2024年(令和6年)12月18日 第4回定例会(第18号)
◯十一番(さんのへあや君)
私、さんのへあやは、地域政党自由を守る会を代表し、知事提出第二百六十七号議案に反対、その他の知事提出議案に賛成、議員提出議案第十一号に賛成及び第十二号に反対の立場から討論をいたします。
さきの補欠選挙を経て、私が都議となってから、はや五か月が経過しました。地域政党自由を守る会として二人で会派を組み、本定例会を含め二回の一般質問を実施し、小池都知事の政治方針に関して答弁を求めましたが、地方公務員法の理念に抵触するにもかかわらず、小池知事は、いずれも局長に答弁をさせるという対応を選択されました。
都民の代表である都議の質問を都知事が拒むことは、都民とその代表者たる議会軽視にほかならず、区議会出身者として、民主主義が機能不全に陥っている都政の現状に驚きを隠せません。
また、小池都政下において、こうした状態を都議会が看過し、二元代表制以前に、都知事、行政の追認機関に成り下がっていること自体も、都民から議席をお預かりする立場として断じて許容できません。
現在、国において、年収百三万円の壁の見直し、ガソリン税の暫定税率の扱い、高校生などを扶養する場合の扶養控除縮小について議論が進められております。こうした税制の見直しに関する議論が進む背景に、物価高騰が続く中で、都民並びに国民が厳しい経済状況の中で生活していることがありありと見てとれます。
家計が苦しい都民は、自らの支出を見直し、節約に励んでいます。こうした都民の方々からの負託を受けてこの場に立たせていただいている私としては、都知事が提唱する事業の中には、支出の見直しが不十分であり、実施後の維持費も含め、税金が無限にあるかのような事業も含まれており、到底看過することはできません。
私ごとではありますが、二か月前に第三子を出産いたしました。子育て真っただ中の当事者である私は、子供たちの未来を憂う一人の母親でもあります。未来ある子供たちに過剰な負担を負わせるような判断を許すわけにはいきません。
未来の東京都民に対する責任を果たすべく、地域政党自由を守る会は、決算を徹底精査した上で予算編成をすることを一貫して都に求めています。
先日行われた各会計決算特別委員会及び全決算審査においても、地域政党自由を守る会は、令和五年度一般会計決算、臨海地域開発事業会計、特別区財政調整会計決算について反対の態度表明をいたしました。
反対した理由の一つに、行政の事業としての意図や効果が懐疑的なプロジェクションマッピング事業があります。そもそも実施すべきであったかどうかの議論も多いこの事業の経済効果の大半が、税金で支払った経費を占めていると先日ニュース番組で報道されました。また、同じく報道では、プロジェクションマッピングを見ていた方々にアンケート調査を行ったところ、いまだに都庁の展望台目当てで来る方の方が多い現状も明らかになりました。
もともと都内各地にあったナイトタイムの観光地から、ただ観光客を奪っているともいえる現状であり、都知事が決めた事業を実施するために、お手盛りの経済効果をつくり上げ、費用対効果が懐疑的であり、生活困窮者対策等、喫緊の課題が山積していることから、中止の検討を決算審査では求めた次第です。ODAIBAファウンテン事業でも全く同じことが懸念されています。引き続き、都においては、財政規律の確立を強く求めます。
まず、知事提出議案第二百六十七号についてです。
給料、報酬等に関するもののうち、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例について反対いたします。
主な改正内容は、人事委員会勧告により、例月給を公民較差二・五九%解消のため、平均で一万五百九十五円給与を増額し、人材確保の観点から、初任給を二万九千三百円引き上げ、特別給においては年間支給月数を〇・二か月分引き上げするものです。例月給、特別給ともに三年連続の引上げ改定となりましたが、企業など民間との格差解消をうたいつつ、その比較対象である企業は、企業規模五十人以上かつ事業所規模五十人以上の都内事業所です。
都人勧は、平均従業員数が二十一・九人の中小企業と零細企業並びに個人事業主が比較対象から外れており、事業規模の大きい企業を対象とした比較のみでは、国民生活、都民感情からすれば、乖離は否めません。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によれば、東京都の平均年収は五百六十三・六万円ですが、富裕層も集中していますことから、実態は全国平均の四百六十二・六万円に近いと思料いたします。ゆえに、都民の税金から給与を受けている以上、都職員は、都民全体の生活水準に応じたものとしなければ、都民の理解は得られないと考えます。
