2025年(令和7年)3月17日 厚生委員会
◯さんのへ委員
令和七年度新規事業及び関連する事業について質疑をさせていただきます。
まず初めに、患者の声相談窓口のDX化についてです。
本委員会の事務事業質疑でも確認させていただきましたが、昨年三月からは福祉局の方で精神科病院における虐待通報窓口が設置されておりまして、精神科での病院職員による虐待に関する相談内容は、こちらの虐待通報窓口で受けるようになり、この患者の声相談窓口は、主に医療に関する相談や苦情の対応を行っているということです。
この患者の声相談窓口のDX化は何を目的に実施されるのか、都としての狙いを伺います。
◯西塚感染症対策調整担当部長医療改革推進担当部長健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務
患者の声相談窓口は、患者、都民と医療従事者や医療提供施設の間にあって、中立的な立場から問題解決に向けた双方の取組を支援しております。
DX化によりまして、患者の声相談窓口における相談記録の集計、分析、検索等の迅速化を図り、相談員が類似事例を容易に参照するとともに、分析結果を医療機関の指導に迅速に生かすなどにより、医療安全の向上につなげていくものでございます。
◯さんのへ委員
私、存じ上げなかったんですけれども、この患者の声相談窓口に寄せられていた、令和五年度は七千八百九十二件、これ全部手書きで記録保存されていたということで、そうしたものをデータ記録として残すことで、後の分析や指導に生かすということの都の意図を確認させていただきました。
患者の声相談窓口に寄せられた、相談件数及び対応状況の推移、今回、資料要求させていただきましたが、やはり医療や医療現場に関する相談なので、本当にこれ、多岐にわたる相談が寄せられていることが分かります。
中でも、意味不明やその他として振り分けられている内容というところも詳細が気になるところなので、データで振り分ける際に、その分類の仕方というのがどうしても偏ってしまうということにならないように、通話ですとか面談の際の音声記録もぜひ残した上でAI分析とかそういったことをされると、よりその傾向が確実に分かるかと思いますので、ぜひ漏れのないように、寄せられた相談に、全件に対するデータ化というところも要望させていただきます。
次に、医療法人杏林会について伺います。
二〇二三年三月の十二日に、同法人が運営する青森県八戸市にある、みちのく記念病院内で起きた殺人事件について、警察に届け出ず、死因を肺炎とする虚偽の死亡診断書を遺族に渡すなど、事件を隠蔽したとして当時の院長ら二人が逮捕起訴されています。
つい先日の三月十四日には、厚生労働省東北厚生局が監査に入りまして、常勤医の勤務実態に不明瞭な点が見つかったことを受けて、診療報酬の不正受給などについて確認をしたとのことです。
みちのく記念病院を運営する杏林会は、青森県と岩手県、東京都などで四つの病院や介護老人保健施設などを展開しており、東京都目黒区に本部があります。
今年の二月二十五日に行われた厚生労働省福岡大臣の会見では、逮捕された元院長が都内にある本部の医療法人の理事長も務めていたことから、医療法人自体のガバナンスが欠如していることに対して厚労省としてどういう対応をするかということを尋ねられた際に、福岡大臣は、ご指摘のあった医療法人のガバナンスについては、当該法人の主たる事務所が置かれ、指導監督権限を有する東京都においても青森県と対応を共有していると聞いています、厚生労働省としても、引き続き関係する自治体と緊密に連携を図りながら、まずは自治体における対応状況を注視していきたいと思いますと発言されています。
東京都として、みちのく記念病院を運営している医療法人杏林会に対する指導監督の状況と今後の予定について伺います。
◯西塚感染症対策調整担当部長医療改革推進担当部長健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務
都は、みちのく記念病院に立入検査を行った青森県及び八戸市と情報を共有するとともに、都内に主たる事務所を有する医療法人杏林会の運営状況について確認し、現在、定款の規定に基づき理事長の代行を立てるよう指導しております。
引き続き、都は国や関係自治体と連携しながら、適正な運営を指導しているところでございます。
◯さんのへ委員
精神科ではないんですけれども、同医療法人の運営する都内の病院においても同様のずさんな状況というのがなかったかを確認するために、医療法に基づいた立入検査をすべきと考えますが、見解を伺います。
◯西塚感染症対策調整担当部長医療改革推進担当部長健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務
