2025年(令和7年)3月18日 厚生委員会

◯さんのへ委員
 既にほかの議員から質疑が行われているんですけれども、私もまずは無痛分娩の費用助成について伺います。
 先日の保健医療局の予算審査でも、無痛分娩費用助成について質疑をさせていただきましたが、本事業は何件分の助成を想定した予算なのか、また、その件数の根拠となる考え方について改めて伺います。

◯瀬川子供・子育て施策推進担当部長
 令和七年度予算案に、九千五百件の無痛分娩費用助成に係る経費を計上しております。都が行いました無痛分娩に関する医療機関実態調査の結果によりますと、令和五年の都内の無痛分娩件数は一万九千三百四十二件となってございまして、これを参考に助成対象の規模を設定しております。

◯さんのへ委員
 今年十月から来年三月までの六か月間の実施の予定と考えると、一か月当たり千五百八十三件の助成を実施することとなります。一方で、今、答弁にもありましたこの無痛分娩に関する医療機関の実態調査結果を見ると、令和五年度の無痛分娩実施件数は一万九千三百四十二件、一か月当たりに置き換えると千六百十一件の実施となって、都が想定した助成対象規模とほぼ同数の申請数が見込まれるものと確認をさせていただきました。
 改めて、この無痛分娩費用助成の実施の目的について伺います。都として、少子化対策として期待しているのであれば、なおのことこの無痛分娩だけを助成するべきではないと考えますが、いかがでしょうか。

 ◯瀬川子供・子育て施策推進担当部長
 少子化の要因につきましては複合的でございまして、都は現在、ニーズや課題に応じて様々な対策を講じておるところでございます。今回のこの無痛分娩の費用助成制度につきましては、希望する方が安心して無痛分娩を選択できるように実施することとしております。

◯さんのへ委員
 本事業について、今年のお正月明けに報道で公表された際に、小池都知事は、本事業を提案するきっかけは、あんな痛い思いは二度としたくないという一人の職員の話を聞いたことだというふうに説明されています。こうしたエピソードベースが発端のこの事業であっても、目標の達成に有効かどうかというのは、精査、常に行っていただきたいと思います。
 また、繰り返しとなるんですけれども、都が実施した無痛分娩に関する都民向けアンケートの調査結果では、無痛分娩を希望している産婦は全体の六割で、依然として四割の産婦が自然分娩などの無痛分娩以外の出産方法、次の機会があれば行いたいというふうに希望されています。
 先ほど少子化の要因、複合的であるというふうにご答弁ありましたけれども、こうした側面から見ても、無痛分娩の実施はどちらかというと医療政策よりも福祉的な政策の側面が強いものというふうに捉えています。
 福祉政策の基本というのが、社会的不平等の是正というところにありますので、無痛分娩以外を希望する妊婦にとっては、本事業、なかなか不平等であるというところの指摘をしまして、全ての分娩方法に対する助成の実施ということを強く求めて、次の質問に移ります。
 次に、子供の権利擁護事業について伺います。
 子供の権利擁護事業について、令和七年度は、被措置児童等の権利に関する調査が、新規事業として予算が計上されています。この被措置児童等の権利に関するアンケート調査の対象は、事業者ではなくて、子供に対して行われるものという理解でよろしいでしょうか。また、調査対象施設に、児童養護施設及び児童相談所、一時保護所が入るかどうか、確認をします。

◯西尾子供・子育て支援部長
 都は来年度、新たに策定いたします社会的養育推進計画の評価指標である被措置児童等の権利擁護の取組状況を把握するため、一時保護所、児童養護施設、養育家庭等で生活する児童に対しまして、取組の認知度や利用度、満足度などに関するアンケート調査を実施することとしております。

◯さんのへ委員
 一時保護所、児童養護施設、養育家庭などで生活する児童に対するアンケートを実施するとのことでした。施設や里親宅で生活している小学校一年生以上の子供たちには、子供の権利ノートというもの配布されているかと思うんですけれども、こうしたアンケートを通じて、この子供の権利ノートを周知活用されているかどうか、こういったところも確認をお願いします。
 また、アンケートをできるだけ施設職員ですとかその里親を介さずに回収できる方法と、アンケートを通じて人権侵害等がもし判明しましたら、速やかに調査指導を行っていただくように求めます。
 次に、里親等委託率について伺います。
 国が示す里親委託率の目標値として、二〇二九年度までに乳幼児七五%以上、学童期以降は五〇%以上になるように、今年度末までに目標値の設定を都に求めています。東京都における里親委託率の推移を見ますと、少しずつ委託率が高くなっている傾向にありますが、これまでの都の取組について伺います。

 ◯西尾子供・子育て支援部長
 都は、里親制度の周知や理解促進のため、毎年十月と十一月の里親月間を中心に、都内各地で養育家庭体験発表会を開催しているほか、広報紙やホームページ等を活用いたしまして普及啓発を行っております。
 令和二年度からは、里親へのリクルートや委託後のフォローなどを包括的に民間事業者に委託いたしますフォスタリング機関事業を各児童相談所の所管区域で順次開始しております。

