2021年(令和3年)9月30日 決算審査特別委員会

◯さんのへあや委員  
 令和2年度に実施された冷感タオル配布事業について伺います。
 本事業は、令和2年度補正予算(第4号)において提案されたもので、75歳以上の5万8,000人の高齢者の方へ、フレイル予防、熱中症予防のために、冷感タオルが配布されたものです。補正予算額3,543万8,000円という、学校や病院の感染症対策強化と同額の大金であることを踏まえ、この事業が補正予算として、緊急的でやむを得ないものであるのか、フレイル予防、熱中症予防として、冷感タオルが有効であるかなどの根拠等々、様々な点において疑念が払拭できず、費用対効果が期待できないという理由から、当時、審査員として1人事業実施の反対を表明しました。反対した者の責務として、この事業の計画の適正性などにおいて、説明責任が足りない点を追求し続けています。情報開示請求等で明らかとなった事実関係を基に、改めてこの事業の実施プロセスに瑕疵がなかったか、順を追って区の見解を伺います。
 まず、事業を実施するに当たり判明した内部手続についてです。
 本事業が補正予算審査において審議、可決されたのが、2020年6月30日。一方で、既に入札起案、事業者との契約が2020年6月29日に締結されていることが明らかとなりました。補正予算の成立前に競争入札の開札、契約を行った理由を教えてください。

◯長寿応援課長  
 新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言の解除の後、高齢者の方の日常生活を速やかに支援していくこと。また、夏の時期に合わせて冷感タオルをお届けすること等により、8月の上旬配送ということで事業を計画していたところでございます。しかし一方で、先ほど、さんのへ委員から御指摘があったとおり、約5万8,000枚という相当数の製品の調達と、それからその発想準備におよそ1か月、この期間が見込まれまして、補正予算成立を待っての入札処理の開始では、8月上旬の配送に間に合わないことは予見されておりました。このため、補正予算成立前に事業執行の裏づけとなる予算流用を行い、入札事務手続を進め、補正予算成立後、即事業が開始できるよう準備が必要だったところです。
 以上です。

◯さんのへあや委員  
 緊急的に事業を進める必要があったとのことですが、これは専決処分、随意契約とはならなかったのはなぜでしょうか。また、補正予算が決まる前の入札においては、この予算成立が条件であることを明記する必要があるかと思いますが、なぜ事業者にその条件を通知しなかったのか、改めて問います。
 補正予算成立前での事業締結を行うために、敬老祝金支給事業から2,600万円もの予算を流用していることが、今の御説明のとおり明らかとなりましたが、この補正予算が成立しないことは想定されなかったのでしょうか。もしも成立しなかった場合、通常であれば9月に配送、あるいは送付される祝い金の予算、これはどうされていたのでしょうか、お答えください。

◯長寿応援課長  
 まず、随意契約にしなかったという点につきましては、大きな予算を執行する事業でございますので、事業の執行の可否について、区議会の委員会の中で御審議いただいた後に事業を執行するという、そういう考えに基づくものでございます。
 専決しなかった理由についても、同じになってございます。
 それから、リスクについて、なぜ明記しなかったのかというところでございますが、さきに答弁したとおり、本事業の実施に当たりましては、事業執行の裏づけとなる予算の確保を流用により行っていたことから、契約は瑕疵なく成立をしてございます。したがって、契約の相手方に議会の否決によるリスクというものは生じておりません。また、交わした契約書の中で、協議解除に係る条項が規定されておりまして、協議の上、契約の全部または一部を解除することができること、そして、契約解除に当たり、履行部分があるときは、区が当該部分に対する契約代金相当額を支払うこと、こちらが明記をされております。
 また、補正予算の審議の中で認められなかった場合という御質問でございますが、御理解をいただけなかった場合は、事業の執行は難しかったものと考えてございます。その場合は、今申し上げた契約書に記載をされた協議を基に、事業者に対してお支払いをしなければいけない金額等、その辺りを協議で対応させていただいて、祝い金のほうには、一旦流用した予算のほうをまた戻すという形の対応になったと認識してございます。
 以上です。