まずは、毎晩プロジェクションマッピングに照らし出され、夜半まで電気がついている都庁の実態を受け止め、誰から見ても分かる形で残業を減らし、都知事の公約どおり、残業ゼロを達成するのを実現するのが先ではないでしょうか。
少子化と人手不足により、都の採用試験の申込者数は十年前の三分の一程度の水準に落ち込んでおり、公務を担う有為な人材の獲得は危機的状況にあります。こうしたことの背景により、初任給は過去最大の引上げとなりましたが、給与以外の面からも、人材の流出、優秀な若手人材が減る都の勤務体制を見直して、職員のモラルを高める必要があります。
小池都知事は、本定例会の所信表明において、来年度四月からの週休三日制の制度を導入するとの考えを明らかにしましたが、都の週休三日制は、フレックスタイム制を活用し、四週間を一つの単位として、百五十五時間の勤務時間を週五日から週四日に割り振るもので、労働時間を減らさず、労働日数を減らすという圧縮労働型と呼ばれるものです。根本的な勤務環境の改善にはなりません。
過日の決算審査において公開された資料によると、都職員の超過勤務状況は増え続けており、平成三十年度の一人当たり月平均で十三・三時間から一度も減ることがなく、令和四年度には月平均十六・八時間となっています。
現時点でも、いまだに平均十六・八時間の残業がある都庁において、週休三日制を利用できる職員は限られており、全庁で導入することは非現実的であると指摘します。厚生労働省が提唱するワーク・ライフ・バランスを図るためのポイントには、まず、長時間労働の是正、仕事と生活の両立、多様な働き方の実現から考えていく必要があるとされています。
残業時間がある中での週休三日制は、長時間労働を許容してしまうおそれがあり、ワーク・ライフ・バランスの実現から逆行しています。
各会計決算特別委員会でも意見としてお伝えしておりますが、まずは風通しのいい組織風土を醸成することで、都職員自殺ゼロ、精神疾患等による休暇、休職防止に努めることを求めます。
働き方においても、一部の職員を優遇する制度ではなく、先述したように、まずは残業ゼロ、さらに有給消化率一〇〇%を達成した後に、報酬体系や評価体系への見直しが必要です。行き当たりばったりで聞こえのよい政策を掲げてばかりで、その効果検証はおざなりになっていると指摘します。
次に、私どもの会派として、職員給与の引上げに関する議案に反対を表明していることから、議員提出議案第十一号、東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例についても、都職員に連動して引き上げられてしまう期末手当の支給月数を据え置く必要があると考え、賛成をするものであります。
最後に、議員提出議案第十二号、東京都シルバーパス条例の一部を改正する条例案についてです。
令和五年度シルバーパス発行に係る決算額は、都営バス分のみで百九十億千八百四十二万七千円となっており、都内七十歳以上高齢者の人口の増加に伴い、シルバーパスに係る費用のさらなる増加が見込まれています。
また、私の地元江東区、特に臨海地域では、再開発などによる急速な人口増加に加え、催物の開催や商業、にぎわい施設の充実などにより来訪者も増加しており、子供の通院や通勤、通学のために都営バスを使用する地域住民からは、増便の要望が多数寄せられています。
子育て世帯や働き世代の多くは、運賃の優遇措置をそもそも受けておらず、シルバーパスの一律金額設定及び拡充は、世代間の不公平感、不信感が拡大することが危惧されます。
さらなる税金投入が懸念されることに加え、高齢者及び低所得者への支援は別途、選択と集中により展開すべきところであり、シルバーパスの発行対象者の費用負担を一律に年額千円とすることや、利用できる運送事業者及びパスの通用区間を拡充することについては理解しがたく、提案議員のご苦労に敬意を表しつつ、反対をするものであります。
以上の各指摘については、小池知事以下、理事者におかれましては、真摯かつ誠実に受け止めて、都民のための都政運営を進め、二元代表制を徹底することから隗より始めよと強く要望し、地域政党自由を守る会として、本定例会に提案された各議案への討論を終わります。(拍手)
◯港湾局長(松川桂子君)
さんのへあや議員の一般質問にお答えいたします。
私からは、四点のご質問にお答えいたします。
まず、臨海副都心に整備する噴水についてでございます。
