令和7年5月21日
【声明】東京都による水道基本料金4か月分無償化施策に対する見解
地域政党 自由を守る会
上田令子・さんのへあや
令和7年夏にかけて想定される猛暑への対応として、東京都は、物価高騰による生活不安を背景に、都内の一般家庭を対象に水道基本料金を4か月分無償化する方針を突如として発表しました。
本施策は、家計の負担軽減を目的としたものとされており、一部の都民にとって、月々の生活費をわずかにでも抑えられる効果がある点は否定いたしません。
しかしながら、本施策を「熱中症対策」として位置づけている点については、重大な疑義を抱かざるを得ません。
東京都の説明によると、無償化による費用軽減額は一般的な口径20mmの家庭で1世帯あたり約5,000円(4か月分)とされています。
この金額は、「エアコンを1日1時間長く使用した場合の電気代(月約1,000円)」を4か月分まかなえることを根拠としています。
しかし、水道基本料金の無償化がエアコン使用の促進につながるという因果関係は明確に説明されておらず、主たるコストである電気料金への支援がなされない中で、実際に行動変容が促されるとは考えにくい状況です。また、東京都の「広報東京都」(令和7年5月1日発行)においても、熱中症対策として「エアコンの積極的な使用」は示されておらず、都の施策全体としての整合性にも欠けています。
さらに、本施策に伴う収入減は約368億円に上り、一時的なシステム改修費も7,000万円が見込まれています。これだけの公費を投じながら、どれだけの熱中症による搬送・重症化・死亡を防げるのかといった費用対効果の評価は示されておりません。 加えて、エアコンの操作に不安を抱える高齢者や、居住環境により利用が困難な方も存在する中で、その効果には地域や世帯による格差が生じることも懸念されます。
本事業の目的からすると、当初予算に入れるべきものですが、選挙直前になって拙速に決定するこのプロセスは異常であり、都民の血税が効果的に使えるのか疑義を抱かざるを得ません。本事業は、東京都が、物価高騰に喘ぐ都民の気持ちを真に理解せず、あろうことか、それを利用して、都民への生活支援を隠れ蓑に“選挙対策の「バラマキ」”を行っているものだと指摘します。
私たち地域政党 自由を守る会は、都民の生活に本当に資する政策の在り方を今一度問い直し、選挙のために一時的に支出をすることを強く戒め、長期的な視点に立った実効性ある支援策の実現を強く求めてまいります。
以上