◯さんのへあや委員  
 予算を流用した後に否決されていたら、事業者に違約金を払って、予算を戻す対応というのをされるつもりだったのかと思うんですけれども、その違約金って、結局誰が負担するのでしょうか。区民ですよね。これは、税金を使っているという認識が非常に甘い事業だったのではないかと思います。
 次に、仕様書に関して伺います。
 入札参加事業者に配付された冷感タオルの仕様書は、サイズは約30センチメートルから80センチメートル。素材はポリエステル45%、ナイロン55%という細かな指定があるものでした。当時は、冷感タオルの材質等は準ずるもの、つまり基本となるものとして記述したという説明を受けましたが、一般的な冷感タオルの材質は様々であり、ポリエステル100%のものもあれば、ナイロン素材、ポリアミド繊維のものもあります。サイズも様々です。先ほどの回答にもありましたが、予算成立が条件となると、事業者に対して厳しくなってしまうのではないかという印象を受けたんですけれども、この仕様書における細かなサイズ、組成の指定というのは、何を目的としてこんなに細かい仕様を指定されたのか御説明ください。
 また、山崎区長は冷感タオルの配布目的について、高齢者の外出支援、フレイル予防と熱中症予防と説明されていましたが、今年、オリンピック・パラリンピック教育推進事業として、小中学生に配布したクールタオルにおける仕様書においては、接触冷感、湿潤冷感の単位である9マックスの指定がありました。冷感タオルの仕様書には、こうした単位の指定がなかった理由を問います。素材はポリエステル45%、ナイロン55%という仕様に、どのような熱中症予防効果を期待されたのでしょうか、御説明ください。

◯長寿応援課長  
 区は契約時に仕様を提示するに当たりまして、仕様は具体的に記載する必要があると考えてございます。また、仕様書には同等以上という形で明記させていただいておりまして、サイズですとか、あるいは材質違いを理由に製品を排除する仕様とはしてございません。不明点がある場合につきましては、質問の期間中に区に確認することができております。同等の定義でございますが、例えば何パーセントの範囲といった類いの数値的な定義、それはございません。ただし、冷感素材を使用して涼感があること。また、吸水性能が高くて冷感が維持すること。肌触りが良くて、摩耗性に強いこと。そして、首に巻き付けるのに適切な長さであること。こういった目的が達成されるのであれば、同等という判断をしたと認識をしてございます。
 少し重なる部分がありますけれども、予防効果というところにつきましては、高齢者の方々が、買物やあるいは通院など、日常生活において必要な外出もございます。また、散歩などの軽い運動まで自粛してしまうと、コロナウイルスの感染終息後の体力低下が懸念されているところでございます。また、屋外だけでなく、屋内でも熱中症の発生リスクがございますので、家事の際などにも活用していただきたいということで実施している事業でございます。このため、少しでも多くの場面で高齢者の方々に使っていただきたいということで、涼感ですとか、先ほど申し上げた肌触り、耐摩耗性、それから長さ、こういった観点で仕様を定めたところでございます。
 以上です。

◯さんのへあや委員  
 先ほども御説明がありました涼感というところで仕様書を定めたというところですが、その説明であれば、パーセンテージまでの明記というのは必要なかったのではないでしょうか。こうした物品調達、印刷、封入等の条件に当てはまる入札参加資格者というのは、名簿上でそもそも90社あったんですけれども、このうち規格に合わせる形で経理課の判断により、10社が競争入札の候補者として選ばれました。この細かな仕様書をもって入札が行われたわけなんですけれども、冷感タオル配布事業のために、わざわざ特注で仕様を変えてタオルを生産する企業は存在しませんでした。入札を実施した10社中7社が辞退、2社が入札不参、そして結果的に見積りを取った1社のみが落札という、事実上の随意契約となりました。
 本来であれば、多くの入札参加資格を持つ事業者がいた実態があったにもかかわらず、細かな仕様を求めるというのは、特定の事業者と実物を指定していたのではないかという疑念が湧きます。もしくは、実質的に対応できない事業者を指名しておいて辞退させるという形式だけの入札が行われた疑いが拭えません。本件物品調達における、最終決裁権者はどなたでしょうか。

◯総務部長  
 こちらのほうにつきましては、総務部のほうで最終的に決裁をしてございます。ただ、きちんと手続に基づきまして、区内の事業者10社に対してお声をおかけして、一定の期間、同等という仕様も含めまして契約の仕様の状況について質問を受けた後、結果的に質問はございませんでしたけれども、そういった期間を設けて入札をしてございますので、事実上の随意契約みたいな発言がございましたけれども、我々としたら、しっかりとした競争入札を、区税を使って行いますので、公正な競争入札を行ったという理解でいるところでございます。