 ◯さんのへ委員
 都では、里親のリクルート、アセスメント、里親登録後の前後の研修、児童と里親家庭のマッチング支援、児童の里親委託中における里親養育への支援など、一連の業務をフォスタリング業務として民間事業者へ業務を委託するフォスタリング機関事業を令和二年度より実施しているとのご答弁をいただきました。
 東京都の社会的養育推進計画を見ますと、令和二年度から令和十一年度までの十年間で、里親委託率を三七・四%にまで上げるとしています。この十年計画、ほぼ折り返し地点である令和五年度の暫定値でありますけれども、都の里親委託率は一七・五%となっています。
この一七・五%という委託率を、残り五年間で、計画で設定された委託率の目標三七・四%に達成するために、都として今後どのように取り組まれていくのか伺います。

◯西尾子供・子育て支援部長
 来年度は、フォスタリング機関事業を都が管轄する全ての区域に拡大して実施することとしております。
また、里親登録の更新期間を二年から五年に変更し、更新手続の負担を軽減するとともに、フォスタリング機関が里親の個々の状況に応じた研修受講を勧奨するなど、きめ細かにスキルアップを支援いたします。
 さらに、特別養子縁組を円滑に進めるため、乳児院に新たに専任の職員を配置するほか、特別養子縁組を前提として新生児を受け入れる施設を二施設から三施設に拡充することとしております。

◯さんのへ委員
 特別養子縁組を前提とした新生児受入れ施設を拡充するということで、期待をしております。
 次に、訪問介護現場におけるカスタマーハラスメント対策強化事業について伺います。
 訪問介護事業に従事するヘルパーの八割近くが女性で、身体介護や生活援助などを在宅で行うことから、かねてよりヘルパーに対するハラスメント対策が求められてきました。
 今回の新規事業では、そうした対策の強化として、対策説明の実施や相談窓口の設置を行うとのことですが、事業者のみならず、利用者とその家族に対しての周知の取組も求められます。
 都として、利用者とご家族へのカスタマーハラスメントに関する周知、どのように行うのか、都の見解を伺います。

◯花本高齢者施策推進部長
 都はこれまで、介護サービスの利用者や家族などからのハラスメント対策について、職員向け、管理者向けの相談窓口を設置するとともに、リーフレットや説明会の開催による普及啓発を行ってまいりました。
 来年度からは、専門知識のある相談員がワンストップで対応できるよう、これまでの相談窓口を一本化した総合相談窓口を開設いたします。加えて、東京都カスタマー・ハラスメント防止条例の制定も踏まえ、利用者や家族等に向けたリーフレットを新たに作成するなど、さらなる普及啓発を図っていくこととしております。

◯さんのへ委員
 今回、職員向け、管理者向けの総合相談窓口を設置するとのことですが、家族の介護者、いわゆる家族ケアラーも、被介護者からの暴言ですとか、暴力を受けたときにおいて、同じこの総合相談窓口に相談することはできるでしょうか。この総合相談窓口があくまでも事業者に対する窓口であれば、家族ケアラーはどこに相談をすればいいのか、教えてください。

◯花本高齢者施策推進部長
 来年度から設置する総合相談窓口は、介護事業所の職員や管理者からカスタマーハラスメントに関する相談を受け付けるものでございます。
 家族からの介護に関する悩み等につきましては、お住まいの地域の地域包括支援センターや、担当の介護支援専門員などが対応しており、そうした窓口をご案内することとしております。

 ◯さんのへ委員
 ありがとうございます。引き続き、事業者と家族介護者に寄り添った対応として、都として対応をお願いいたします。
次に、虐待通報窓口についてです。
 昨年三月より精神科病院における虐待通報窓口が設置され、精神科での病院職員による虐待に関する相談内容はこちらの虐待通報窓口で受けるようになってから間もなく一年となります。
 設置されてからどんな成果が上がったでしょうか。通報件数、虐待認定件数、検査につながった件数などを伺います。

◯新田障害者医療調整担当部長
 都の虐待通報窓口に寄せられた通報件数は、令和六年四月から令和七年二月までで延べ百八十件です。立入検査を行った事案は四十件であり、虐待の事実を認定した事案は十八件となっています。

