2024年(令和6年)9月26日 第3回定例会(第13号)
◯十一番(さんのへあや君)
初めに、不適切指導について伺います。
江東区議会議員時代より、指導死遺族らと共に不適切指導をなくす取組を続けております。令和五年三月、国は、不適切指導の懲戒処分基準が未整備の教育委員会は処分基準を定めることと通知し、都も、体罰等に関しては停職、減給、戒告の処分量定を定めています。
都の体罰ガイドラインは、平成二十五年以降改定がない一方、新たな生徒指導提要で明記された不適切な指導の具体例には、都が非違行為として定めていない具体例が挙げられており、一刻も早いアップデートが必要です。
今年七月、滋賀県守山市では、教職員向けに、体罰、不適切指導根絶のためのガイドラインを作成しました。
チルドレンファーストを掲げる都でも、不適切指導ガイドラインを作成し、子供たちが安心して学べる環境づくりを進めるべきではないでしょうか。教育長の見解を伺います。
また、都として不適切指導に関する教職員向け研修や啓発は行っているのでしょうか。コンプライアンス研修のように不適切指導メインで実施しているのか、具体的事例が反映されているのかを伺います。
また、令和四年度児童生徒の問題行動、不登校等生徒指導上の諸課題に対する全国調査のうち、自殺した児童生徒の背景は六二%が不明、教職員による体罰、不適切指導が背景にあると認められたのは〇・五%、このとき初めて、不適切指導がなければ救えた命があることが可視化されました。不適切指導は、調査する法律がなく、自殺で亡くなった場合の背景調査の指針頼みとなっています。
不適切指導を受け、不登校で踏みとどまっている子供、つらい思いをしながら学校に通っている子供を一刻も早く救うためにも、都として国に先駆けて不適切指導に特化した実態調査をするべきと考えますが、見解を伺います。
次に、いじめ重大事態への対応について伺います。
今年第一回定例会におけるいじめ問題対応について、上田令子都議の質疑に対し、いじめ防止対策推進法を踏まえた重大事態への対処の在り方を示し、教育委員会や学校における取組の徹底を図っておりますとお答えになっていますが、その後、具体的に取り組んでいることを教えてください。
また、いじめに耐えて大人になったとしても、逆境体験が心身の健康に長期的に影響をもたらすことが判明しています。いじめ重大事態は直ちに解決に向けて対応しなければ子供の尊厳は守れません。
いじめ重大事態調査指針改定があり、被害者に寄り添うことが重視されている中で、都として今後どのような対応を行っていくのか伺います。
また、子供の権利擁護の視点から、児童生徒が先生を評価したり、学校を通さないで安心して意見を表明する場が求められます。
大阪府寝屋川市の監察課のように、公立私学問わず、匿名性が確保でき、ワンストップで子供の相談を受け付け、解決に導く相談体制が必要と考えますが、見解を伺います。
最後に、小池知事就任後に送付された挨拶文について伺います。
今年八月、自宅に小池都知事名義の挨拶文が届き、大変驚きました。公職選挙法第百七十八条の二では、政治家は、選挙後、当落についての挨拶行為、特に文章による配布を禁じています。法に抵触していなくとも、昨年行われた埼玉県蕨市長選挙後に市長挨拶文を公費で発送、自治体が市長に代わって事務を担うことを問題視する声が上がっています。
挨拶文発送に係る都知事の公選法に対する見解を伺います。
挨拶文の内容、情報開示請求により判明した印刷費及び郵送料の費用総額をブログに掲載したところ、分かり切ったことを挨拶文として周知することは税金の無駄遣いではないかという見解、前例踏襲ではないかという指摘が相次いでいます。
挨拶文の郵送先は千二百十一通、東京都議会議員を含む各種団体関係者、有権者が含まれていることからも、こうした前例踏襲を続け、税金を使用して挨拶文の作成、印刷送付を行うことに対する都知事の見解を伺います。
今年八月に行われた都知事記者会見で、DX化の推進はペーパーレスなどアナログ環境からの脱却により始まったと説明されています。挨拶状の費用は都全体の予算からするとごく僅かですが、こうしたところから、都知事自身が率先垂範してペーパーレス化を具体的行動で示すべきではないでしょうか。
また、開示請求により、挨拶状封筒に使用されている素材は、リサイクルに適さないCランクの資材を使用されていることが分かりました。SDGsの観点からも、挨拶文を作成することの見解、是非を伺います。
少額であったとしても、一つ一つ税金の無駄遣いを是正しなければ、大きな行財政改革は実現できません。今後も、二元代表制を担う立場から、どんなささいな問題も看過せず、税金の無駄遣いと闘ってまいります。
再質問を留保して、私の一般質問を終わります。
〔教育長浜佳葉子君登壇〕
◯教育長(浜佳葉子君)
さんのへあや議員の一般質問にお答えします。
私からは六点お答えいたします。
まず、体罰等に関するガイドラインについてでございますが、都教育委員会は、体罰関連行為のガイドラインを独自に定めており、教職員の体罰を含む不適切な指導の防止に向け周知を図っております。
次に、不適切な指導の防止に関する研修についてでございますが、都教育委員会は、様々な研修でこれらの内容を取り扱うほか、校内研修においても実施を義務づけております。
次に、教員の不適切な指導等の把握についてでございますが、都教育委員会は、児童生徒が、教員に関する不安や悩みについて、学校を通さず、第三者窓口に相談シートを提出できるようにしています。全教員に対しては、校長が指導方法等をチェックシートにより確認しています。
把握した事案については、速やかに指導を行うなど、適切に対応しております。
次に、いじめ重大事態への取組の徹底についてでございますが、都教育委員会は、令和二年度に改定したいじめ総合対策の内容を、区市町村教育委員会及び公立学校を対象とした連絡会や教員の研修において周知をしております。
次に、いじめ重大事態への対応についてでございますが、教職員が適切な対応ができるよう、都教育委員会が策定したいじめ総合対策の内容を周知、徹底しております。
次に、子供からの相談を受け付ける体制についてでございますが、都教育委員会は、子供が安心して相談できるいじめ相談ホットラインを設置し、いじめや教職員の対応等に関する相談に応じ、必要な場合には関係機関と連携して適切に対応しております。
〔政策企画局長坂本雅彦君登壇〕
◯政策企画局長(坂本雅彦君)
三点のご質問にお答えいたします。
まず、知事就任の挨拶についてでございますが、知事就任の挨拶等は、国の法令にのっとり適切に行っております。
次に、挨拶文についての二点のご質問にまとめてお答えいたします。
知事就任の挨拶等は、社会通念などに照らし、適切に行っております。
〔十一番さんのへあや君登壇〕
◯十一番(さんのへあや君)
挨拶文の見解について、ご自身の去就に係ることですので、改めて知事答弁を求めます。
〔政策企画局長坂本雅彦君登壇〕
◯政策企画局長(坂本雅彦君)
挨拶文についてでございますが、知事就任の挨拶等は、社会通念等に照らし、適切に行っております。
出典:東京都議会会議録