◯さんのへあや委員  
 公正な競争入札が行われたという江東区の見解なんですけれども、先ほども触れたのですが、今年、区立の小中学校の児童を対象に配布したクールタオル。これは1枚90円に対して、冷感タオルは1枚348円。封入・印刷等を差し引いても、およそ3倍の価格であることが判明しました。当時、この3倍の価格が適正だと思われて発注されたと思慮しますが、適正とされた積算根拠について確認させてください。
 本契約において落札業者から事業委託について、またどのような説明を受けましたか。江東区が関知しないところで、2次的契約、再委託はされていないか、所管課として確認したかどうか伺います。

◯長寿応援課長  
 まず、教育委員会のほうが実施した冷感タオルとの差というところですけれども、そもそもこの契約につきましては、委託内容に差があるために、単純な比較はできないと考えてございます。ただ、考えられることを少し答弁させていただくとすると、まず、そもそも製品の布の面積につきましては、私どものほうで高齢者の方に配布したもののほうが大きい面積になってございます。
 あとは、教育委員会のほうはポリエステル100%という形の組成になっておりますけれども、こちらの高齢者の方にお配りしたものにつきましては、ナイロンのほうも混ざっておりまして、ナイロンとポリエステルを比較しますと、単純にナイロンのほうがやや少し市価が高いということもございます。あとは、私どものほうで配布させていただいたタオルにつきましては、例えば外出中に使っていただいて、涼しくなったら、もう首に巻いている必要はない。でも、タオル自体は濡らして使っていただくものですので、湿った状態になっているということで、これも仕様書のほうに書かせていただきましたけれども、チャック付きの袋というのに必ず入れるような形の仕様ということで指定をさせていただいておりますので、その部分も違う部分になるのかと考えてございます。
 あとは、さんのへ委員の御指摘にありましたとおり、配送に当たって個別に郵送でお送りをさせていただいておりますので、封筒の作成ですとか、あるいは中のフレイル予防、あるいは熱中症に御注意ください、そういったお知らせのほうも入れさせていただいておりますが、そういったものの案内文の作成、封筒自体の封入、あるいは宛名の印字等、そういったものが違いになるかと考えてございます。
 それから、再委託のところにつきましては、再委託につきましては、原則的には禁止されてございます。禁止されているんですけれども、契約の履行に必要な一部の再委託につきましては、その再委託先ですとか、再委託業務内容等を区に申請させるなどの所要の手続を経て、区はこれに応じる場合がございます。
 本件につきましても、タオルとお手紙の封入や、宛名シールの添付について再委託の申請がございまして、これを許可いたしております。先ほど来、答弁させていただいているとおり、非常に事業スケジュールが、かなりタイトなものでございましたので、逐次、履行の状況については、事業者とやり取りを進めておりましたので、進行管理のほうは所管課のほうで適切に行ってきたところです。
 以上です。

◯総務部長  
 さきの一般質問の中でも、事業の2次的委託、再委託について御質問がございまして、御答弁申し上げているとおり、一般的な契約としては、2次委託、再委託というのは認めてございません。この考え方なんですけれども、再委託を無限に認めてしまいますと、公共事業が、一体どこの誰がどういった事業進捗で行っているかというのが区として把握できなくなるので、基本的に再委託を禁止しているものでございます。
 今回、区があらかじめ定めた再委託申請書に基づきまして、事業者のほうが所管に申請を出しまして、事業所管課がこれを認めてございますので、我々としたらば、区が禁止している再委託事業の全部または一部の再委託には該当しないということで、経理課としては判断しているところでございます。

◯さんのへあや委員  
 契約時において再委託の申請、許可があったということで承知しました。今おっしゃっていただいたように、私の一般質問においても、一般条項に違反する再委託、2次的契約があった場合、契約締結後、事業実施後においても、委託業者を指名停止するという説明がなされました。本事業においても、申請された再委託、2次的契約とはまた別のところで、何か再委託のような形のことが行われていた場合、所管課として経理課にその旨は報告すべきと思いますが、そういった理解でよろしいでしょうか。

