的が遵守され、全職員が士気高く生き生きと働き、全都民の福祉、保健、公衆衛生が増進される福祉局、保健医療局、都政となることを願い、地域政党自由を守る会の意見開陳といたします。

出典:東京都議会会議録