はじめに
令和3年に入り、江東区において特殊詐欺被害が多発しています。
被害額は区内だけで1億円を突破してしまい、今もなお増え続けている状況です。
令和3年7月だけでも51件の詐欺が報告されており、その中でも多かったのが「白河地区」とのこと。
新型コロナウイルスの感染拡大とその予防により多くの高齢者の方が在宅となる事が予測され、予てより特殊詐欺の増加を懸念しておりました。
これらは去年作成させて頂いた警告ポスターです
今回は深川警察署と城東警察署の皆様からの協力を頂き、
増え続ける特殊詐欺の最新手口とその対応策について教えて頂く事ができました。
是非ご家族で共有頂き、更なる防犯意識の向上にお役立て頂ければ幸いです。
今江東区で多発しているのは「オレオレ詐欺」と「還付金詐欺」
特殊詐欺の定義は様々あり、それらは10種類に分類されます。
「特殊詐欺の類型」(警視庁H Pより)
その中でも江東区で断トツに多いのが高齢者宅の固定電話を通じて詐欺行為を働く
「オレオレ詐欺」と「還付金詐欺」です。
これだけ詐欺について周知されているのにも関わらず騙されてしまうのは何故…??
そう思ったそこの貴方。実は私もそう思っていました。
警察の方から教えて頂いた最新手口を聞くまでは…。
以下、実際に江東区で発生した最新詐欺手口の流れと対応策です。
〜特殊詐欺「オレオレ詐欺」編〜
ある日突然、息子や親戚を名乗る人物から電話がかかってきます。
「果物やお菓子などの荷物送っておいたから、受け取ってね!」
後日、宅配業者を名乗る人物から電話がかかってきます。
「佐川急便です。荷物が届いていますが、不在でお届けできませんでした。
いつ頃在宅されていますでしょうか?」
ここで「息子からの贈り物だ!」と思ってしまい、在宅時間を答えてしまいます。
しかし、指定した在宅の日に荷物は届きません。
そのタイミングで息子や親戚を名乗る人物からまた電話がかかってきます。
「荷物届いた?」「荷物戻ってきちゃったから、家の近くまで直接渡しに行くよ」
それを信じて荷物を取りに外出した間に空き巣に入られてしまうという手口です。
<対応策>
①宅配業者を名乗られた場合は「差出人は誰か?」と聞く。
答えられないので大抵「雨で濡れて見えない」「剥がれてしまった」等という答えが返ってきます。その場合は特に詐欺を疑って下さい。
②宅配業者から在宅時間を伺う電話があれば営業所に確認する。
少しハードルが高いのですが、宅配業者から在宅時間を聞かれた場合は詐欺電話である事を疑い管轄の営業所に「自分宛の荷物が届いているかどうか」確認の電話をして下さい。
〜特殊詐欺「還付金詐欺」編〜
1つ目のパターンとして還付金のコールセンターがあると偽り折り返し電話させるものと、2つ目のパターンとして折り返しますと言って10分後に改めて電話がかかってくるものがあります。
共通している言葉は「ATMで還付書類が発行できる」ということ。
大手メガバンクATMに行くと"ATMではお金は返って来ない"という還付金詐欺に関する注意喚起が目立つ様になりましたが、それを逆手に取ったものと思われます。
つまり、その場でお金は返ってこないけれど、言われた通りにATM操作すれば還付書類が出てくるのでそれを以って後日お金が返ってきますよ、というものです。
察しの良い方は既にお気づきかと思いますが、この還付書類とされるものはただの「振込明細」です…。
また、店舗内にポツンと存在している独立型・無人のATMや、
17時以降に警備員さんが居なくなるATMなどを指定してきます。
(店員さんやお客さんの目があるからか、コンビニ内ATMでは詐欺は発生していないとの事です。)
<対応策>
①「ATMでの操作」を指定されたら、それ以上話を聞かずに電話を切る。
言葉巧みに騙してきますので、ATMという単語が出てきたら一方的にでも電話を切って下さい。また、手続きの期限を「今日中」「1時間以内」などとせかし、冷静に考えたり周囲に相談したりする余裕を与えない事もこの詐欺の特徴です。
②家の固定電話には「貸し出し自動通話録音機」や「留守電」を使う。
オレオレ詐欺とも共通しますが、犯人は自分の声を録音して欲しくありません。
また携帯電話に詐欺電話はかかってこないので、固定電話を携帯電話に変え、登録している番号以外からは電話に出ない事を徹底して下さい。
無料で貸し出しできる自動通話録音機のご相談は管轄の警察署までご連絡下さい。
深川警察署(電話番号)3641-0110
城東警察署(電話番号)3699-0110
東京湾岸警察署(電話番号)3570-0110
まとめ
深川警察署、城東警察署に取材させて頂く前は
「江東区は還付金詐欺か預貯金詐欺(キャッシュカードを取りに来る詐欺)が多い」
と思い込んでいましたが、以外にもオレオレ詐欺が多発していると伺い驚きました。
しかもその手口の巧みさといったら…私でも騙されてしまうかもしれません。
それもその筈、特殊詐欺の被害者の9割が「自分は大丈夫と思っていた」との調査結果(警視庁調べ)が出ています。
詐欺の手口は目まぐるしく変化し、あらゆる手法で区民の皆様の大切な財産を狙ってきます。
口酸っぱく何度も繰り返しますが、固定電話を無くせない場合は必ず「自動通話録音機」か「留守電設定」を利用しましょう。
区民を騙す姑息な詐欺や卑怯な手口を私は絶対に許しません。
政策としてもお約束させて頂いている防犯・防災に徹底し「特殊詐欺被害から区民を守る」という信念からブレる事なく、今後も最新の情報を皆様に共有させて頂ければと思います。
また、この場をお借りして情報をご提供下さった深川警察署・城東警察署のご担当者様に深く御礼申し上げます。
さんのへ あや