◯長寿応援課長  
 答弁の繰り返しになってしまいますけれども、適切な申請を受けて、区としても再委託を認めております。その再委託の範囲の中で、事業のほうが執行されております。ですので、今回の案件に関して、所管課のほうから改めて何か事業者に確認をすること、あるいは、経理課のほうに報告をするようなことはございません。
 以上です。

◯さんのへあや委員  
 最後に、本事業を江東区としてどのように評価されているのか。また、評価しているのであれば、本年度実施しなかった理由について伺います。

◯長寿応援課長  
 評価ということでございますけれども、昨年の8月の頭になりますが、高齢者の方々のお手元に冷感タオルのほうが届き始めた最初の週を見ると、1日大体10件以上の、例えば、暑いのでありがたいとか、それから家族とか、あるいはお友達にも使ってほしいので売ってくれないかと、そういった感謝のお電話をいただいたところでございます。高齢者の皆様に本事業の趣旨は御理解いただけたものと認識してございます。
 また、本事業につきましては、新型コロナウイルス感染症に関する情報がまだまだ少なくて、非常に強い警戒感があった昨年という、そういう状況の中で、長い自粛生活を過ごした高齢者の方に、引き続き感染症防止に気をつけていただきながら、日常生活を応援するということで実施をしてございます。今年度につきましては、高齢者の方々のワクチン接種が大分進みまして、また、福祉会館、ふれあいセンター等の高齢者福祉施設も運営を継続しているような状況でございます。コロナウイルス感染症と付き合いながら生活をしていく意識というものが醸成されつつあるという状況であることから、今年度につきましては、当該事業の実施は考えておりません。
 以上です。

◯さんのへあや委員  
 お礼があった、感謝のメッセージがあったということなんですけれども、喜んでいただくこと自体は決して悪いことではないんですけれども、私が質疑しているのは、昨今のコロナ禍において、区民にとって有益な予算の使い道であったのか、瑕疵がなかったかどうかの確認をさせていただいています。喜んでもらえたらそれでいいという評価の仕方であれば、議会で予算を審議する意味はないと思います。冷感タオルを配布した後、令和2年8月には、7名もの区民の方、75歳以上の方が熱中症で亡くなられています。こうした効果分析や費用対効果を分析せずして、物品配布に多額の税金を投入して、少し事業者との癒着も垣間見られるようであれば、今後もますます厳しく追及していく所存ですので、覚悟してください。次の質問に移ります。
 江東区保育施設における新型コロナウイルス感染拡大防止対策補助事業に関して伺います。
 本事業は、新型コロナウイルス感染症防止のための消耗品の購入等や、施設消毒に要する経費の実支出額を補助するという、国による支援策を江東区でも実施したものです。本事業を実施するに当たって、国の周知に基づくスキームは、どのようなものであったか伺います。

◯保育計画課長  
 こちらの国の通知に基づくスキームのほうなんですけれども、まず国より、新型コロナウイルス感染拡大防止対策に関わる物品購入等に係る支援策が発出されました。それに基づきまして、令和元年度末に本区においても、保育施設の安全性の向上及び感染拡大防止の観点から、1施設につき上限50万円の施設の消毒及び消耗品の購入に要する費用の一部を補助することといたしました。令和2年度にも、引き続き国から支援策が発出されたことを受けまして、1施設につき、令和元年度の交付額に合わせて上限50万円の補助を行うとともに、補助対象の品目の見直しを行いました。
 また、こちらとは別枠としまして、感染拡大防止対策としまして、1施設につき上限50万円で、保育所が実施する安全対策事業に要したかかり増し人件費や、補助物品に要した経費の一部を補助することとしたところでございます。
 以上でございます。

◯さんのへあや委員  
 ありがとうございます。本事業の予算額が2億2,000万円弱だったことに対して、決算額は1億1,400万円程度。不用額が1億500万円ほどあり、額面上の実施率は49%となっております。本事業において、不用額が半数出ていることについて、区の分析と今後の対応について伺います。
 また、この事業を実施している中で、現場の声、意見としてどのようなものがあったのかお答えください。