都は、これまでも都内の各病院に定期的に立入検査を実施するとともに、必要に応じて臨時の立入検査を実施しているところでございます。
◯さんのへ委員
ぜひ、臨時の立入検査の実施、強く求めます。逮捕された元院長兼法人理事長は、殺人事件の報告を看護師から受けた際に、そんなことで騒ぐな、家族への連絡は必要ないといった指示をしていたという報道もあり、法人としての隠蔽体質というところを懸念されております。
法人としてガバナンスや対応に問題がある場合においては、特に通告なしでの検査というところでしか改善することは難しいと思いますので、患者の皆様の人権保護のためにも、通告なしの検査、実施を強く求めます。
また、旧滝山病院に限らず、七生病院や綾瀬病院、八王子恵愛病院、多摩あおば病院などで不適切な処遇をめぐって民事裁判や刑事告発が起き、報道になっています。都内精神科病院においての民事や刑事のトラブルや事件について、都としてどこまで把握しているのか伺います。
◯西塚感染症対策調整担当部長医療改革推進担当部長健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務
都は、医療法及び精神保健福祉法に基づき、定期的に立入検査を実施しております。また、通報や内部告発、報道等の情報から必要と判断した場合には、速やかに臨時の立入検査を実施しております。
民事裁判や刑事告発等の個別の事案につきましては病院が対応すべきものと考えておりまして、お答えは差し控えさせていただきます。
◯さんのへ委員
通報や内部告発、報道等の情報から判断した場合において、臨時の立入検査を実施しているとのことですが、やはり都に立入検査を求めたにもかかわらず、対応してもらえなかったりですとか、立入検査された後でも改善されなかったというご相談というのが多く寄せられています。
報道になる前に、ぜひ都として対応する必要があるかと思いますけれども、今の時点で現在進行形の事件、どれぐらいあるか、都の認識を伺います。
◯西塚感染症対策調整担当部長医療改革推進担当部長健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務
都内の精神科病院に関する報道等の情報の把握には、都としても努めているところでございますが、民事裁判や刑事告発等の個別の事案につきましては病院が対応するべきものと考えておりまして、お答えは差し控えさせていただきます。
◯さんのへ委員
綾瀬病院や七生病院のこの事件が起きた後、都として、その後どのような対応をしたのかを伺います。
◯西塚感染症対策調整担当部長医療改革推進担当部長健康安全研究センター健康情報解析担当部長兼務
綾瀬病院における入院患者の開放処遇の制限や、七生病院における入院患者の隔離につきましては、定例の立入検査を行っておりまして、この際には適正に行われていたことを確認しております。
◯さんのへ委員
旧滝山病院について事務事業でも質疑をさせていただきましたが、精神疾患と合併症がある場合でも、空き病床がある都立病院で積極的に患者の受入れをしないのはなぜでしょうか。都としての責任を伺います。
◯鈴木都立病院支援部長
都は、中期目標におきまして、質の高い精神医療を提供するとともに、一般医療機関では対応が難しい精神科救急医療、精神科身体合併症など専門性の高い精神疾患医療を提供することなどを都立病院機構に求めておりまして、都立病院では、精神科身体合併症医療など急性期の精神科医療を提供しているところでございます。
◯さんのへ委員
本委員会の事務事業質疑で、急性期の透析患者等を都立病院において転院を引き受けるということについて質疑をさせていただいているんですけれども、そのときも、急性期の精神科医療を提供しており、透析が必要な急性期の患者に適切に対応をしているという回答だったんですけれども、なぜ、旧滝山病院の転退院を希望する患者を積極的に、現状、受け入れていないのかというところの質問の回答にはなっていないのかなと思います。
繰り返しますけれども、都立病院の身体合併症向け病床数で空いている病床、あるというふうに伺っておりますので、都として責任を持って受け入れることを強く、引き続き求めてまいります。
次に、ドナーミルク利用支援事業について伺います。
私は、二〇二一年に第二子を出産した直後に、日本財団母乳バンクにてドナー登録を行いました。このドナー登録を行ったきっかけなんですけれども、第一子育児中に、それまで習慣で献血を行っていたんですけれども、母乳育児をしている間は献血ができないということを初めて知りまして、献血の代わりに人の何か役に立つことができる行為として、この母乳バンクの存在を知りました。
