はじめに

本日、東京都庁にて「都立高校 実態アンケート調査」実施及び途中経過報告に関する記者会見を開催しました。

本アンケート調査は、現役高校生自身の声から学校環境の課題を可視化し、都政に届けることを目的とした取り組みです。
現在、都立校施設整備・修繕においては教育委員会において「学校(校長)の要望」を踏まえ、施設の状況に応じて、必要な修繕や改修を適切に実施する前提になっていますが、改善されないままのケースが多く、生徒の切実な声を直接聞く受け皿が用意されていません。

都立高校に通う高校生を対象に実態を把握し、生徒・学生の力で教育環境の改善を図るため、現役高校生にアンケートを実施したところ、1ヶ月あまりで200件を超える回答を得る事ができました。

本ブログの要点は以下の4点です。

1.アンケートの途中結果では実施から1ヶ月間で200件を超える声が寄せられました

2.都立高校における「空調・冷暖房の不具合または未設置」であるという意見が全体の約4割を占めていました

3.学校側に要望を伝えても約8割が「何も改善されていない」という状況である事が判明しました

4.都立高校の施設不備について、そこで学ぶ高校生の声が反映され、十分な整備・修繕が進むようサポートしていきます


調査実施の背景 〜なぜ、生徒の声が必要なのか〜

現在、都立高校における施設の修繕は「学校側からの要望」に基づき、施設の状況に応じて、都教育委員会が必要な修繕や改修を適切に判断・対応する仕組みとなっています。(東京都議会第二回定例会 上田令子都議 一般質問より)

しかし実際には、「空調が効かない」、「雨漏りがある」、「トイレが壊れている」など、日々現場で過ごす生徒の声が直接反映される仕組みがなく、切実な課題が置き去りにされている実態があります。

現に、高校生と保護者からは「都立学校の設備に関する相談」が私に多く寄せられており、都度個別に対応をさせて頂いていたものの、こうした声がかき消されている現状を目の当たりにしてきました。

そこで「生徒の声を直接拾い、都に届けたい」という想いと同じ課題意識を持っている学生団体を支援する形で、本アンケート調査が始まりました。

本調査は、大学生(都立高校卒業生)による学生団体が自主的に企画・運営を行っている点が大きな特徴です。
設問の設計、拡散、回答回収、記者会見に至るまで、学生たちが自らの問題意識に基づき一つひとつ行動してきました。

政治や行政が手の届かない現場の声を、若者たち自身が拾い、社会に発信する。
そして集められた声を、大人の都合で無かったことにするのではなく、都議会議員として正式な手続きを経て都教育委員会に請願することとなりました。


現時点での中間報告(2025年7月15日時点)

2025年6月4日から試験的にアンケート調査を開始したところ、オンラインフォームに207件の回答が寄せられました。
中間の調査結果は以下の通りです。

◆施設の不備について
「空調・冷暖房の不具合または未設置」……39%
「トイレの故障・衛生状態の不備」……18.9%
「体育館の設備老朽化」……7.9%
「グラウンドや運動場の劣化・危険箇所」……7.9%
「図書室や特別教室(理科室、美術室)などの環境不備」……2.4%
「教室の壁・床の破損・劣化」……1.8%
「その他」……20.3%
その他回答の例……プールに屋根をつけて欲しい、テニスコートの地面がはがれている、ロッカーの位置、外の階段、プール窓が固くて開かない、浄水器(使用が禁止されている)、運動場に一切日陰ができない、玄関に傘立てがない、正門が開いていない、武道棟の老朽化、ロッカーや下駄箱などの破損…etc

◆学校側に要望を伝えた事があるかの割合

◆学校に伝えて改善されたか?(33件の回答)
「改善されていない」……79.9%(31件)
「改善された/一部改善された」……2.2%(2件)

◆伝えていなかった場合は、どうして伝えられなかったかを教えてください(96件の回答)
「誰に言えばいいかわからなかった」……28件
「生徒会として対応できず、伝える機会がなかった」……10件
「その他」……58件
その他回答の抜粋……「諦めている」「我慢できたから」「言っても変わらないと思った」「新入生だからです」「時間がない」「OB会や先生間でもそのことは把握されていたし、どこに訴えれば良いか分からなかったため。」など

◆今後求めたい支援(自由記述より)
「上記の空調の他、バリアフリー化も十分でないと思う。歴史ある為仕方がない部分もあるが、段差が多いので、足が不自由で車椅子で移動している生徒が苦労している。」
「なかなか予算がすぐに算出されないため、数年故障したままのものがあったり、足りないものがあったりするので、生徒が相談したことについてだけでも、どこまで対応が進んでいるのかや、どのように対応がされているのかが分かるようになるといいなと思います。」
「休憩時間が5分しかなく、生徒も大半の先生も不自由しています。生徒総会の意見で検討されているはずが、一向に変わる気配がありません。どうなったのでしょうか。」
「蔵書数を増やす。古い本もあって欲しいから、捨てずにカビだけ除去するとかしてほしい。」
「門に警備員を配置して欲しい←立地上、周りに多くの外国人や変な人がいるから」
「私立高校の学費免除を一定の基準を満たした生徒のみにし、都立高校の費用を全て免除する」
「空調管理のしやすい環境で学習したい」「教室の天井がはがれて上から白い粉が落ちてくる」
「公立高にもっとお金をかけて欲しい。特に修学旅行の行き先が京都なのはマンネリ化しすぎている。生徒のたった一度の青春のために、都にも努力していただきたい」
「校舎が暗いと心理的にも暗くなるため、もっと明かりが綺麗につくようにして欲しい。」
「部活をする環境も学校生活の大事な要素なので、その整備もお願いしたい。」
「グラウンドを人工芝化してほしい」
「奨学金の適用できる親の年収をもっと上げてほしい。塾や予備校の費用を負担してほしい。」
「青山高校前の信号が車がほとんど通らないのに青の時間が短く赤の時間が長いため生徒の危険横断が多い」
「「校則で決まっているから」や「ダメなもんはダメ」といって生徒の意見を聞かないのは改善点の改善につながらないのでやめてほしい」…など、切実な声が多数寄せられました。


さらなるご協力をお願いします

この調査はまだ進行中であり、より多くの声を集めて実態を明らかにするため、都立高校に通う現役高校生の皆さまに引き続きアンケートへのご協力をお願いしております。

▶️アンケート回答フォームはこちら:https://forms.gle/mWWeQYCAEv1hdPoS7

都立高校に通う皆さまから寄せられた回答は、教育委員会や都議会への提言として調査結果を活用し、都立高校における施設環境の改善を求めてまいります。


メンっ!と総括

アンケートはまだまだ募集中であり、途中段階ではあるのですが、利用当事者である高校生が施設の不備を訴えてもその8割の意見が反映されない現状であることがわかっています。

また、アンケート結果からは、我慢したり諦める事が当然とされている雰囲気がある様子も伺え、子ども達の学ぶ権利の侵害や、将来への諦めに繋がるのではないかと懸念します。

道路の陥没を都や区の担当部署へ連絡し適切な処置をしてもらうのと同じように、東京都における教育に関する重要な公共施設である都立高校の施設不備については、利用する当事者である高校生が自ら都に報告する・相談する仕組みを構築すべきではないでしょうか。

私さんのへあやは、東京都議会議員として本取り組みへのサポートを行い、必要な制度改正・環境整備を都議会の場から提案し、都立高校で学ぶ「高校生の声」が反映される仕組みを整え、公教育の品質改善を進めて参ります。

引き続き皆様のご注目とご協力を、よろしくお願いいたします。

さんのへ あや

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