2020年(令和2年)03月02日 予算審査特別委員会

2020.03.02 予算審査特別委員会
録画中継

◯さんのへあや委員  
生活困窮者自立相談支援等の質問です。
新たに実施される事業では、ファイナンシャルプランナー資格を有する職員を各課に1名ずつ計2名を相談窓口に配置、また、自立相談支援員とともに計画支援に携わると伺っております。
まず、ファイナンシャルプランナーという資格は幾つか等級が分かれていますが、最低でも何級を保持している方を想定しているのか。また、通常ファイナンシャルプランナーが相談援助を行う一般家庭と生活困窮者とは全く状況が異なります。そのため、福祉的な実務経験も必須要件となるかと思いますが、具体的にどのような方を採用するかについて御説明願います。

◯保護第一課長  
ファイナンシャルプランナーの資格ということでございますが、要件としましては3級以上のファイナンシャルプランナー技能士を予定しております。今さんのへ委員御指摘のとおり、本事業は生活困窮者向けの相談事業ということでございますので、高度なファイナンシャルの技術的な専門分野ということももちろん重要なのですけれども、一方で、まず狙いとしているのは日常のお金の使い方だとか、家計表をもって家計の見える化、こういったことを狙いとしておりますので、そういったことに向けてきちんと相談員として寄り添える、そういうような経験を持つ者を、採用という形ではなくて、窓口を委託業者のほうに選定していただいて配置していただくということを要望しております。
以上でございます。

◯さんのへあや委員  
私の夫が金融機関に勤めておりまして、私自身が社会福祉士としてこれまで活動してきたこともあるのですけれども、やはり相談支援に対する見解というのは全く異なります。なので、今おっしゃっていただいた条件、社会福祉的な実務の経験があるということに加えて、特定の金融機関や保険会社とつながりがそもそもないかとか、そういう観点からもぜひ御判断いただければと思います。
この事業の課題としては、前の質問者の方もおっしゃられていたのですけれども、やはりみずから窓口に相談にお越しになられる方というのはごく少数だと思います。窓口に相談員を置いておしまいではなくて、困窮の背景が高齢、子育て、障害といったさまざまな社会的要因にありますので、支援の入り口を縦割りにさせないよう、公共の場での案内の掲示ですとか、滞在的ニーズのアウトリーチに努めていただきたく強く要望して、次の質問に移ります。
障害者意思疎通支援事業についてです。
事業概要の中に、江東区手話言語の普及及び障害者の意思疎通の促進に関する条例について、手話も活用した動画でわかりやすい啓発動画を作成するとあります。先ほどの答弁でもありましたが、少し重なってしまうんですが、こちらの動画はYouTube上で、また庁舎内でも公開されるかと思いますが、これはそもそも誰に向けての啓発動画なのか、また、現時点でどれぐらいの再生数を見込んでいるのか、予算などお決まりでしたらお聞かせください。

◯障害者施策課長  
条例の普及啓発動画についての御質問にお答えをいたします。
誰に対しての普及啓発動画なのかということになりますが、江東区民の皆様、また、ことしはオリンピック・パラリンピックが開催されますので、江東区を訪れる全ての皆様に対して普及啓発をしてまいりたいということで考えております。
内容につきましても、障害当事者の方の意見も聞きながら、どなたにもわかりやすいものをつくっていきたいと考えております。
再生回数につきましては、現在では予想というのは立ててございませんが、先ほども答弁申し上げましたとおり、予算66万円、5分程度の動画ということで、いろいろなところで気軽に見ていただけるようなものということで想定をしております。
以上でございます。

◯さんのへあや委員  
本事業に限ったことではないのですけれども、江東区がYouTube公式チャンネルで公表している動画について調査させていただきました。動画数は282件、再生回数の平均値が402回、再生回数の中央値が81回、1,000回の再生を超えている動画本数は18本でした。江東区は、収益を得るために動画を作成したいということは重々承知しておりますが、100回の再生回数を満たないような動画作成は時間と人手の損失だと思い、とてももったいないと思います。
YouTubeやツイッターなどに無料広告を執行したりですとか、動画作成やSNSのプロと協力してコンテンツ価値向上の具体策が必要と考えますが、いかがでしょうか。