そのときに、日本では年間約五千人の赤ちゃんが超早産、極低出生体重児で生まれるということ、そして何らかの理由でお母さんの母乳が出ないときに、壊死性腸炎という怖い病気から赤ちゃんを守る、救うのがドナーミルクの役割と学びました。
令和七年度予算には、対医療機関に対する事業として三千二百万円が計上されていますが、具体的にどのような支援を行うのかを伺います。
◯新倉医療政策部長
都は、母乳バンクの普及啓発にこれまで取り組んでおりますけれども、ドナーの登録やドナーミルクの使用に当たって医療機関の負担が大きいことなどから、現在、都内で対応できる施設は限られております。
このため、来年度、ドナーの登録やドナーミルクの使用ができる施設を一層確保するため、ドナー登録を行う医療機関に対し、登録数に応じた補助を行うほか、NICUを有する医療機関のドナーミルク使用に係る経費を補助いたします。これにより、NICU入院児が、必要なときにドナーミルクを利用できる環境を整備してまいります。
◯さんのへ委員
調べさせていただいたんですが、現在、東京都内ですと四か所の病院で、医療機関でドナー登録ができるようになっているということなんですけど、やっぱり需要に対して、現状、まだ少ないのかなと感じています。
また、ドナー登録希望者の多くが、やはり赤ちゃんを連れて移動して、医療にかかって、検査をしてというところが必要になりますので、こうした負担を減らすためにも、ドナー登録ができる医療機関をさらに都内で増やしていただくために、支援と取組を続けていただきたいと思います。
また、出産直前は臍帯血バンクの案内を妊婦さんは受けるんですけれども、そういうタイミングで、この母乳バンクの存在ですとか、ドナー登録の方法が案内されるというのが普及のためにはいいかなと思いますので、ぜひ取組を要望させていただきます。
最後に、無痛分娩の費用助成について伺います。
先ほども質疑がありましたけれども、新規事業のうち保健医療局に係る内容について確認をさせていただきます。
一般質問でも質疑をさせていただいたところですが、やはり私の下には、無痛分娩だけに費用を助成することが少子化対策につながるのかという疑問の声が届いています。繰り返しとなりますが、無痛分娩を費用面で諦めている人、こうした方にとっては助かる事業かもしれませんが、現状、医療現場や産科麻酔にたけた麻酔科医、このスタッフの絶対数が不足しているという指摘がされています。
こうした麻酔科医不足を受けて、研修機会の確保の予算については保健医療局で計上されているため伺います。都内の妊婦全員が無痛分娩を希望しても、現状のキャパシティには限界があることから、結局、この無痛分娩、できる人とできない人に分かれてしまうという不平等が生じる恐れがありますが、この点について都の見解を伺います。
◯新倉医療政策部長
都は、無痛分娩の費用助成の対象医療機関について、原則として、国が作成しました無痛分娩の安全管理対策等に関する自主点検表、これの全項目を満たすことを要件としております。
都の調査では、都内分娩取扱施設の半数以上が無痛分娩を実施しており、また、そのうち自主点検表に定める研修事項の項目を満たしていない施設が約四割となっております。このため、無痛分娩取扱施設が自主点検表の項目を充足できるよう、急変対応に関する研修受講の機会を提供してまいります。
◯さんのへ委員
都として、研修や自主点検表による安全確保に取り組まれるという答弁だったんですけれども、やはり急に都内の麻酔科医さんが増えるわけではないかと思いますので、費用助成を受けたくても受けられない方、無痛分娩をしたくてもできない方というのが、ある程度発生してしまうのではないかなというところが懸念されます。
先日の一般質問の答弁では、無痛分娩の費用助成に関して医療現場や関係者と意見交換を実施しているとのことでしたが、どのような意見を都として受けているでしょうか。本事業の実施について反対する意見、なかったかどうか確認します。
◯新倉医療政策部長
都は、無痛分娩に関して、医療関係者や関係団体等との意見交換を行い、費用助成の対象医療機関の要件や開始時期、また都民への普及啓発の必要性などについて様々な意見をいただいており、これらも踏まえ制度設計を行っております。
◯さんのへ委員
本事業の実施予定、今年の十月を予定しているとのことですが、導入までの期間、そして導入後もしばらくは混乱が生じる可能性が懸念されます。事務手続ですとか申請手続等、医療現場や妊婦さんへの負担というところも配慮していただく必要があると考えます。
無痛分娩の費用助成については、また福祉局の方でも質疑をさせていただきます。
以上です。
出典:東京都議会会議録