◯さんのへ委員
 精神科病院における虐待の未然防止は、自由を守る会としてもかねてより都に要望させていただいているところですが、この虐待通報窓口についても、これは院内の公衆電話からかかってきたものなのか、もしくは入院患者が携帯電話を使える環境でそうしたものを使って電話があったものなのか、この連絡経路についてもぜひ分析していただきたいと思います。
 例えば院内の廊下に公衆電話があったとしても、虐待をしている医療従業者がいる近くで通報するということは極めて難しいと考えられます。精神科病院においては、携帯電話の持込みはしっかり許可されているかどうか、入院患者が声を上げる環境が整っているかなどの配慮についても、都としての確認を強く求めます。
 先日の保健医療局でも質疑させていただいた医療法人杏林会に関して、福祉局にまたがる内容について伺います。
 先日の答弁では、都は、みちのく記念病院での事件を受け、同医療法人の運営状況について確認し、定款の規定に基づき理事長の代行を立てるように指導を行ったというご答弁をいただきました。
 同医療法人が運営する介護老人保健施設については、福祉局が管轄のため、こうした施設において身体拘束など行われていないか、都として指導監督を行うべきではないでしょうか。対応について確認をさせていただきます。

◯西坂指導監査部長
 都はこれまでも、都内の介護老人保健施設に対しまして、区市町村と連携しながら、適切に指導監督を実施しております。

◯さんのへ委員
 みちのく記念病院での事件を受け、その後、都内の施設においても当該医療法人としての対応に問題がないか明確にするためにも、定例的な指導以外での確認実施をぜひ求めます。みちのく記念病院においても、不自然な死亡退院があるという特徴が指摘されており、このことは旧滝山病院とも共通しています。今回要求させていただいた資料を見ると、旧滝山病院で事件が公になった令和五年二月十五日以降から今年二月二十八日までの二年間のうち、新規入院三十七名、転退院八十一名、死亡五十二名となっています。この死因について、高齢の方や、慢性腎不全などの疾患を抱えた方が多かったとのことですが、事件を受けて発足した第三者委員会のこれまでの報告書を見ると、患者への薬の過剰投与や、ネグレクトが報告されています。
 一般的に、都として死因を全て調査する義務がなくとも、こうした事件を受けた後においては、都内の精神科病院の死亡退院の状況について、きちんと都として調査すべきと考えますが、都の見解を伺います。

 ◯新田障害者医療調整担当部長
 都内精神科病院で亡くなる患者の死因は、入院患者の状況によってそれぞれ異なっております。都は、立入検査等により、精神科病院の管理運営や人権に配慮した患者の処遇が適正に行われているか確認しております。

◯さんのへ委員
 昨日の保健医療局での予算質疑においても、旧滝山病院で転院を希望されている入院患者を都立病院で受け入れることについて触れさせていただきましたが、こちらでも旧滝山病院について、転退院を希望された方への現時点での都としての支援状況について伺います。
 そもそもこうした支援の責任、東京都にあると考えてよいでしょうか。

 ◯新田障害者医療調整担当部長
 当該病院には、身体の合併症や重い精神症状の患者が入院していることから、都は、本人の希望や家族の意向などを踏まえながら、他の自治体とも連携して、本人の状況に合った医療機関を探すなど、丁寧に転退院の支援を行っております。

◯さんのへ委員
 都として丁寧に転退院支援を実施しているとの答弁でした。事件後二年が経過しても、転院がかなわない入院患者がまだいると思われますので、状況については適宜確認をさせていただきます。
 また、旧滝山病院について、死亡退院の数のうち、年齢別、在院期間別、死因の内訳などの既存のデータはあるのでしょうか。不審死の数やその結果についても、都として把握しているかどうか、念のため伺います。

 ◯新田障害者医療調整担当部長
 都は、当該病院から亡くなられた方の情報について報告を受けております。都は、当該病院に限らず、医療法、精神保健福祉法等、法令に基づく病院の適正な管理運営について確認するため立入検査を実施しており、法令違反があるときは、改善のための必要な指導や行政処分を行っています。

◯さんのへ委員
 事件のあった病院ですから、受動的に報告を受けるだけでなく、その内容についてはしっかりと精査するように求めます。最後に、令和七年度新規事業のSNSを活用した精神保健福祉相談について伺います。
 東京都では、心の健康相談として、心の悩み、精神疾患、依存症についての電話相談を特別区十三区と島しょ地域を対象に実施しています。
 今回の新規事業において、主な対象を若年層とした理由について伺います。また、相談者が未成年あるいは中高年であっても、このSNS相談を使えるでしょうか。深刻な相談が寄せられた場合に連携する相談機関などについては、どのような想定をされているか伺います。

◯新田障害者医療調整担当部長
 都は来年度、若年層が精神保健福祉相談にアクセスしやすいよう、SNSによる相談を開始します。若年層をはじめとした悩みを抱える方を対象としており、年齢にかかわらず利用できます。また、専門的な対応が望ましいケースは、精神保健福祉センターにつなぐこととしています。

◯さんのへ委員
 このSNSは、LINEを使用したものというふうに伺っております。また、既に行っている心の電話相談は、平日のみ午前九時から午後五時までという限られた時間での実施となっておりましたので、SNSを活用した相談については、その需要を把握しつつ、二十四時間体制というところの対応も今後検討していただくこと、また、本事業の周知方法については、そのつらい気持ちを抱える利用者に寄り添った内容で実施することを求めて、質問を終わります。

出典:東京都議会会議録