◯保育計画課長  
 まずこちら、江東区保育施設新型コロナウイルス感染拡大防止対策費補助要綱に基づいて補助を行っているところですが、その補助対象施設である私立認可保育所、認証保育所など、191施設のうち190施設が利用しているということがありますので、保育事業者への周知というのは十分行えていたのかと分析しているところではございますが、多額の不用額が発生している状況でございます。
 こちらの主な理由としましては、補助の中に休園となった施設が実施する施設の消毒に要する経費の実績残。あと、施設の規模にかかわらず、1施設100万円の上限というところで、そこまでの物品の購入に及ばなかったというところの状況が発生しております。なお、令和3年度の本事業の実施に当たりましては、施設の規模に応じた補助額を設定しているところでございます。
 もう1つお尋ねのありました、この事業を実施している中での現場の声というところですが、特に令和2年度の事業を実施している中では、保育施設から補助対象品目にこれが該当するのかという問合せがございましたが、事業そのものに対する要望・御意見等は特段なかった状況となっております。
 以上でございます。

◯さんのへあや委員  
 分かりました。191園中190園が申請しているという状況であります。各園からの申請状況を確認させていただきますと、おっしゃっていただいたように、やはり規模にもよるんですけれども、園によっては、100万円という上限、この補助金のことを多分よく理解されているからだと思うんですけれども、上限をきちんと申請できているようなところもあるように見受けられます。こうした活用できているいい事例ですとか、今後のことになるんですけれども、寄せられた質問と、それに対して江東区はこのようにこの事業にお金を使いますというQ&Aなどをシェアされて、引き続き利用しやすい制度周知に努めていただくというのはいかがでしょうか。要望させていただきます。
 また、感染症予防とは観点が少し異なるんですけれども、多くの保護者や区民の方からは、感染症対策に尽力している現場の保育従事者に対する処遇改善の要望が高まっております。これは一例ではあるんですけれども、荒川区において、令和2年12月下旬頃、保育事業所と常勤・非常勤・臨時等の雇用契約に基づき就労している保健所に勤務する職員に対して、謝意を表すという取組の一環として、1人につきQUOカード2万円分が支給されました。
 私自身も、少し私事になるんですけれども、保育の質ですとか保育従事者の処遇改善を有資格者としての視点から議論することを目的に、今年の8月に保育士資格を取得しました。保育士の処遇改善というのは、やはり金銭的な補助だけではなくて、自治体として、保育事業は子育て世帯に欠かすことのできないものであって、その職員をエッセンシャルワーカーとして位置づけること。新型コロナウイルスの感染リスクを抱えつつ、こどもの安心・安全な保育を提供するという、非常に責任の重い業務に従事されていることからも、社会的にかなり重要性があるんですというのを、江東区が自治体として、謝意を表することも処遇の改善であるとは考えるのですが、そういったことに対する見解を伺います。

◯保育課長  
 私どもといたしましても、現場の保育士をはじめとする保育園運営に携わる全ての職員の皆さんが、園内の感染防止に日々尽力されているということについては、十分理解しているところでございます。特に、本年7月から8月にかけて園内での感染が急増いたしましたが、保育園は学校のように夏休みを取るということはできず、また、園児はそれぞれ距離を置いて座っているということもできない状況でございます。むしろ抱き寄せたり、触れたり、愛着を持って保育することが求められている中、年少の園児はマスクをすることも安全上できず、感染拡大防止という点につきましては、非常に厳しい状況でございます。
 保育現場の職員は、このような大きなプレッシャーの中においても、何とか感染を防止しながら、こどもたちのために日々保育に向き合い、保育を継続しようと尽力いただいており、私どもといたしましても、できる限り保育現場をサポートしたいという思いで、これまで取り組んできたところでございます。
 お尋ねの慰労金の給付につきましては、保育士等に限らず、介護職場ですとか、あと障害者施設などで働くエッセンシャルワーカーにつきましても、保育士同様、様々な負担があると認識しておりまして、全体の中で整理していく必要があるものと考えております。
 また、一般的な処遇改善となりますが、保育士の賃料の補助、そういったものを含めまして、江東区といたしましては、年々歳出に関しましては増加をさせているという状況もございます。いずれにいたしましても、引き続き各保育施設が十分な感染対策を図れるように、国や都の制度を活用しながら対応を図るとともに、引き続き、保育現場の職員の支援策についても考えてまいりたいと思っております。
 以上です。

◯さんのへあや委員  
 ありがとうございます。質問を終わります。

出典:江東区議会会議録