コロナ禍以降、来訪者数の減少等で地域の活力が低下し、地元の事業者や水域利用者からにぎわいを求める声があり、来訪者からは、楽しめる施設を増やしてほしいなどの声も寄せられております。
このため、都は、臨海副都心のプレゼンス向上とさらなる発展に向けた取組の一環として、新たなランドマークとなる噴水を整備することといたしました。
次に、噴水の経済波及効果の算出根拠についてでございます。
噴水の整備による経済波及効果につきましては、専門的な見地から客観的に算出するため、外部委託を実施いたしました。
具体的には、台場地区への新規来訪者の消費額と既来訪者の滞在時間増による消費額をもとに算出したものでございます。
次に、噴水の周辺環境への配慮等でございますが、噴水の整備による周辺環境への影響等につきましては、基本設計の段階から継続して検討しており、関係機関等と引き続き調整を行い、必要な対応を行ってまいります。
最後に、噴水の管理を行う上での根拠法についてでございます。
お台場海浜公園に整備する噴水は、船舶交通の安全等を図ることを目的とする港則法や、東京都海上公園条例等に基づきまして、適切に管理運営してまいります。
◯福祉局長(山口真君)
三点のご質問にお答えいたします。
まず、無痛分娩費用助成の対象についてでございますが、都は来年度、希望する方が安心して無痛分娩を選択できるよう、費用助成を開始することとしております。無痛分娩では、硬膜外鎮痛法が一般的に行われており、この方法を用いた無痛分娩を費用助成の対象とすることとしました。
次に、無痛分娩費用助成の金額についてでございますが、都内の無痛分娩費用は平均約十二万円であり、一定の自己負担を勘案し、助成金額の上限を十万円とすることとしました。
最後に、無痛分娩費用助成の考え方についてでございますが、無痛分娩は、子供を産み育てたいと望む方が安心して出産するための選択肢の一つでございます。
◯保健医療局長(雲田孝司君)
二点のご質問にお答えいたします。
まず、無痛分娩の費用助成についてでございますが、都は、無痛分娩の現状などにつきまして、医療機関への実態調査や医療関係者、関係団体などとの意見交換を実施しており、これらも踏まえ、制度設計を行っております。
次に、無痛分娩に係る医療機関の対応についてでございますが、都は、希望する方が安心して無痛分娩を選択できるよう、無痛分娩の費用助成の対象医療機関について、原則として国が作成した無痛分娩の安全管理対策などに関する自主点検表の全項目を満たすことを要件といたします。
なお、都はこれまでも、医療機関において、分娩時における死亡事例等が発生した場合には、医療法に基づき立入検査を行うなど、適切に対応しております。
◯生活文化スポーツ局生活安全担当局長(竹迫宜哉君)
電動マイクロモビリティーに関する三点の質問にお答えをいたします。
まず、シェアリング事業者と連携した取組についてでございますが、都は昨年度、シェアリング事業者等の団体と電動キックボードの安全利用普及啓発に関する協定を締結いたしまして、都の交通安全イベントなどに協力を求めるとともに、都の啓発リーフレットや都民からの声を共有しております。
次に、インバウンドに対する周知の取組についてでございますが、都は、電動キックボードを含む特定小型原動機付自転車の安全利用を促進するため、都が作成をいたしました啓発リーフレットの英語版をウェブサイトで広く周知いたしております。
最後に、安全な車両の普及についてでございますが、都は、道路運送車両法の保安基準に適合した車両であることを示す性能等確認済みシールを啓発リーフレット等に掲載し、利用者に確認を呼びかけております。
◯建設局長(花井徹夫君)
都道における自転車通行空間の整備状況についてでございますが、都は、自転車通行空間整備推進計画に基づきまして整備を進めており、令和五年度末までに累計四百四キロメートルが完成しております。
◯十一番(さんのへあや君)
お台場海浜公園の噴水は、いつ、誰が発案されたものですか。最終決裁者である小池知事の答弁を求めます。
◯港湾局長(松川桂子君)
臨海副都心に整備する噴水に関する再質問についてお答えいたします。
コロナ禍以降、来訪者数の減少等で地域の活力が低下し、地元の事業者や水域利用者からにぎわいを求める声があり、来訪者からは、楽しめる施設を増やしてほしいなどの声が寄せられております。
このため、都は、臨海副都心のプレゼンス向上とさらなる発展に向けた取組の一環として、新たなランドマークとなる噴水を整備することといたしました。
出典:東京都議会会議録


