毎月開催している「おしゃべり都政ミーティング」も、おかげさまで第4回を迎えることとなりました。

日時:2026年1月31日(土)14:00〜16:00
場所:かいとカフェ(江東区東陽4丁目8-6)
参加費:ドリンクの注文をお願いいたします(お一人につき、一杯以上)
カフェの売上は就労支援B型「かいとカフェ」で働く方々の賃金につながります

  • 途中入退室OK
  • 車椅子・ベビーカーOK
  • お一人あたりのお話の時間に制限を設ける場合があります
  • 個別の相談、個人情報を含むご相談につきましては、さんのへあやHP内の「お問合せフォーム」から常時受け付けております

第4回 おしゃべり都政ミーティングへの申し込みは下記Googleフォームよりお願い致します
https://forms.gle/aCAGQFJwusTBZsuG8

第2回・第3回 おしゃべり都政ミーティングと改善について

これまでの開催では、第2回でデータセンター問題、第3回で民泊問題を取り上げ、多くの皆さまにご参加・ご意見をいただきました。改めて感謝申し上げます。

一方で、「参加したいが情報が見つからない」「どこから申し込めばよいのかわからない」といったお声も頂戴しておりました。こうしたご不便を解消するため、このたび公式ホームページ上のお問い合わせページに専用バナーを設置いたしました。

今後は、こちらから最新情報をご確認いただけますと幸いです。

また、今回も含めて開催直前でのご案内となってしまうことが多く、ご迷惑をおかけしました。
今後はより余裕を持った情報発信に努めてまいります。

「都営バス」について、日頃から感じていることをぜひお聞かせください!

さて、第4回のテーマは「都営バス」です。
深刻化する運転士不足により、現場ではどのような影響が生じているのか。そして、その解決に向けてどのような方策が考えられるのか、皆さまの率直なご意見を伺いたいと考えております。

あわせて、今回の議論の前提となる基礎情報として、「なぜ運転士・整備士が不足しているにもかかわらず、給与が10%カットされているのか」という点についても、これまでの経緯を確認してまいりました。ぜひ以下のブログをご一読いただき、議論の参考にしていただければ幸いです。

深刻な運転手不足の背景にある「給与10%カット」の歴史

江東区内でも減便や深夜便の廃止が相次いでいますが、その最大の原因は「運転手不足」です。
なぜ、これほどまでに人が集まらないのか。交通局に確認した内容について情報を共有させて頂きます。

まず、10%給与カットの背景には、平成期の景気低迷や行財政改革の流れ、さらには規制緩和による競争環境の変化がありました。

平成期に入り、日本全体が長期的な景気低迷に直面しました。
いわゆる「失われた時代」と呼ばれるこの時期、行政全体に対しても強い行財政改革の圧力がかかります。東京都においても例外ではなく、「公務員はコストが高い」「公共事業はスリム化すべきだ」といった議論が強まりました。

こうした中で、交通事業、とりわけ都営バスは慢性的な赤字が問題視され、「民営化すべきではないか」という議論が本格的に浮上します。

さらに大きな転機となったのが、平成14年(2002年)の規制緩和です。この年、バス事業における需給調整規制が撤廃され、新規参入が制度上は自由化されました。従来は地域ごとに事業者がある程度守られていた市場が、理論上は競争環境に置かれることになります。(実際はバス業界への新規参入のハードルは以前として高く、新規でバス事業に参入する事業者は殆どいなかったそうです)

この規制緩和の流れと、行財政改革の圧力が重なったことで、「赤字の公営バスをそのまま維持するのは難しい」「民間と同等の水準に見直すべきだ」という議論が一気に強まっていきました。

当時は、都営バスの給与水準が民間バス会社と比べて高いとされ、概ね15〜20%程度、最大で1.3倍程度の差があるという認識がありました。この「官民較差」を是正することも、大きな論点の一つとなります。

こうした状況の中で、最終的に選ばれたのが「民営化ではなく、公営として維持する代わりに給与を引き下げる」という選択です。

そして2007年(平成19年)4月、労使間の合意により、運転士・整備士の給与を10%カットする措置が導入されました。
これは単なるコスト削減ではなく、「都営バスという公共インフラを維持するための条件」として位置付けられたものです。

当初は経過措置も設けられ、既存職員の給与を一定程度保障する仕組みもありましたが、この制度は10年後の2017年(平成29年)に本則化され、現在に至るまで継続しています。

つまり、現在の10%給与カットは、規制緩和・行財政改革・民営化圧力という一連の流れの中で、2000年代に制度として固定化されたものだと言えます。

都営バスの収支を語る上で欠かせないのが「東電株」

少し余談になりますが、都営バスの経営を語るうえで見落とせないのが、2011年の東日本大震災による影響です。

当時、東京都交通局は東京電力の株式を保有しており、年間およそ25億円前後の配当収入がありました。
しかし、震災に伴う原発事故の影響で、この株式は無配当へと転落します。

この影響は小さくありません。それまで配当収入によって支えられていたバス事業の経常収支は、一転して悪化し、2011年度以降はおよそ20億円規模の赤字となりました。

つまり、表面的には維持されていた収支の裏側で、実は構造的な厳しさが顕在化したのがこのタイミングだったと言えます。

その後、交通局は赤字圧縮に向けて様々な合理化を進めてきました。
給与10%カットの継続に加え、ダイヤの見直し、利用の少ない路線から多い路線への車両・人員の再配置、車両の使用年数を従来の13年から延長するなど、徹底したコスト削減と効率化が行われています。

都営バスの収支は年度ごとに変動しながらも、2013年度には一時的に黒字化しました。しかしその後は再び赤字基調が続いています。

このように都営バスの経営は、単なる「赤字か黒字か」という単純な話ではなく、外部環境や政策判断に大きく左右されながら、綱渡りのように維持されてきたのが実態です。

都営バスを「民営化」すれば本当に良くなるのか

都営バス運転士不足についてSNS等を通じて発信したところ、都営バスの民営化を求める声が多数寄せられました。
「効率化」「コスト削減」という言葉は分かりやすく、耳障りも良いものです。

しかし、その裏で見落としてはならない視点があります。

バスは単なる移動手段ではなく、高齢者や障がいのある方、子育て世帯にとっての生活インフラです。
採算性だけで判断すれば、当然ながら利用者の少ない路線や時間帯は縮小・廃止の対象になります。

すでに地方では、路線廃止や減便により通院や通学が困難になるケースが現実に起きており、都市部であっても例外ではありません。
もちろん、現状のままで良いわけでもありません。非効率や無駄があれば見直すべきですし、民間の力を活かす余地もあります。

しかし重要なのは、「すべてを市場に委ねてよいのか」という線引きと、民営化したとしても、多額の補助金が都から投入されることになるという点です。

採算だけでは守れない移動があり、そしてその影響を最も受けるのは、声を上げにくい人たちです。

効率化・民営化の議論の中で、誰が取り残されるのか。
その視点を欠いた改革は、結果として社会の分断を深めるだけと考えます。都営バスは、単なる事業ではなく「都市のセーフティネット」です。だからこそ、民営化という言葉の前に、慎重な議論が必要だと考えます。

そして今、その負担の一部を長年支えてきたのが、現場で働く運転士・整備士の処遇であることも、忘れてはならない視点です。

過去の厳しい行財政改革の歴史を踏まえて、今後都営バスはどうあるべきなのか?皆さまのご意見を伺うのを楽しみにしております。

さんのへあや

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