「日本で福祉の勉強をします!」と宣言したものの、
当時インターネットで福祉を学べる日本の大学を検索しても
出てくるのは専門学校やバリアフリーのデザイン系の大学ばかり…。
福祉を専門的に学べる大学よりも、総合的にあらゆる分野から福祉を学べた方が
きっといままでの福祉にとらわれない何かが見えて来る筈。
そして、施設の一職員となるのではなく、もっと広く福祉と関われる仕事がしたいなぁと思った矢先に見つけたのが社会福祉士という国家資格でした。
この資格を得る勉強をしたい!と思い立ち、卒業までに受験資格を得ることができる上智大学総合人間科学部社会福祉学科への受験を決めたのでした。
6月にインターナショナルスクールを卒業し、日本に帰国。
両親は未だタイに居た為、親戚の家から予備校に通い、同年10月に大学合格。
(余談ですが、上智大学は国際教養学部以外の学部学科は帰国子女には厳しく、社会福祉学科を受験した帰国子女8人の内、合格者は私を含め2人でした危ない…。)
同じ年に日本の高校に合格した弟と一緒に二人暮らしをすることになり、
意気揚々と大学に通い始めました。
丁度この頃に障害者自立支援法が施行され始め、障害者の就労と地域生活にスポットが当たるようになります。
講義を受けていた私はふと思い立ちました。
「作業所でのお給料が良くて月2万円!?そんなの自立とはほど遠い。
だったら、仕事を生み出したり、お金儲けのノウハウを知っている民間企業の特例子会社を参考にお金を稼げる仕組みを作業所に浸透させて、納税できる程のお給料が貰える仕組みを作れば自立支援という課題はきっと解決できる!」
そう、お金さえ稼げれば自立につながる。
ちゃんとした収入があれば安心に繋がり、「障害を持つ子供を残して先に死ねない」なんていう思いを親にさせることは無くなるのだ、と。
単純な私はこういった思いで、障害者の為の就労支援を私の一生のテーマにしたのでした。
しかし私はこの時とんでもない勘違いをしていたのです・・・。
続く