◯障害者施策課長  
御質問についてですが、確かに今回の条例の普及啓発動画については、YouTubeについても載せる予定でございます。ただ、こちらは利益を得るためということではなくて、この条例の内容を広く区民の方、江東区を訪れる方に知っていただきたいということが主眼でございます。それが障害の理解が深まることにつながり、心のバリアフリーが育つということで、オリンピック・パラリンピックの理念にもかなうものだと考えております。
そういった理念で作成をいたしますので、YouTubeの再生回数というところの御指摘がございますが、YouTubeだけではなく、区のホームページですとか庁舎の情報ステーションの大型モニターでも流していき、また、折に触れて、こういった動画がありますということで障害者施策課、障害者支援課としても皆様にお知らせをしてまいりたいと考えております。
以上でございます。

◯さんのへあや委員  
まず、見てもらわないと、本来の啓発という意味に合ったお金の使い方からは少し外れてしまうのかと思いますので、啓発動画をつくっておしまいではなくて、そちらを効果的に人々に広く知ってもらうための周知についてもよろしくお願いいたします。
心身障害者福祉手当の誤支給については、補正予算でも質疑させていただいたのですが、時間の都合で割愛させていただきます。
保育施設整備と入園事務につきましても、先に質問いただきましたので割愛させていただきます。
虐待防止事業に関してです。
去年は、江東区内で1件の痛ましい虐待死事件が発生してしまいました。このときに強く感じたのは、こどもショートステイ事業がなぜ活用されなかったのかという点です。来年度予算ではレベルアップ事業となっておりますが、具体的に何が充実されるのか伺います。
また、利用できる対象者が限られているという一方で、江東区のホームページを見ると、利用要件に育児疲れ、育児不安等により育児の養育が困難となった場合とあり、申し込めば誰にでも広く利用できるような案内をされていると感じています。今後の課題や、どのようにして周知を進めるかなど、考えを伺います。

◯こども家庭支援課長  
ショートステイ事業の御質問でございますけれども、まず、充実した点についてでございます。
実は、この事業につきましては、保育者が病気や出産等で子供の養育が一時的に困難な場合、あるいは育児疲れ等により養育困難と認められる要保護家庭に対して投入するサービスでございます。
こうした中で、これまで課題としてありました、この事業におきましては、生後1歳以上のお子さんをお預かりする事業となってございまして、生まれたばかりのゼロ歳児のお子さんをお預かりする場所がなかったということが大きな課題となってございました。このたび、広尾にあります日本赤十字の乳児院のほうでゼロ歳児のお預かりもしていただけるというお話がまとまりましたので、こちらのほうに必要なお金を今回、予算として計上させていただいたところでございます。
それから、一般利用の件についてでございますが、区報や、あるいはホームページ等でも、先ほども申し上げましたように、保護者の方が病気や出産等で一時的に養育が困難な場合には御利用いただくというところはアナウンスしてございます。
ただ、この事業そのものが、基本的には、その次に申し上げました育児疲れ等により養育困難と認められる要保護家庭を中心に投入しているサービスということもございます。また、キャパシティとして、1日当たり施設に預かっていただけるお子さんが3名、それから区内の協力家庭員と呼ばれる、区民の自宅でお預かりいただいているという活動をしていただいてございますが、この協力家庭員が11名いらっしゃいます。つまり、1日のキャパシティが14名というところから、こうした要保護家庭の支援策として実施している中で、虐待防止の観点から、そのリスクの高いと思われる方々に優先的に投入していかざるを得ないというところが現状であり課題であるというところでございます。
以上でございます。

◯さんのへあや委員  
時間がないので、質疑をこちらでおしまいにします。ありがとうございました。

質問数:5

出典:江東区議会会議録